ホーム祈るハイメール通信 登録・停止バックナンバー > ハイメール通信号外 鎮火宣言 5日16:30(日本時間23:30)

ハイメール通信

ハイメール通信号外 鎮火宣言 5日16:30(日本時間23:30)

この3日間、本当にお祈りを感謝します。イスラエル消防当局は、5日16:30(日本時間23:30)、出火からわずか77時間後、鎮火宣言を出しました。まだくすぶっている火があるため、消防士たちは今夜も働きますが、主要な危機は回避されたとして鎮火宣言が出されたもようです。天気予報によると、今夜から気温が急に下がり、雨が降ると予測されています。(日本時間6日午前中に、イスラエルで雨が降りました。)

避難住民は、家から焼け出されてしまった人々と、ベイト・オレンの住民以外、それぞれ自宅に戻りました。またカルメル山自然保護区の動物たちで保護されていたものも元の場所に戻されました。

<山火事が世界を一つにした!>

今回の山火事は、通常鎮火するのに数週間から数ヶ月かかるほどの大きな山火事でした。これほど早く鎮火できたのは、諸外国の消防チームが一致して働いたからです。出火したその夜、ネタニヤフ首相は世界中にSOSを出しました。各国は非常に暖かくこれを受け止め、それぞれが消防チームと航空機を送り出してくれました。彼等はイスラエルの消防隊、イスラエル空軍とともに、計35機が、409フライト、昼間ノンストップで空からの消火活動を行いました。

特に活躍したのは42000リットルの放水能力のあるロシアの大型消火航空機(写真右)です。
アメリカからボーイング747を改良した超大型消化機「エバーグリーンが到着したのは今日になってからです。この飛行機は通常のジャンボジェットを改良したもので、94000リットルも放水できます。今日到着してから2回のフライトで、鎮火の仕上げをしました。大量の赤い消化剤をまき散らす豪快なすがたがテレビに映し出されていました。

「もう少し早く来てくれれば」とはだれもが感じたことですが、この飛行機は、レンタルするのに1時間20万ドル(1800万円)もします。消防当局は、この飛行機については知っていたのですが、まさか政府がそれだけの支払いをするとは考えていませんでした。しかし、たまたまインターネットでこれを見つけた消防員がネタニヤフ首相に提案、首相はその場でレンタルを決めたと言うことです。エバーグリーンの発注は金曜夜、アラスカから駆けつけて今日日曜の朝に到着しました。 なお支援に駆けつけた国々は以下の通りです。

(写真:仮眠する消防士ら)

ギリシャ、キプロス、イギリス、トルコ、ロシア、フランス、イタリア、ブルガリア、ヨルダン、エジプト、アメリカ、スペイン、アゼルバイジャン、スイス、ドイツ、カナダ、パレスチナ自治政府

<外交上のアイスブレークになる可能性>

今回、注目されたのは、トルコの対応でした。トルコとイスラエルの関係は 今年5月に発生したガザへの支援船フロティーラ事件(イスラエル海軍との衝突で9人のトルコ人が死亡)以来、完全に冷え切っていました。ところが、この山火事では、鎮火という目的の元で、イスラエルとトルコのパイロットが共に働いたのです。

(写真:トルコの消火航空機と消防士たち)

ネタニヤフ首相は、トルコに感謝するとともに、これを機に古くからの友情を取り戻したいとのコメントを行っています。

また特筆すべきことは、あれほどイスラエルとの直接対話を拒否していたパレスチナ自治政府のアッバス議長もネタニヤフ首相に「直接」電話をかけ、亡くなった人への追悼を述べました。さらに、今日、パレスチナ自治政府は消防車5台と21人消防士を派遣してきました。
パレスチナの消防士たちは今朝4時に西岸地区を出発し、5時間かけてハイファに到着、イスラエルの消防士たちと肩を並べて消火活動にあたりました。インタビューでは、「イスラエルに来た動機は、半分は人道支援、半分はこれが自分の仕事だから。もしパレスチナで同じようなことがあったらイスラエルはきっと助けに来てくれると期待している。」と述べました。テレビに映し出されたイスラエルとパレスチナの消防士が笑顔で肩を抱き合っている姿は心温まる光景でした。

