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ハイメール通信No. 79 分裂?シャロン首相が新党結成

労働党が連立政権から離脱したことを受けて、第16期シャロン内閣を解散、同時にリクード党首を辞任して中道の新党を結成することを正式に表明しました。リクード党内では時期党首選に向けた動きが始まっています。

イスラエルは先週、アメリカの仲介で、ガザ国境の一部開放についてパレスチナ側と合意に至っており、早ければ12月にも治安事情に大きな変化を迎えようとしています。

今週、北部国境をはじめ、西岸地区でも、テロ組織と国防軍の間で大きな戦闘があるなど、最前線における活動が活発になっています。政府に対する主の導きと、最前線の兵士たちを覚えてとりなしましょう。

神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召し出された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(ローマ8:28)



■ シャロン首相がリクード離脱、新党結成発表

11月21日朝、シャロン首相が所属のリクード党に辞表を提出、中道の新党を結成したと電撃発表しました。その直後、シャロン首相はカツァブ大統領を訪問し、現国会の解散許可を正式に要請しました。(イスラエルの大統領は、日本の天皇に似た働きをしています。政治活動に直接参入することはありませんが、政府の承認などは大統領が行います。)

もし、大統領がシャロン首相の要請に応じて国会に解散を命じた場合、国会は3週間以内に即戦力となりうる新しい内閣を現国会メンバーの中から形成しなければなりません。もし、十分機能する内閣が形成できなければ、国会は90日以内に解散、新しい首相を選出することになります(3週間以内に新内閣形成は実質困難とみられています)。

この場合、次期首相の選出までは(90日後までは)、シャロン首相が首相としての地位にとどまることになり、閣僚を指名でき、主導権を維持することになります。また今から90日後といえば、3月初旬にあたりますが、これはシャロン首相が国会解散に合わせて大統領に要請している首相選挙時期にあたります。

カツァブ大統領はまだ結論を出していません。国会スポークスマンは、大統領がシャロン首相の要請に応じるのではなく、国会自らが解散する道を選ぶよう要請しています。

シャロン首相は新党を「前進」と命名し、次のように発言しました。「北部戦線が緊迫しているのを見ても明らかだが、わが国は絶えず治安を脅かされている国だ。リクード党員は、一つにまとまることをやめてしまった。もはやリクードが国家の治安を守れるとは考えられない。」

シャロン首相は、新党のビジョンを次のように掲げています。1)国際的に認められた中東和平「ロードマップ」への努力を続けること。2)実質的な貧困対策と経済政策。

<リクードの反応>

シャロン首相から辞表を受理したリクード中央委員会ハネグビィ氏は、まもなく新党首選挙の日程を定めることになっています。

現在の候補者は、

  • 1)ネタニヤフ元首相(支持41%)
  • 2)ランダウ氏(17%)
  • 3)シャロム外相(13%)
  • 4)モファズ国防省 (9%)

となっています。

<祈り>

  1. 主の最善がイスラエル政府の上になるように。
  2. 主の御心にかなうリーダーが立てられるように。
  3. 政府が不安定な間も国家が守られるように。

■ どうなる? ガザ国境開放の合意点

11月15日、アメリカのライス国務長官の、夜を徹しての仲介により、ガザ地区国境の開放について、イスラエルとパレスチナ自治政府が、合意に至りました。早急にガザ地区住民の生活状況を改善することを目的としています。合意点の概要は次の点です。

1.ガザ――エジプト国境

現在、2005年の収穫時季にあたるため、ラファの国境を開放し、引き続き輸出ができるようにする。ガザ側はパレスチナ自治政府が、エジプト側はエジプト政府が管理する。国境管理の国際基準が達成され、第三者(EUヨーロッパ共同体)が監視を行う体制ができれば、11月25日にも国境を開放する。12月31日までには特別のセンサーを設置し、武器の出入りを監視する。

2.ガザ港湾の整備

輸出入可能なガザの港湾を修理整備する。空港については次回まで保留。

3.ヨルダン西岸地区――ガザ通路

パレスチナ人の生活改善のため、ヨルダン西岸地区とガザを結ぶバス路線を、12月15日までに整備する。物流のためのトラック開通は1月15日とする。ガザ地区とイスラエルの国境は3箇所あるが、イスラエル、パレスチナ自治政府に、第三者を加えて、開通の条件を随時整備する。

<ガザ地区付近に新しいプレスセンター>

最大2,500人のジャーナリストたちに対応する新しいプレスセンターが、ガザ地区に近いエシュコルに設立されました。イスラエル国防軍のスポークスマンが常駐します。英語、フランス語、スペイン語、日本語によるアシスタンスが受けられます。

