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ハイメール通信No. 50 内と外から非難されるシャロン首相 ~今後のイスラエルの歩みにどう反映するか~

「神によらない権威はなく、
存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。」(ローマ13:1)



■ シャロン首相とユダヤ人入植者評議会が一年半ぶりに公式会談……結果は完全な不一致

ガザ地区分離案問題において、10月17日(日)、シャロン首相は自らの呼びかけによって、ユダ・サマリヤ地区の入植者たちの代表を務める機関「ユダ・サマリヤ地区入植者評議会」のリーダーたちと、1年半ぶりに公式な会談の場に臨みました。

エルサレム・ポスト紙が、シャロン首相の身近な関係者のソースから情報を得て報じた内容によると、この会談の目的は、“[1]入植者側の言い分を聞くことと [2]首相自身の立場を説明すること [3]今の情況を沈静化させることにある”ということです。

会談終了後、入植者評議会のリーダーたちは次のように述べました。「これまでのイスラエル首相との会談の中で、最も不名誉な内容の一つに数えられる」

会談の中で、シャロン首相は、ガザ地区から一切の入植地を撤去すると語りました。

「私はすべて取り除く」――こう宣言しました。この様子について、評議会スポークスマンのイェホシュア・モル=ヨセフ氏は、「まるで聞く耳を持たない」、そう述べました。評議会が発した個々の質問に対して、首相は、あらかじめ側近たちが自分のために用意したテキストからそのまま引用して答えたということです。

モル=ヨセフ氏は次のように不満を述べました。「われわれが述べた要求に対しての真の回答はまるで得られなかった。彼はこの国に分裂をもたらそうとしている。このままでは内戦にも発展しうる。……彼は自分の姿勢を崩さない。周囲で起きていることなど意に介することもなく」

モル=ヨセフ氏は、シャロン首相が「この国に対する責任は自分の双肩にかかっている」と繰り返していたと言います。

首相執務室からの報告によると、シャロン首相は入植者会議の代表者たちに対し「自分はユダ・サマリヤにある入植地を最大限に救うために最大限の努力を行っている」と述べたということです。
伝えられるところ、会談の終わり、両者は握手をしなかったということです。

ガザ地区の分離案をレファレンダム(国民投票)にかけて判断すべきだとする評議会の要求に対し、シャロン首相は反対し、「もし、この課題について今日レファレンダムを行って先例をつくってしまったら、将来は、すべての事柄をレファレンダムにかけなければならなくなる……安息日の問題、コーシェル(ユダヤ教の食物規定)から、エルサレムやゴラン高原の将来に関する問題まで、ありとあらゆることを」

会談に出席した入植者側の代表者たちはそれぞれ不満を表明しています。

「今、会話が全く成立しない事態へと進んでいる。このままでは、やがて私たちが全力をもって対立せざるを得なくなるでしょう」――今回のシャロン首相との会談について、ビンヤミン地域評議会議長であるピンハス・ウェラースタインは述べました。「この会議は不毛で、何の結果も出てこなかった」と付け加えました。彼は、入植者は今後、シャロン首相と会うことは無いだろうと述べました。

「首相はレファレンダムに関する一切の提案を完全に拒絶した。話し合いに応じ、こちらの言い分を聞こうとする姿勢は、彼からは見いだせなかった。彼は決然として、この国に亀裂をもたらし、内戦という結末へ至らせる方向へと進めている」とは、ユダ・サマリヤ入植地代表者会議の議長であるベンツィ・リバーマン氏の言葉です。

評議会副議長であるシャウル・ゴールドスタイン氏は、「戦いはまだ終わっていません。シャロン首相に対して、議員たちへのロビー活動、デモを行いながら国会で戦いを続けていく。首相との話し合いはもうないでしょう」――そう述べました。(“Israel Insider”11/17)

