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ハイメール通信No. 52 新しい局面 ~アラファト議長後のパレスチナ~

アラファト議長が亡くなりました。これからパレスチナ自治政府はどうなっていくのか。イスラエル政府は何をみているのか。イスラエルVSアラファトの時代は終わり、両者は新しい局面を迎えています。

あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。(ヨハネ14:1)



■ アラファト議長の死:今週末、厳戒態勢のイスラエル

フランスで療養中であったアラファト議長が11日、脳出血のため亡くなりました。

葬儀は12日(金)朝、エジプトのカイロ軍事空港で執り行われました。葬儀には、ホスト役を務めるエジプトのムバラク大統領をはじめ、ヨルダンのフセイン国王、イエメンやアルジェリアなど多数の首脳が出席したもようです。

アラファト議長の死亡が発表されると、ラマラの自治政府本部では国旗が半旗にされ、40日間を喪の期間とすることが発表されました。

西岸地区の町々や、ガザでは、スピーカーからコーランを読む声が鳴り響いています。銃を空中に向けて打ち放ったり、タイヤを燃やして黒煙を上げるなど、パレスチナ人たちはさまざまな思いの中で、アラファト議長の死を受け止めようとしています。

パレスチナ人たちの声:

「彼は目を閉じた。心臓は止まった。彼は神に召された。しかし彼は人々のなかに生き続ける。」

「彼が亡くなったことで、われわれの偉大な象徴であり、パレスチナ国家苦悩の焦点を失った。」

「偉大な指導者の死は、我々にジハード(宗教闘争)を続けることを改めて決意させた。敵はシオニスト(イスラエル)である。勝利と自由をかちとるまで戦いは継続する。」

(ハアレツ11月11日)

大混乱のラマラ

12日(金)午後、故アラファト議長の遺体がエジプトからラマラに移送されました。

ヘリコプターがエジプトからラマラに到着すると、集まっていた数千人の群衆が、少しでも棺桶に触れようとヘリコプターに押し寄せました。一時は棺桶を包む旗がはぎとられる騒ぎとなりました。

混乱を避けるため、パレスチナ治安警察が銃を空中に向け発射しましたが収まらず、パレスチナ人9人が治安警察による射撃で負傷しています。ラマラへ向かう群衆の数はおびただしく、西岸地区各都市から140台、東エルサレムからだけで100台、ガザからは20台のバスがラマラへ向けて出発しています。

議長の遺体はラマラに埋葬されますが、パレスチナ自治政府関係者によると近い将来、エルサレムのアルアクサ寺院(神殿の丘)に埋葬することを前提に一時的な埋葬となっています。

イスラエル政府は議長の遺体をアルアクサ寺院へ埋葬することを堅く拒否しています。

厳戒態勢の神殿の丘

12日(金)はラマダン(イスラムの断食月)の最終日でもありました。群衆が暴徒化するのを恐れたイスラエル治安当局は、神殿の丘、東エルサレムなどに5,000人の警察官、及び兵士を配備しました。

今週末は、多くの兵士が休日返上で治安にあたっています。国防軍兵士らは、パレスチナ人との接触をできるだけ避けて、刺激しないようにとの指示を受けています。

<祈り>

  1. 混乱と暴動が回避されるように。
  2. 任務にあたっている警察官、イスラエル兵の安全のために。

■ アラファト後のパレスチナ

故アラファト議長は1960年代よりパレスチナ人組織の中心的なポジションをすべて独占してきました。議長の死後、どのように人事を決めていくのかが大きな課題となっています。大きなところでは下記の2つが重要なポジションです。

1.PLO主幹の座

アラファト議長が主幹であったPLO(パレスチナ解放機構)の主流派ファタハは、議長死亡が公表された翌日、カドウミ氏(73歳)を時期主幹に任命しました。

カドウミ氏は、PLO創設以来の古参ではありますが、1993年のオスロ合意に反対したことで有名です。アラファト議長が発作で倒れたときは、「イスラエルが議長に毒をもった」として非難した人物です。影響力は少ないと見られています。

