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ハイメール通信No. 68 終わりなき戦い

イスラエル社会は今、つかの間の平穏を楽しんでいるかのように見えます。通学、通勤バスは満員、ショッピングセンターも親子連れでにぎわっています。しかしその影には、テロ組織とイスラエル軍との終わりなき戦いが続けられていることを忘れてはなりません。

6月、ガザの検問所で女性自爆テロリストが捕まりました。女性はイスラエルの病院で治療を受けるための特別許可証を持っていた負傷者でした。弱者がテロに利用されています。これを受けてイスラエル軍はガザ、西岸地区で52人のテロリストを逮捕。シャロン首相とアッバス議長の交渉にも影を落としています。続けてエルサレムの平和のためにとりなしましょう。

あなたの道を主にゆだねよ。
主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。(詩篇37:5)



■ エルサレムに平和なひと時

記者は、5月中旬から1カ月、イスラエルに滞在しました。昨年10月に比べて、町が随分込み合っているのに驚きました。市内を走るバスは満員で、座れないこともしばしば。人々は紛争が始まる前のころのように先を争ってバスに乗り込んでいます。

バスに乗っている人々の顔に緊張は感じられません。町のレストランもにぎわいを取り戻しています。エルサレム中心街のベン・ヤフダ通り。若者や旅行者も笑顔が見えます。ファラフェル屋さんも座るところがないほどです。

ハイファ郊外のショッピング・センターでは子度向けのショーも見かけました。親子ともどもショーを楽しむ姿に感動しました。

イスラエル最南端のリゾート地、エイラット。シャブオット(五旬節)の休暇ともあって、ホテルは満員です。階段ジャンプをして遊んでいる子供を叱りつけるお父さん、小さな娘を抱えるお母さん、ビーチで遊ぶ少年たち。

ゆったりとトランプを楽しむ年配の人たち・・・・・・。イスラエル人に笑顔が戻っていました。

また今回、目に付いたのがエチオピア系移民の社会進出です。エチオピア系の移民にとってヘブライ語を学びイスラエル社会に馴染んでいくことは大変難しいことです。

しかし今はレストランやホテル、セキュリティなどで、しっかりとイスラエル社会の一員として働いている彼らの姿がありました。

イスラエル人だけではありません。エルサレム旧市街でも活気が戻っていました。お土産屋のアラブ人たちの顔にも活気があります。旅行者に声を掛ける元気が戻っていました。

<祈り>

  1. 主がこの平和を守ってくださり、経済の回復を進めてくださるように。
  2. 混雑しているすべての場所がテロから守られるように。

■ テロはなくなっていない:弱者を使うテロ組織

テロ組織は停戦合意中もテロ活動を継続しています。22日のシャロン首相ムアッバス議長会談を前に20日、パレスチナ武装組織(イスラム聖戦)の襲撃でイスラエル人1人が射殺、1人が負傷しました。

同じく20日、ガザのエレツ検問所では、爆弾を取り付けたズボンをはいた、ワッファという名の女性(21歳)が逮捕されました(同検問所は19日に再開通したばかり)。

ワッファは自宅で料理中に高度のやけどを負い、ベエルシェバのソローカ病院(イスラエル有数の総合病院)に、昨年12月から今年1月まで入院していました。ワッファはイスラエルから特別の許可証をもらい、継続治療のため、20日からソローカ病院に再入院することになっていました。

ファタハのアルアクサ殉教団がワッファの特別許可証を利用して、混雑するソローカ病院で彼女を自爆させようとしたのです。イスラエルの人道支援で医療を受けている人物が、自分の命を助けてくれた医師たちのいる病院を爆破しようとしたことに、イスラエル世論はショックを受けています。。

前日の19日には、イスラエルは新たに1,600人(計11,000人)のパレスチナ人業者を、ガザからも1,200人(計2,500人)がイスラエルでのビジネスのために入国するする許可を出したばかりでした。

20日のテロ事件を受けて、イスラエルはパレスチナ自治政府(PA)に事件についての情報を提供しましたが、PAは具体的な対策を講じていません。

イスラエル軍は21日、ガザ、西岸地区に侵攻し、59人のテロリストを逮捕しました(ヘブロン25人、ベツレヘム12人、ラマラ6人他)。 ハアレツ、イスラエル外務省HP

増える女性自爆テロリスト

国防軍の統計によれば、女性による自爆テロは昨今増加しています。現在までに女性8人が自爆を成功させ、59人が未然に防がれています。
イスラエルの治安当局の情報によると、紛争が始まった2001年から、職務質問されたパレスチナ人の女性や10代の若者、社会的弱者と見られる人々の数は383件で、特に2004年から今年にかけて急激に増加しています。

