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ハイメール通信No. 75 シャナ・トバ・イスラエル!(新年おめでとう!)

10月に入ると、4-5日「ラッパの祭り(新年)」、13日「贖罪の日」、18-25日「仮庵の祭り」と秋の例祭(レビ記23章23-43節)が続きます。祝祭日にはテロが多発する傾向にあるため、イスラエルは厳戒態勢に入っています。

イスラエルが撤退したガザでは、ハマスの軍事祝賀パレード中に暴発事故が発生して19人が死亡。ハマスは、イスラエルの犯行だと主張し、40発ものロケット弾をイスラエルへ打ち込みました。これに対し、イスラエル空軍は、ガザへの本格的空爆を行いました。国際社会は暴力を止めないパレスチナ側を非難し、イスラエルの自己防衛を認めています。一連の暴力行為により、ハマスの評価は内外において著しいダメージを受けたと見られています。

シャロン首相とネタニヤフ氏の対決では、シャロン首相がリクード党内部の支持率52%を得、かろうじて指導権を維持、指導者交代の混乱は避けられました。

主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深い。
その恵みはとこしえまで。(詩篇136:1)



■ 新年を迎えるイスラエルの現状と課題

<秋の例祭>

10月、イスラエルでは上記のスケジュールで秋の例祭が祝われます。国民の祝日となり、家族団らんを楽しんだり、海外旅行する人々も少なくありません。

4-5日はラッパの祭りとされる新年の祭り。リンゴと蜂蜜を食べます。この日を境に悔い改めが始まります。天の書に良いことを書いてもらうためです。

この時期、イスラエルでは「シャナ・トバ! ハティマ・トバ!」という挨拶が交わされます。「新年おめでとう。天の書によいことが書かれますように」という意味です。

10日後の「贖罪の日」にはメ天の書モが閉じられ、この日までに悔い改められた罪がすべて贖われると言われています。『贖罪の日』にはイスラエルの90%近い人々が断食をします。その5日後に始まるのが「仮庵」の祭りです。スッカと呼ばれる小屋を建てて、中で食事したりします。過去、祝祭日に多くのテロが発生しました。今年もイスラエルは厳戒態勢に入っています。

2000年9月に始まったインティファーダ(民衆蜂起)からちょうど5年になりました。イスラエル、パレスチナ両者の統計局によると、紛争が原因で死亡したイスラエル人は1,330人、パレスチナ人は3,333人に上ります。(ハアレツ調べ。*調査者によって多少データに格差あり)

イスラエルで犠牲となった1,330人のうち、ここ1年間での犠牲者数は56人(月平均5人)で最悪の2001年の400人以上(月平均36人)からは激減したと言えます。

<ガザ撤退後の状況>

イスラエル軍が撤退した後のガザでは、無政府状態が続いています。9月22日、ハマスはパレスチナ自治政府(PA)のアッバス議長と会談し、祝賀軍事パレードは行わないことを約束していました。ところが翌23日、ハマスはガザの最も込み合った地域、ジャバリヤ・キャンプで堂々と軍事パレードを行いました。

パレード中、披露されていた自家製爆弾が暴発し、子供2人を含むパレスチナ人19人が死亡。ハマスはイスラエルの空爆だと主張して、ガザ近隣のユダヤ人地域(イスラエル領内)のスデロットやネゲブへ、40発ものカッサム・ロケットを打ち込みました。

攻撃を受けた町々では、家屋破壊など損失は大きかったものの、幸い負傷者5人の犠牲にとどまりました。パレスチナ自治政府アッバス議長は直ちに、暴発事故であったことを指摘、ハマスを非難しました。パレスチナ市民の目にもハマスの偽証は明らかであったため、内部からも非難される結果となりました。

また、ハマスは、エルサレム在住のユダヤ人男性サソン・ヌリエリさん(55歳、キャンディ工場経営)を誘拐。27日、テレビでビデオが放映されました。この後、ヌリエリさんは西岸地区のラマラ近郊で遺体で発見されました。激しい暴力を受けていました。この件においてもハマスは非難を受ける結果となりました。