2.パレスチナ自治政府議長の座

パレスチナ自治政府では、首相職の他、各大臣等は変わり有りませんが、議長の座が空きました。パレスチナ憲法により、クレア現首相(69歳)は、13日、60日以内に議長職の選挙を行うことを発表しました。

それまでの間は、スポークスマンをつとめるロウヒ・ファトワ氏(58歳)が一時的な議長の役割を担います。ただしファトワ氏に実権はありません。(シンボル的なポジション)

<次期議長の座に有力視されている人々>

アラファト議長亡き後、現時点で自治政府を動かしているのはPLO創設時代からの長老たちです。

筆頭は前自治政府首相のアッバス氏(75歳)。次に現首相のクレア氏。しかし長老たちは、アラファト議長と同様に、支援金などの横流しをして私欲を満たしていたと言われており、市民にはあまり人気がありません。アラファト議長亡き後、PLOの人気が低下することも考えられます。

PLOには、今まで実質的な実権を握ってきた上記古参の中央委員会のほかに、若手のグループもいます。海外で「大学」を卒業した人々も少なくありません。

治安大臣を務めたことのあるダーラン氏(43歳)、ラジョウブ氏(51歳)などが注目されています。

注目されているのは、現在、テロ活動でイスラエルに服役注のバルグティ(46歳)です。バルグティはPLOで連絡将校として活躍しました。

1987年、インティファーダ(パレスチナ人武装蜂起)を先導してイスラエルに逮捕されヨルダンへ追放。オスロ合意で西岸地区へ帰還した後には、PLOの指導者の一人として人気を集めていました。現在もイスラエルに収監されていることで人気は上がりつつあります。

ハマスなど過激派グループの動き

ハマスなどは、PLO主流派の外にいる過激派組織です。議長戦に参加するかどうかは不明ですが、アラファトなしのPLOの人気が低下した場合、ハマスなどが支持率を上げる可能性があります。(ハアレツ他)

<祈り>

  1. テロを許さない指導者が立てられるように。
  2. 過激派グループが内部で混乱し、影響力が弱まるように。
  3. パレスチナ人の間で福音を伝える働きをしている人々の活躍のために。

■ イスラエルの対応

イスラエルでは、一方的分離案の一環としてガザからの撤退が具体的に進められている中で、今回の新しい局面を迎えました。基本的には、ガザ撤退の方針に変わりはないもようです。しかし、市民レベルでは、アラファト議長の存在がなくなった今、パレスチナ側の新しい指導者と話し合いを再開し、「一方的でない」撤退を考える人もでてきています。

国際世論はパレスチナ側に新しい指導部が起こされることを機に、頓挫している中東和平ロードマップ(2003年に打ち出されたプランで、段階的にパレスチナ国家を樹立させる計画)を再開する期待が高まっています。イスラエル政府にも圧力がかかってくるものと予想されます。

<祈り>

  1. イスラエル政府の指導者がパレスチナ側の動きを的確に判断できるように。
  2. シャロン首相に主に導かれた決断力が与えられるように。

■ BFP大会(北海道・沖縄・関西)を覚えて

11月21日(日)から11月26日(金)にかけて、下記の日程でB.F.P.Japan大会が開催されます。

□ 北海道 11月21日(日) -決起祈り会
11月22日(月) -教職者セミナー
11月23日(火) -信徒大会・若者集会
□ 沖縄 11月21日(日) -ハイナイト大会
11月23日(火) -セミナー
□ 関西 11月25・26日(木・金) -教職者セミナー

<祈り>

  1. 各集会で、神さまの目的とビジョンが達成されるように!!
  2. このために準備を進めているチーム、委員会、スタッフ、ボランティアの方々の上に神さまの励ましと油注ぎが豊かにあるように。
  3. たくさんの方々がこの機会をとらえてご参加くださり、祝福と励ましを受けられるように。
  4. イスラエルのために熱い祈りが注がれ、聖霊様の働きが豊かにあるように!!

このために、各地でたくさんの協力者の方々が立ち上がってくださって、尊いお時間と労力を割いて、準備を進めてくださっています。皆様の犠牲に対し、ことばには到底尽くしきれないほどの感謝でいっぱいです。皆様の祝福を心からお祈り申し上げます。残り1週間となってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。

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