シャロン首相―アッバス議長会談

上記のような状況の中22日、シャロン首相とアッバス議長が予定通り、会談を持ちました。シャロン首相はテロが続いている限り、ロードマップにいかなる進展もないことをアッバス議長に強調しました。

もしPAがテロを止められない場合は、イスラエル軍が出動せざるを得ないことも伝えられました(23日、実際にガザのカッサムロケット弾の発射場をイスラエル空軍が攻撃・破壊しています)。

シャロン首相がテロの停止を強調し、PAの要望(パレスチナ自治政府警察官の武装とエリコで収監中のテロリストの解放など)を拒否したため、アッバス議長はこの会談について不満を表明しています。シャロン首相はこの会談で2週間以内にベツレヘムとカルキリヤをPA側に引き渡すことを提示しました。また新たにイスラエルで就労できるパレスチナ市民の数を増やすことを決めました。

<祈り>

  1. パレスチナのテロ組織(特に今はイスラム聖戦)の企てがついえるよう、イスラエルの平和のために祈りましょう。(従軍中の兵士たちの身の安全が守られるように・・・主を信じる兄弟たちが危険なところで従軍しています)。
  2. 自爆テロ、襲撃、ロケット攻撃などに関わることを余儀なくされるパレスチナ人が未然に発見されるように。
  3. シャロン首相、アッバス議長の上に主のお導きがあるように。
  4. PAに治安権が移行されるベツレヘム在住のクリスチャンたちを覚えて。

■ ガザ入植地撤退(8月15日)準備進む

政府:「ニツアニム案」

ガザのユダヤ人入植地撤退まで50日あまりとなりました。政府側では撤退準備が進んでいます。ガザ地区とアシュケロンの間にニツァニムとよばれる小さな地域に、現時点で430家族が移動することで同意しています。(完全同意は320家族)。430家族は家の建設が終わるまで仮設住宅に入ることになります。

政府:「ネゲブ案」

グッシュ・カチーフの住民のためにネゲブの5地域が開発され、250件分の水道、下水、電気などの地下設備が完成しました。500件分に増設されていく予定です。(費用計5000万シェケル)これから歩道などが整えられていきます。

*撤退反対派の動き

ガザ最大の入植地グッシュ・カチーフでは農家が「来年もここにいる」ことを前提に、次期収獲のための種を植えるなどしています。しかし銀行はすでにガザの農家への融資を停止しています。農家が次期収獲のための準備ができるよう、イスラエル国内や海外から、匿名などで経済支援が行われています。(ハアレツ)

イスラエルの高校生は22日から夏休みに入りました。ラビ・カッツはグッシュ・カチーフの高校の教師です。生徒を見送りながら、9月にはまた同じ学校で会うことを生徒たちに伝えたと言います。グッシュ・カチーフでは撤退期限を2カ月先に控えても、結婚式が行われるなど、平常どおりの生活が営まれています。(エルサレム・ポスト、他)

*撤退にあたる警察官に8000人が申し出

イスラエル警察によると、ここ2カ月の間に行われる撤退を手助けしようと、8,000人が警察で働くことを申し出ています。うち383人は警察官として、230人が国境警備員として雇用されています。ガザの入植地に47人、西岸地区(撤退予定地)には8人の警察官が在住していますが、彼らは撤退の任務からはずされる予定です。

*撤退後の治安確保

撤退後の治安はエジプトの協力とPA警察5000人が治安にあたります。しかしイスラエルは撤退後も、状況によってはイスラエル軍をガザに進軍させ、テロリストを一掃する可能性も示唆しています。アメリカはイスラエルが撤退した後、パレスチナ人の生活が向上するようにと、3億ドルをガザに支援金として送ることを検討中です。アメリカは7月のG8にて、各国から支援が集められることを期待しています。

<祈り>

  1. ガザから撤退対象になっているすべての人々の上に、撤退実施に関わる人々の上に主のあわれみとお導きがあるように。
  2. 主の御心だけがなるように。

■ アラブ人伝道者:ユセフ師とクリースティーン夫妻

ハイファでアラブ人に福音を伝えている若い伝道者夫妻がいます。ユセフ師は、イスラエル国内でアラビア語の教会を牧会しながら、インターネット・ラジオでクリスチャン番組を流しています。時にはアラブ諸国からのアクセスもあるそうです。

妻のクリスティーンさんは3人の小さな子供たちの母親です。看護師として働きながら大学にも通っています。アラブ人女性たちを導くだけでなく、西岸地区での健康指導活動も展開しています。

現在、夫妻に与えられたビジョンはテレビです。主はこのビジョンを急激に展開してくださり、このたびアメリカからテレビカメラが与えられることになりました。適切な奉仕者が与えられるように。必要の一切が満たされていくように。夫妻と家族が守られて、ビジョンが達成していくようにお祈りください。

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