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ハイメール通信No. 67 深まる溝と混迷……イスラエルの明日を思う

シオンの娘よ。喜び歌え。楽しめ。見よ。わたしは来て、あなたのただ中に住む。
その日、多くの国々が主につき、彼らはわたしの民となり、わたしはあなたのただ中に住む。あなたは、万軍の主が私をあなたに遣わされたことを知ろう。 (ゼカリヤ2:10-11)



■ シャロン首相、ガザ地区からの撤退者受け入れ準備の進捗に満足

アリエ・シャロン首相は日曜日、ガザ地区からの撤退にあたり、入植者を受け入れる予定になっている町々を訪問し、その進捗状況に満足を示しました。今回訪れた主な町は、ニツァン、マヴキーム、カルミヤです。

『ハアレツ』紙の調査によると、撤退に関連する政府機関の準備は、予定されている期日は完了しないだろう、とのことです。

国家保安委員会委員長のギオラ・エイランド少将は最近、各省庁に対し一つの書類を提出し、撤退に対する政府の心構えはあいまいであると警告しています。

住宅省は、現在、主にガザ北部に住んでいる世俗的な入植者のために、仮設・および定住用の住居準備のまっ最中です。また、ニツァンでは、ガザからの入植者の一時的収容施設として、大きな野営キャンプを設営しています。

また、イスラエル南部の主要な町々に、入植者が移り住めるよう、賃貸住宅を用意しました。

教育省では、撤退してくる入植者の子どもたちのために、アシュケロン、アシュドット・ベエル・トゥヴィアの小・中学校に、十分な受け入れ枠を設けました。

ニツァンにある幼稚園では、さらに230人の園児の受け入れが準備されています。また、ガザ地区で教えていた教師に対しても再就職先を用意することを約束しました。

しかしながら、こうした準備にも関わらず、スケジュールの厳しさや入植者の拒否のために、大部分の撤退は期日までには完了しない、という見方が強くなっています。

入植者の多くが、いまだ落ち着き先が決まらない状態です。入植者が入居予定の住居が建設されている地区については、しばらくは入居が進まず、ゴーストタウン状態となるでしょう。子どもたちの就学先も定まっていない中、彼らの受け入れのために用意されている教室も、しばらくは空っぽの状態で待機状態になると見られます。

農地を所有している入植者については、他の地域での再所有の機会を失ってしまいました。農地を所有する200世帯のうち30世帯だけが、別の土地における農地の再所有申請が受け入れられました。(『ハアレツ』6月13日)

<祈り>

  1. ガザ地区からの撤退賛成が48%と過半数を下回った中、この問題が国を2分する大きな問題・動乱に発展しないように。
  2. 撤退の準備には、新住居・就職先・就学先・財産の保証など、問題が山積みです。
    政府が公言するほどには、入植者の大部分の身の振り方がいまだ決まっていない中、彼らの将来の上に神の豊かな守りと導きがあるように。

■ 入植者の訴訟から、兵士・警察を守ることを国が保証

ガザ・西岸からの撤退に反対する入植者やその支援者と、兵士や警察の間で、デモなどにおける衝突が激しくなっています。これに対し、「イスラエル政府は、入植地の撤退および、入植者およびその支援者との衝突取り締まりに当たる警察や兵士たちを、入植者による訴訟から守る」と、法務大臣ツィピ・リヴィニおよび司法長官メナヘム・マウズはこの日曜日に宣言しました。

これは最近、入植者側が、治安維持に当たるイスラエル軍兵士を被告として、五つの民事訴訟を起こしたからです。法務省の報道官は日曜日、任務に当たっている兵士たちの行動については、国家がすべての責任を負い、彼らを守ることを発表しました。法務省スポークスマンは、訴えられた兵士について、「このような偽りの訴えによって嫌な思いをさせることはしない」と公言しました。

西岸地区にある入植地・イツハル。ナブルスの南にあるこの町の住民グループが、金曜日、コハヴ・ヤイールに住むIDF(イスラエル国防軍)サマリマ地区司令官、ユヴァル・バザクを訪問し、彼に対して起こした訴訟のファイルを渡そうと試みました。

このグループは、6カ月前に行われたイツハルにある居留地・シャルヘベットの撤去について、バザクに責任があるとして訴えを起こしました。バザクは訴状の受け取りを拒否しました。

また、入植者は、木曜日には、総参謀長代理のモシェ・カプリンスキーと軍法務官ダニー・エフロニに対しても、同様の訴状を手渡そうと試みました。

1カ月以上前、GOC中央指揮官ヤイール・ナヴェ、落下傘部隊202大隊指揮官のガイ・ハズト大佐に対しても訴訟が起こされました。

IDF西岸地区司令部長のヤイール・ゴランは、バザクの一件について、「彼は昼も夜も、地域住民の生命を守るために献身的に働いている」とコメントしました。イスラエル軍は、「任務を遂行している将官や兵士たちを怖気づかせて止めようとする、法的手段を用いての入植者のむだな試みは成功しない」と語りました。

ここ数カ月、バザクは入植者のターゲットとして何度も挙げられてきました。

先週金曜日、西岸にあるアリエルの東・タプア交差点で、予備兵と入植者の間で衝突があり、予備兵が軽傷を負いました。予備兵は治療を受けるために搬送されました。

この予備兵は、軍用の道路防塞上に反撤退を叫ぶサインを掲げた入植者を見つけました。IDFスポークマンによると、予備兵は入植者に、サインを降ろすよう指示したが拒否されたので、予備兵はこのサインを引き裂いた、ということです。これに対し、入植者は予備兵を武装解除しようと、ペンキブラシで殴りました。この格闘の中、予備兵は肩の骨に脱臼を負いました。

入植者は近くの町タプアに逃走しました。他の住民たちは彼の逃走を助けるべく、IDFの車の進入を阻止しようと、道路を封鎖しました。

警察が入って調査しましたが、結局見つかりませんでした。

この半年、タプア・イツハル・ブラハ・イタマル近郊において、こうしたIDF兵士と入植者の衝突は10件近くに昇っています。(『ハアレツ』6月13日)

<祈り>

  1. かつては入植者を守るために西岸やガザで命を張っていた兵士たちが、撤退のために今や入植者にとって敵のような存在となっています。
    このため、撤退軍務を拒否する兵士たちが続出し、軍や政府はその対応に手を焼いています。
    任務とは言え、同胞と争わなければならない彼らの胸中はいかばかりでしょうか。
    イスラエルの兵士たちの上に、神の守りと平安があるように。
  2. 危険と隣あわせの中、イスラエルの最前線に立って国土を守るという強い信念に立ち続けながら、今、政府の方針でそれが大きく覆され、すべてを一から始めなければならない入植者。
    彼らの心中も察して余りあるものがあります。神が彼らを、最善の道へと導いてくださるよう。
  3. ガザ撤退に向かって前進する中、イスラエルの行く末は非常に不透明です。
    さまざまな困難が予想される中、イスラエルの人々の心が、彼らを心配し守ってくださる神へと向かうように。

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