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ハイメール通信No. 83 オルメルト首相代行

シャロン首相は発作から2週間経っても意識が回復していません。15日には気管切開が施行され、人工呼吸器につながれています。

与党『カディマ』は、副首相だったオルメルト氏を首相代行に決定しました。オルメルト氏はすでに首相代行として、さまざまな決断を行っています。3月の総選挙を目前に、リクード、労働党もそれぞれの道を歩み始めました。続けて主の守りと導きを祈りましょう。

恐れるな。おののくな。
わたしが、もう古くからあなたに聞かせ、
告げてきたではないか。
あなたがたはわたしの証人。
わたしのほかに神があろうか。
ほかに岩はない。わたしは知らない。(イザヤ44:8)



■ オルメルト首相代行

“ARIC(シャロン首相)、WE MISS YOU VERY MUCH!”

ハダッサ大学病院のシャロン首相は15日経っても意識が回復せず、呼吸を助けるための気管切開が施行されました。シャロン首相の最大の協力者であったオルメルト副首相始め、閣僚たちは、シャロン首相の席が空いたままの状態で毎朝のミーティングを行っています。オルメルト氏は、「私たちは毎朝どんなに病院からのよい知らせを待っていることか。シャロン首相不在で寂しく思っています。」と語りました。

シャロン首相が不在になっても、カディマが次回の総選挙で占める予想議席数は44(クネセットの総議席数120のうち)と、高い支持率を保っています。シャロン首相の職場復帰が困難であるとの判断から、16日、カディマはオルメルト副首相を党首、及び首相代行に任命しました。

旧シャロン政権ですが、いったん連立に戻っていたリクードが、再び離脱を決めました。結果シャロム外相はじめ、4閣僚が辞任することになりました。普通内閣は20人で構成されますが、たった6人にまで減ってしまいました。

オルメルト氏は空いたポジションにカディマから閣僚を指名しました。シャロム外相を引き継ぐのは、女性では二人目の外務大臣になるツィッピー・リブニ氏(47)。リブニ氏は外相の他、法務大臣、移民大臣も兼務しています。この暫定内閣は総選挙までの期間、国政を担当します。

エフード・オルメルト

オルメルト氏は1945年9月30日生まれの60歳。4人の子供を持つ父親です。1973年28歳で国会議員に当選。7期続けて議員を続けています。その後、厚生大臣となり、国防、経済など各委員会のメンバーも経験しました。

1993年から2003年まで、2期エルサレム市長を務めました。2003年、シャロン首相の対抗馬としてリクード党首選に立候補し、惨敗。この時、リクード党首に当選した、シャロン首相は、オルメルト氏を副首相に抜擢しました。以後、オルメルト氏は最も忠実な助け手としてシャロン首相を支えてきました。通産相、労働相、2005年には辞任したネタニヤフ氏の代わりとして大蔵相も務めています。

オルメルト氏には、シャロン首相のような輝かしい軍歴はありせん。ヘブライ大学で、法律、心理学、哲学を学んでいます。

<リクードの動き>

リクードはネタニヤフ氏を党首に選びました。しかし、シャロム外相らに閣僚辞任を迫ったことで、リクード内部の統率にかげりがある模様です。

選挙名簿は、トップがネタニヤフ氏、次がシャロム氏(元外務大臣)となっています。リクードの予想議席は9まで下がっていましたが、現在17議席まで回復しています。

<労働党の動き>

労働党のペレツ党首も選挙名簿を発表しました。トップはペレツ氏、次が若手のヘルツォグ氏となっています。労働党は、現在、19議席と予想されています。

このほかの党も、選挙名簿を次々に発表しています。

<祈り>

  1. オルメルト首相代行、新暫定内閣が、イスラエルにとって益となる決断をするように。
  2. 3月末に主の御心にかなった新政権が立つように。
    その準備のために。
  3. 病床のシャロン首相の救いと、闘病の支えのために。

■ イスラエルに迫る容赦なきテロ

内政が危機的状況にある中、治安問題に‘待った’はありません。19日、テルアビブのバス・ステーションのシュワルマ・ショップ(イスラエルのファースト・フード店)で、自爆テロがありました。31人が負傷し、1人は重体です。