イスラエル軍は、直ちにガザのハマス拠点となっているビルを3軒と、ガザ北部にあるロケット攻撃拠点を空爆。撤退後初めての本格的空爆となりました。ヌリエリさんの遺体が発見された西岸地区では、イスラエル軍によってテロリスト24人を逮捕、ハマスとイスラム聖戦の事務所を閉鎖しました。

*ここ数日の間に、イスラエルが逮捕したテロリストの数は400人に上ります。国際社会は、パレスチナ側は暴力を止めるべきだとして、イスラエルの動きを容認する傾向にあります。

<テロ組織はこれからどう動く?>

イスラエル撤退直後に、エジプトとの国境が数日間オープンになっていたことは前回お知らせしました。この間に、アル・カイダ組織がガザに本格的に入り込んだ可能性があります。また、ある治安情報筋によると、この間にライフル3000丁をはじめ、何トンもの爆発物がガザに運び込まれたもようです。イスラエルは「テロは断固として容認しない」ことを示すため、徹底的に反撃する方針を明らかにしています。

ハマスは来年1月の議会選挙に備えるため、テロを実行したり、他団体のテロ行為を支援することはあっても、犯行声明は出さないだろうと言われています。

<祈り>

  1. 例祭期間中のテロからの守り。
  2. ハマスが続けて弱体化していくように。
  3. ガザで福音伝道をしているアラブ人クリスチャンたちを覚えて。
  4. イスラエル各地で行われる例祭に応じた伝道集会が祝福されるように。

■ シャロン首相、かろうじて主導権維持

前回、ガザ撤退に強く反対しているネタニヤフ氏が、来年行われる党首予備選挙に出馬表明の上、予備選挙を11月に前倒しするよう求めていることをお伝えしました。

リクードでは、26日、予備選挙の日程についての投票を行いました。結果は前倒し反対(シャロン支持)が52%(1,433票=賛成)、ネタニヤフ支持が48%で1,329票となり、かろうじてシャロン首相が指導権を維持することになりました。104票差という薄氷の勝利でしたが、もし、ネタニヤフ氏が勝っていたら、シャロン首相は、辞任に追いこまれ、イスラエルの今までの方針が覆されるところでした。

イスラエルでは、ガザ撤退に引き続いて、シャロン首相がさらに西岸地区の町々からも撤退するのではないかとの噂が広まりつつありました。シャロン首相はこれを全面的に否定し、イスラエルが「ロードマップ案」以外の道を行くことはないことを明らかにしました。

<祈り>

  1. 政府指導者たちの一致と導きのために。
  2. シャロン首相の心身の健康と、最善の決断のために。

■ 「ムサラハ」の働き

「ムサラハ」は、メシアニック・ジューとパレスチナ人クリスチャンの関係改善促進を目指して活動している団体です。将来を担う若いキリスト者を対象とする小さな団体(年間500人ほどの参加あり)ですが、キリストにおいて両者の敵意の壁が崩されることを証しする、大変ユニークな働きです。

普段、顔を合わせることのない両民族の若者たちに、キャンプやカンファレンスを提供し、一緒に時間を過ごしてもらい、互いの理解を深めるための助けをしています。

この夏は、アメリカで行われたリーダーシップ・カンファレンスに、イスラエルのメシアニックジューの青年12人、パレスチナ人クリスチャンの青年11人が参加しました。今年からの試みで、まだ救われていないイスラエル人2人、アメリカ人5人も受け入れました。2週間、青年たちは共に、クリスチャンの視点によるリーダーシップを学び、互いの関係を深めました。クリスチャン・ミュージック・フェスティバルにも参加して、共に楽しみました。(ムサラハ2005年9月ニュースレターより)

<祈り>

  1. 今年キャンプに参加した青年たちがそれぞれの民族に、よい影響を与えることができるように。
  2. 両者の若者たちの間にイエスを信じる人々がさらにおこされるように。
  3. 10月21-25日、イスラエルにおいて、両者だけの砂漠キャンプが予定されています。
    キャンプが祝福され、一致した平和への祈り、リバイバルへの祈りが用いられるように。

ニュース情報源:ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエル政府プレスセンター、イスラエルインサイダー、イスラエル外務省HP、CNN:HP他

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