<祈り>

  1. 新しい動きが、パレスチナ人の生活改善につながるように。
  2. 国境解禁にあたり、テロリストや武器が行き来できないようなシステムが整備されるように。

■ 北部戦線、西岸地区で大規模戦闘

<北部戦線>

11月21日、レバノンとの国境、メトゥラなどのイスラエル軍駐屯地3箇所が、テロ組織「ヒズボラ」によって攻撃されました。ロケット弾、迫撃砲、抗戦車砲、銃器による激しい攻撃で、イスラエル兵12人、市民1人が負傷しました。ヒズボラ戦士らがイスラエル兵の誘拐をねらって侵入してきましたが、国防軍の反撃でテロリスト4人が射殺されました。イスラエル軍では、兵士の誘拐などの被害はありませんでした。

翌朝、イスラエル軍は、ヒズボラの前哨となっていた建物などを破壊しました。一部の前哨は、国境の村ラジャールから20mしか離れていませんでした。

今回ヒズボラがイスラエル軍を攻撃した理由は明らかではありませんが、国連がシリアのテロ支援事実を追及する捜査が行われている中で、ヒズボラが独自にイスラエルを攻撃することで、シリアに対する国際的なプレッシャーを軽くするためではないかと見られています。

ヒズボラは、18年間続いたイスラエルの南レバノン占領に対抗する勢力として、広くレバノン市民の支持を受けてきました。しかし2000年に、イスラエルが撤退した後は、ヒズボラがシリアとの関を強化してきたため人気が落ちました。レバノン市民が、シリア軍の撤退を強く要求したため、現在、シリア軍は撤退しています。

イスラエル空軍は23日、ベイルートおよびレバノン南部に住む市民に向け、ビラを大量にばら撒きました。ビラは、イスラエル国家の書名で、ヒズボラがレバノンに多大な被害を及ぼしていることを訴えています。また、ヒズボラがシリアやイランに操られていることを指摘しています。レバノン政府は、イスラエルが領空侵犯をしたことに憤慨し、かつ「レバノン、シリア、イランとの関係にイスラエルが干渉することが火に油を注ぐことになる」と反発しています。

<ハンググライダーの男性、レバノンへ流され、恐怖の体験>

ヒズボラとイスラエルのにらみ合いが続いている北部戦線で、23日、キブツ・マナラの崖からハンググライダーに乗って飛び降りたワクスラーさん(26)が、そのまま強風にあおられて越境し、レバノン領内へ50m入ったところに着地してしまいました。まもなくヒズボラがワクスラーさんに向かって射撃してきましたが、イスラエル軍の反撃でワクスラーさんは無事保護されました。ワクスラーさんがレバノンへ流されていくのを目撃していたキブツの住民がイスラエル軍にいち早く通報していたため、迅速に対応することができました。この戦闘で負傷者は出ませんでした。

イスラエルへ帰還したワクスラーさんは、「イスラエル軍が助けてくれなかったら今頃は死んでいたノノ」と恐怖を語っています。この日、ワクスラーさんが提出したハンググライダーの飛行許可願いは拒否されており、飛行は許可なしで行われた無責任な行為であったとして、ワクスラーさんは現在、軍に拘留されています。刑事責任が問われる可能性があります。

<ヨルダン西岸地区>

ヨルダン西岸地区の町ジェニンで、テロ組織「イスラム聖戦」の大物、アブ・ロブがイスラエル軍に出頭し、逮捕されました。イスラエル軍は23日、70台以上のジープ、25台の人員輸送車で、アブ・ロブ逮捕のためジェニンへ進攻を開始しました。24日、イスラエル軍がイスラム聖戦の拠点となっていた4階建てのビルを破壊したところ、ビル内に隠れていたアブ・ロブが投降し、逮捕に至りました。アブ・ロブは先日勃発したハデラの自爆テロをはじめ、数々のテロ攻撃を計画している重要人物でした。この進攻中、数箇所で起こった戦闘で、イスラエル兵3人、パレスチナ人11人が負傷しています。

<軍隊でユダヤ性回復?>

イスラエル国防軍に従軍する非ユダヤ系移民は、現在5,000人いますが、ユダヤ教に改宗するケースが増えています。軍では希望者に、ユダヤ教とシオニズムに関する講座を提供しており、この講座を終了した兵士の多くがユダヤ教に改宗しています。改宗率は軍の外で改宗する場合よりもはるかに高く、20%が目標とされています。

改宗してユダヤ教徒になった兵士は、国家に忠誠を誓う儀式の際、ヘブライ語の聖書(クリスチャンが用いる聖書とは目次などが異なる)を使います。非ユダヤ系移民が改宗しないまま訓練期間を終え、イスラエル国家に誓いをする際には、新約聖書が使われたというケースも報告されています。

<祈り>

  1. 最前線に立つ兵士らが守られたことに感謝。
    引き続き誘拐や襲撃の危険から守られるように。
  2. 最前線に立つ司令官たちの導きのために。
  3. テロ組織指導者らがさらに摘発されていくように。
  4. 従軍しているメシアニック・ジューの兄弟姉妹、軍に入っている新約聖書が用いられて、救われる兵士が起こされるように。

ニュース情報源:ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエル政府プレスセンター、イスラエルインサイダー、イスラエル外務省HP、CNN、NYタイムス 他

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