イスラム聖戦が犯行声明を出しました。モファズ国防相は、来週25日のパレスチナ人の議会選挙に向けて、各地でテロが予想されるとして、治安関係者と緊急会議を開きました。

モファズ国防相は、今回のテルアビブ自爆テロを経済支援したのがイランであることを指摘しました。また、イスラム聖戦の本部がシリアのダマスカスにあることから、イランが資金を提供し、シリアがテロを実行したとして、イランとシリアの連携をも示唆しました。

イランのアフマディネジャド大統領は、「イスラエルは地図から消えるべき」「ホロコーストはなかった」などの発言で、イスラエルに対する敵対心を公に表明している人物です。

最近イランは、国連の警告に反して、核開発を続けており、国連安全保障理事会に持ち込まれる可能性も出てきています。イスラエルはイランが核開発の元で核兵器を完成させることを強く警戒しています。

<祈り>

  1. テルアビブのテロ被害者の回復のために。
  2. イスラエル全域の治安維持のために。
  3. イラン、シリアなどイスラエルを憎むものたちの手から主が守ってくださるように。

■ もう一つの撤退 ヘブロンでユダヤ人入植者暴動

オルメルト首相代行は、ヘブロンとアモナ(ユダヤ・サマリヤ地方)の違法な入植地からユダヤ人を撤退させるよう指示しました。ヘブロンには約15万人のパレスチナ人の中に90家族のユダヤ人が住んでいます。ガザと同様に宗教的な人々で、ユダヤ教の学校に250人の学生がいます。

ヘブロンには、イスラエルが建国前に所有していたけれども、戦争中に放棄せざるを得なかった土地があります。そこに帰還することはまだ法律では許されていませんが(政府は数カ月後には居住を認可する予定)、一部のユダヤ人たちはここに違法な入植を始めていました。

住民たちは目出帽をかぶり、暴力的行為に及んだため、鎮圧のためにイスラエル国防軍と警察4,000人が出動しました。オルメルト氏は、ヘブロンとアモナの違法入植地からの撤退期限を1月29~31日と発表しています。

<祈り>

  1. 政府と入植者の交渉が冷静に、知恵をもって行われるように。
  2. 暴動が予想されます。ユダヤ人同士の戦いで負傷者が出ないように。

■ 1月25日 パレスチナ自治政府総選挙

1月25日、パレスチナ自治政府議会選挙が行われます。今回、ハマスが立候補しており、アッバス議長の属するファタハ党に大きな脅威となっています。

この選挙に関しては、アメリカなど国際社会が協力して監視を行いますが、パレスチナ武装組織からは、外国人は関わらないようにとの警告が出ています。監視団が宿泊するナブルスのホテルでは、脅迫通告がありました。ガザでは、外国人記者の誘拐が起こっています。

監視団ディレクターのマイケル・マーフィ氏は、警告や誘拐事件の背後に、パレスチナ自治政府が関与している可能性があると示唆しています。選挙でハマスに圧勝させないため、選挙の延期を考えているからです。

投票はガザ、西岸地区各地で行われますが、問題は東エルサレムです。東エルサレムはイスラエル領内です。ハマスの候補者が選挙運動をしたり、顔写真を掲げたりすることをイスラエルは黙認することができません。当初、イスラエルは、東エルサレムでの投票を許可しませんでした。

これに対し、アッバス議長が、東エルサレムでの投票ができないなら選挙を延期すると表明しました。国際社会の圧力もあり、オルメルト氏は、前回のパレスチナ議会選挙の例にならい、一部住民に限り、東エルサレムの郵便局で投票することを認めました(首相代行として初めての決断)。イスラエルの対応をアッバス議長の選挙延期の口実にさせないためです。

しかし、投票権があると思われる10万人に対して、5つの郵便局ではせいぜい5,000人が投票するのが限度。当日は、大変な混雑と、暴動やテロが発生する可能性も懸念されています。また、イスラエル政府は19日、東エルサレムのハマス選挙事務所を閉鎖しました。イスラエルとパレスチナ人との衝突が懸念されます。

<祈り>

  1. 選挙まで、また選挙当日の治安維持のために。
  2. 選挙経過の上に主の支配があり、平和を望むリーダーが立てられるように。

ニュース情報源:ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエル政府プレスセンター、イスラエルインサイダー、イスラエル外務省HP、CNN、NYタイムス 他

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