同じく17日、シャロン首相は、ガザ地区分離案に関連して、撤退にあたっての入植者に支給される賠償金の額を増やすことを命じました。入植者は一人あたり、入植地での居住年数に応じて、1年当たり2,400シェケルを支給される予定です。また、南部のネゲブ地方、または北部のガリラヤ地方への移住に応じた入植者に対して支払われる特別手当も50パーセントまで上昇します。この手当ては、ガザ地区、およびヨルダン西岸北部に住む入植者の中で、自ら進んで撤退する人々にのみ支給されます。この手当ては現在約30,000ドルとして定められています。

この議案は、国会での第一読会に先立って、来週にも承認を得るべく政府に提議される予定です。(“HaAretz”11/18)

<祈り>

ブッシュ大統領の後押しを受けてシャロン首相が掲げるガザ地区分離案問題は、入植者地に住むすべてのユダヤ人たちにとって重くのしかかる問題となっています。

  1. ただでさえ多くの困難に直面する中で、元々一枚岩となりにくいイスラエルにおいて、この問題がすでに大きな亀裂を生んでいます。
    これがさらに深い対立へと発展することが無いように。
  2. この大切な課題に対し、入植者たちとシャロン首相、国民と政府の間で良く意思疎通が行われるように。
  3. この問題だけでなく、シャロン政権が、すべての面において、イスラエルの神に信頼し、導きを求めるリーダーたちとなるように。
  4. 今後のイスラエルの命運を大きく左右しかねないこのガザ地区分離案に対し、神の最善と義が成されるように。

■ 「シャロンは大統領を操っている」――スコウクロフト氏(アメリカ・国家安全保障顧問)の言葉

今週「フィナンシャル・タイムズ」(アメリカ)で掲載された記事の中に、ブッシュ大統領の国家安全保障問顧問であるブレント・スコウクロフト氏のインタビュー記事が掲載されていました。いわく、「今のブッシュ大統領は、シャロン首相によって操られている」という内容のものです。

「シャロンは自分の小指で大統領を丸め込んだ」と、スコウクロフト氏は述べました。「私が思うに、大統領は操り人形と化してしまった」。彼は付け加えました。「自爆テロが一件起こると、シャロンは大統領を呼んでこう告げる。『私は今、テロ攻撃の最前線にさらされている』。

これに対し、大統領は答える。『そうだね、あなたは……』。大統領にとってシャロンは、何者でもない、ただトラブルにしかならない存在だ。」

「たとえブッシュ大統領が、シャロン首相が進めている“イスラエルのガザからの撤退政策”に対してこれまで協力的であったとしても」――スコウクロフト氏は、大統領補佐官(国家安全保障担当)のライス氏に次のように警告したということです。「これは、パレスチナ国家の成立を阻止するためのシャロンの策略だ。」(中略)

FOXテレビの番組“Your World”で、スコウクロフト氏の発言について質問されたパウエル国務長官は、「私はブレント・スコウクロフト氏に深い敬意を抱いています。

しかし、昨年度に行われたパレスチナ自治政府首相との首脳会談の場において、シャロン首相は、アメリカの後押しのもと、ロードマップを遂行する決意があると語った。……いろいろ不本意なこともあるにせよ、シャロン氏はそう決断した。以来、他の意見に惑わされることなく変わらず自分の決意を表明し続けてきた。」(“Israel Insider” 11/16)

<祈り>

  1. イスラエルが世界で孤立を深める中、唯一の擁護者であるアメリカ――そのアメリカ大統領の本選挙まであと半月となっています。
    世界の流れを決めるこの選挙に、神の御心と最善が成されるように。。
  2. イスラエルとアメリカの関係が今後も守られるように。
    特に、イスラエルを擁護する大きな原動力となっているアメリカのクリスチャンが豊かに祝福されるように。。
  3. 同じく、いろいろな面で曲がり角に立っている日米関係が祝福され、神の義と神の平和が、山積する問題の上に成されるように。

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