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ハイメール通信No. 85 パレスチナ評議会召集

議会選挙でハマスが過半数を獲得。19日、初めてのパレスチナ評議会が召集されます。首相には、ガザのハマス指導者イシュマエル・ハニヤ氏が指名される見通しです。

イスラム原理主義社会になりつつあるガザでは、2月28日を期限に聖書協会を爆破するとの脅迫がきています。イスラエルは、パレスチナ側とのさらなる分離政策をすすめる準備に入りました。

もし、あなたがたが善に熱心であるなら、だれがあなたがたに害を加えるでしょう。
いや、たとい義のために苦しむことがあるにしても、それは幸いなことです。かれらの脅かしを恐れたり、それによって心を動揺させたりしてはなりません。(Iペテロ3:13-14)



■ パレスチナ評議会召集

パレスチナの議会選挙では、132議席中ハマスが74議席、アッバス議長所属のファタハが45議席と、ハマスが第一党になりました。選挙結果に基づき、19日、初めてのパレスチナ評議会(日本でいえば国会)が西岸地区のラマラで召集されます。1994年に、評議会が初めて招集されて以来の新評議会となります。

ガザに在住する議員は、西岸地区への移動ができないため、テレビモニターによる参加となります。評議会招集の後に、アッバス議長は首相選出、並びに新内閣の形成を委任します。現時点では、ガザ在住のハマス指導者の一人イスマイル・ハニヤ氏が、首相に選出される見通しが高くなっています。政権はハマスとファタハの連立になるとみられていますが、両者が合意したという報告はありません。

ハマスは、対イスラエル闘争の目的で結成された団体。団体憲章はイスラエルの存在を認めないことが大原則となっています。政治に参入するにあたり、憲章そのものの見直しにせまられていますが、現時点では、変更の予定も意志もみられていません。逆に、イスラエルとの闘争は続けると表明しています。アッバス議長は、評議会において、パレスチナ自治政府がこれまでにイスラエルと合意した事項は遵守するよう命じる予定です。

<イスラエルの対応>

イスラエルはハマスの自爆テロで数百人もの市民の命が奪われてきました。ハマスは多量の武器をガザに集結させており、「パレスチナ軍」の結成に備えているとの報告があります。イスラエルは、パレスチナ評議会が正式に発足するのを待ち、ガザ地区の封鎖を検討しています。

17日、イスラエルは、西岸地区とイスラエルを結ぶ検問所を11カ所に限定しました。11カ所はパレスチナ人専用です。イスラエル人は別の検問所を使うことになります。オルメルト首相代行は、パレスチナ側との分離政策を加速させ、防護壁の建設を急いで、事実上の国境線を設立する方針です。

パレスチナ評議会招集によって、ハマス参入が明確になるのを境に、イスラエルは、パレスチナ自治政府との距離を確立するとともに、実際的な制裁も計画しています。下記の通りです。

  1. パレスチナ人のガザと西岸地区間の移動禁止(昨年末開通していた)
  2. ガザからの流通をすべて禁止する
  3. パレスチナ人がイスラエル国内で就労することを認めない
  4. 税金返金(日本で言えば年末調整還付金)の凍結
  5. ガザにおける港湾修理の支援保留・・・・・など

ただし、人道支援を妨害しないとしています。制裁については慎重意見もあります。

○ガザ地区からは、ロケット弾による攻撃が相次ぎ、イスラエル空軍による空爆が行われました。西岸地区でもパレスチナ人たちの暴動で10人以上の逮捕者が出るなど、パレスチナ側とイスラエル国防軍との衝突が続いています。

○イスラエル政府はパレスチナとの分離をすすめるため、違法に入植しているユダヤ人たちを続けて撤退させる方針です。これに反発する入植者とイスラエル国防軍の衝突も懸念されています。

<国際社会の反応>

アメリカ、EUは、パレスチナ自治政府への支援を保留とし、再検討に入っています。アメリカはこれまでに約15億ドルをパレスチナ自治政府の発展のために支援してきました。アメリカはハマスに、イスラエルの存続を認めるようハマスに要請していますが、拒絶されています。

支援金が武装闘争に使われる可能性があるため、アメリカは最近融資した5000万ドルを返金するよう申し入れました。パレスチナ自治政府はこれを承諾しました。資金援助にはイランが関わっていることがわかっています。

EUもパレスチナ自治政府への融資を全面的に見直し検討に入っています。ロシアは、来月初頭にハマス指導者をモスクワに招いています。ロシアはハマスに和平交渉に加わるよう進めるものとみられ、アメリカ、EUから批判の声が上がっています。

<祈り>

  1. すべての状況に主が介入して下さり、イスラエルを守ってください
  2. オルメルト副首相らイスラエル指導者の決断が最善のものとなりますように。
  3. 最前線、検問所にたつ司令官の導き、兵士たちの安全のために。

■ 緊急!祈りの要請:脅迫されているアラブ人クリスチャンたち

ガザ地区がイスラム原理主義指導者に支配されるようになり、ガザのクリスチャンたちが危険な状況になってきました。ガザには聖書協会が経営するブックストアがあります。武装組織は、ブックストアが西側に操られた宣教団体で、イスラムに対抗する「十字軍」だと言っています。

2月28日までにブックストアを閉鎖し、出て行かなければ、ビルごと爆破すると警告してきました。ただの脅しではないことを証明するため、武装組織は先週、ブックストアのドアを爆破しました。今後いっさい活動を行わないよう監視すると警告しています。

ガザ聖書協会では、 I ペテロ3:10-17をもって、脅迫に屈しないことを決めました。アッバス議長を含め、警察、警備組織などに通報、警護を求めています。同時に、イエス・キリストの血によって主が守ってくださるよう世界の教会に祈りを要請しています。

ガザのバプテスト教会(マサド師)、ベツレヘムやラマラなど西岸地区にある教会も覚えてとりなしましょう。

<祈り>

  1. クリスチャンたちが試練の中で、信仰を守りきることができるように。
  2. ブックスストアを通して、イエス・キリストの御名があがめられるように。
  3. 兄弟姉妹たち、特に子供たちを主が守ってくださるように。

■ ダライ・ラマ(チベット仏教)イスラエルで歓迎

チベット仏教の指導者ダライ・ラマが、イスラエルを訪問しています。今回で4回目の訪問。ハマスに暴力をやめ、現実的になるよう訴えることが目的です。ダライ・ラマはベツレヘムを訪問し、町の指導者に会見する予定です。その場にハマスがいることを望んでいると語っています。

ベエル・シェバにあるベン・グリオン大学では歓迎の式典とともに、仏教学の講義も行われました。ダライ・ラマは、「世界はひとつの体。互いに戦うことは自分の体を傷つけているようなもの」と説きました。

イスラエルの若者たちの中には、仏教に興味を持つ者が多くいます。また、ベエルシェバでは、近年、メシアニック・ジューへの具体的な迫害、生活妨害が報告されています。主に背を向けているイスラエル人たちを覚えてとりなしましょう。

*イスラエル政府はダライ・ラマの訪問には関わっていません。ダライ・ラマは、中国が支配するチベットから亡命中の身です。イスラエルは中国との関係維持のため、関わりをもっていません。

<祈り>

  1. 主以外の教えを信奉しているイスラエル人たちを主があわれんでくださるように。
  2. ベエル・シェバでメシアニック・ジューを迫害しているユダヤ人たちの目が開かれるように。

ニュース情報源:ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエル政府プレスセンター、イスラエルインサイダー、イスラエル外務省HP、CNN、NYタイムス 他

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