ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 92 エルサレム記念日:主の御手の中で
イスラエルでは、26日、「エルサレム・デイ」が例年通り祝われました。1967年にエルサレムが統一され、ユダヤ人のものになったことを記念する日です。50万人が町に出て喜びを共有しました。
ガザに近いイスラエル南部の町スデロット。ユダヤ教宗教学校の教室にカッサムロケットが直撃しましたが、生徒たちは祈りに行っていて全員無事でした。スイスでは、イスラエル航空機撃墜計画が事前に発見されていたことが明らかになりました。主の御手はイスラエルの上にあります。
わが神。私を敵から救い出してください。
私に立ち向かう者が届かぬほど
私を高く上げてください。
不法を行う者どもから、私を救い出してください。
血を流す者どもから、私を救ってください。(詩篇59:1-2)
イスラエル南部の町スデロットはガザに近いため、カッサムロケットが日常茶飯事に飛来します。21日(日)、ユダヤ教宗教学校にロケット弾が直撃しました。不発弾でしたが、教室とトイレが破壊されました。生徒たちは朝一番の祈りのため、祈祷室に行っていて全員無事でした。
アルーツ7(ユダヤ教宗教派の新聞)によると、この朝祈りはすでに終わっていました。この日、生徒たちは、席をはずした教師の帰りを祈祷室で待っていて、すぐに教室に帰らなかったため難を免れていました。イスラエル紙の中には、この出来事を奇跡ととらえ、イスラエルは主の御手の中にあると報じているものもあります。
その4時間後、ネゲブに通じるガヴィム交差点にもカッサムロケットが着弾して爆発。近くにいた女性二人が負傷してショック状態に陥り、治療を受けています。イスラエルは一連の攻撃を受けて、ガザで空爆を行いました。
昨年12月、スイスのジュネーブで、エルアル・イスラエル航空機を撃墜しようとしたテロリストが、計画未遂のまま逮捕されていたことが明らかになりました。逮捕したのは、フランスの諜報機関とスイス警察。イスラエル機の撃墜御を目的とした武器(RPG レーザー誘導型ミサイル)を、ロシアから密輸しようとしたアラブ系移民3人を逮捕したことで計画が発覚しました。警告を受けたイスラエル航空は、ジュネーブ発着便をすべてチューリッヒ発着に変更していました。
イスラエル航空ではRPGを早期に察知するシステムを導入しています。このシステムは、一機につき100万ドルものコストがかかります。エル・アルでは全機に装備する予定です。ただし、このシステムは、レーダーを使わない非誘導型のミサイルは関知しないため、防衛効果に疑問も持たれています。
イスラエル国防軍は、8年前より指名手配されているハマスのテロ指導者を西岸地区の町ラマラにて逮捕しました。イブラヒム・ハメッド(41)は、数々の自爆テロを計画実行し、イスラエル人60人を殺害したと見られています。
ラマラでは引き続き、イスラエル国防軍による掃討作戦が続けられています。24日、武装勢力との激しい戦闘の結果、パレスチナ武装兵士4人が射殺、30人が負傷しました。
オルメルト首相はブッシュ大統領を訪問。2010年までにパレスチナとの間に国境線を引く方針について協力を要請しました。続いて、イランの核問題に触れ、イランは数カ月以内に核兵器技術を習得すると警告しました。オルメルト首相はCNN放送のインタビューで次のように語っています。「問題はイランがいつ核兵器を作るかではなく、いつ核兵器技術を習得するかです。ウラン濃縮に至っているとすれば、核兵器製造技術の習得はまもなくです。」
一方、シモン・ペレス副首相も22日、イランが核兵器を所有すると、堰を切ったように中東内外の諸国が核を保有するようになると警告しました。ペレス氏は重ねて国際社会が足並みをそろえて、この問題に真剣にとりくむべきであると語りました。
パレスチナ側はハマス政権誕生以来、西側諸国からの援助が停止し、深刻な経済危機にみまわれています。銀行がガザへの送金を停止しているため、アラブ諸国からの支援金も届かないままになっています。自治政府の職員は2ヶ月以上も給料を支払われていません。
このためファタハの間で、経済危機はハマスが政権入りしたせいだとして、ハマスに対する反発と怒りが高まっています。これに対処するため、先週、ハマスが3000人の武装勢力を新政府警察として、ガザで展開させました。
この挑発ともとれる行為にファタハが反発。22日、両者の間に銃撃戦がおこりました。この銃撃戦でヨルダン大使館職員が死亡しました。これでファタハとハマスの権力争いによる死者は8人目となります。
この混乱の中、アッバス議長は25日、イスラエルとの二国家共存案を提示し、国民投票を行うと電撃的な発表を行いました。ハマス主導の内閣には、この案を受け入れるかどうか10日内に決めるよう通達しました。提示案によると、ガザ、西岸地区、東エルサレムがパレスチナ国家になるとしています。この案を受け入れるということは、イスラエルの存在を認めるということになります。
この発表の後、パレスチナ自治警察官がハマスに襲撃され死亡、続いて自治政府官僚らも襲撃され10人が死亡しました。
ファタハ党はアッバス議長が所属する政党ですが、資金難から武力においてはハマスにかなり劣っています。イスラエルは、パレスチナ自治政府に対してアッバス議長の護衛用の武器を供与することを決めています。(右派のリクードは、これに強く反発しています。)
一方、イスラエルでは26日、「エルサレム・デイ」でした。東西エルサレムが統一された日を記念する日です。オルメルト首相は、エルサレムが統一されたユダヤ人の都市であり続けると語りました。これはイスラエルを1967年以前の国境線にまで撤退することを要求し東エルサレムをパレスチナ国家側に入れるというアッバス議長案とは合意しえないことを示しています。
エジプト・シナイ半島のシャルム・エル・シェイクで「国際経済フォーラム」が開催されました。このフォーラムでは、中東の経済改善を目的としているNGOフォーラムです。このフォーラムで、21日、イスラエルのリブニ外相とアッバス議長が会談し、2005年以来、初の高官レベル会談となりました。
リブニ外相はイスラエルが痛みを国民に要請してもなおパレスチナとの二国家共存を願っていることを強調しました。また、アッバス議長が武装勢力を管理しかねている事を指摘し、議長は、対等にビジネスを行う相手としてパレスチナ側に関することにはすべて責任をもつべきだと語りました。
アッバス議長は、ハニヤ首相(ハマス)にイスラエルを認め、暴力を放棄するという自治政府の方針に従うよう指示したと返答しました。また国際社会に対し、ハマスにチャンスを与えるよう要請しました。しかし、リブニ外相はハマスに対しては、容認をゆるさず、今のパレスチナの窮乏はハマスが招いていると非難しました。上記、アッバス議長の電撃的国民投票案はこの会談後に発表されたものです。
シャロン前首相は、呼吸器に依存する状態で長期療養を続けています。先週、長期療養のリハビリ病院へ転院しました。イスラエルでは最高レベルのケアが提供されている病院です。医療スタッフの中にクリスチャンが備えられるように。続けて救いと療養生活のために祈りましょう。家族の救いもおぼえましょう。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど
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