ネタニヤフ首相は、この両国の他にも、エジプト、ヨルダンなど普段は敵対しがちな隣国からも消防隊を送ってくれたことに深い感動と感謝を述べました。

<ネタニヤフ首相の対応>

ネタニヤフ首相はいち早くハイファ大学に設置された対策本部に到着、「国家非常事態」を宣言しました。また出火当日夜、消防隊からお手上げの報告を受けるとすぐに諸外国へSOSを出しました。またテレビを通して、犠牲者への追悼、戦っている消防士への感謝と励まし、支援に集まった諸外国にも随時感謝を述べました。
また閣僚を全員、現場近くに招集し、閣議をカルメル山で持つなど、この3日間、現場で過ごしています。その間、犠牲者の病院も訪問しました。首相がハイファにいることで住民らは大きな励ましを受けたようです。

<今後の課題>

今鎮火したばかりなので正確な被害状況はまだわかりませんが、現在での被害は以下の通りです。

  1. 刑務官他41人死亡、一人は全身火傷の重傷です。

    死亡した刑務官たちは23-45才の若い刑務官たちでした。26人の子どもたちが父を失いました。妻の一人は妊娠中でした。また犠牲者の一人はボランティアの消防員として参加していた16才の少年でした。今日、ハイファ各地で亡くなった人の葬儀が行われています。

    犠牲者の乗っていたバスはかろうじて骨組みを残すだけの痛々しい姿でした。

  2. 家屋全壊79 半壊多数

    帰宅した人々は「これほどひどいとは思わなかった」と悲しみを訴えていました。

  3. カルメル国立自然公園の5000デュナム焼失(カルメル山の約半分)
    回復には41年かかるだろうと言われています。
  4. 経済的被害 自然公園3-4億ドル、家屋9億ドル

<被害者への支援状況>

今回の山火事では、出火してまもなくイスラエル国内外のユダヤ人組織から、支援の手が殺到していました。消防士への差し入れの他、焼け出された人々への炊き出し、食料、衣類、ハヌカのスフガニヤもふるまわれました。 ハイファ各地のホテルは、無料か低価格で被害者に部屋を提供しています。イスラエル各地からは、自宅に被害者家族を引き受けてもよいというボランティアも続出していました。

銀行は、30000シェケル(75万円)を担保なしで貸し出すほか、家のローンの先延ばしも提供、焼け出された子どもたちにキャンディを配るなどしています。ユダヤ機関はじめ、世界のユダヤ人諸団体が、出火と同時に支援金を募り始め、現時点で100000ドルとなっています。ユダヤ機関はまた、専門家を派遣し、家の再建手続き支援も行っています。こころのケアチーム(セラ)のボランティアら15人は、犠牲者の家族に付き添い、葬儀の間のベビーシッターや買い物など様々な実際的なサポートも行っています。父親を失った子供たちや、焼け出された子どもたちのため、小旅行など、癒しを促進するプログラムもすでに動き始めています。

<火事の原因>

イスラエル警察は、今回の火事は自然出火ではなく人的過失による出火であったと発表しました。調べではドルーズ村イスフィアに住む14才、15才の兄弟が自宅付近で火遊びをしていたことが原因と考えられています。2人は現在、警察で取り調べを受けています。

<イスラエルの消防能力の低さ>

今回の山火事により、イスラエルの消防能力の極端な低さが露呈されました。イスラエルの消防隊は車両も航空機も不足しており、消化剤もすぐに底をついてしまいました。もしヒズボラが何発ものミサイルをカルメル山に撃ち込んで来た場合、イスラエルは消化能力が全くなかったということを示しています。ヒズボラは、「イスラエルは、国土防衛に力を入れていると言いながら、戦いの用意はできていない」とあざけりました。

この準備不足について、消防組織の責任を担っている内務省のイシャイ氏(シャス・ユダヤ教政党党首)に責任問題の目が向けられています。イシャイ氏は、消防能力の低さに関する報告を6ヶ月前に受けていました。このイシャイ氏は、400人の外国人の子どもたちをイスラエルで生まれているにもかかわらず、強制送還させた閣僚です。ユダヤ教徒への様々な予算は計上しても消防費用には力をいれなかったのかとの厳しい批判が出ています。イシャイ氏は、予算は計上したが政府が予算を出さなかったと反論しています。

また、今に至るまでイスラエルの消防隊は、各自治体付けとなっており、組織的にイスラエル空軍との協力体制ができていませんでした。イスラエル軍は、首相の指示が出る前にすでに空軍の中に消防チーム形成の準備を始めたもようです。

<主のみこころはどこに・・・>

ユダヤ教正統派のラビ・オバディア・ヨセフはこの火事につぃて「ハイファが安息日を守っていないからだ」とし、国民に悔い改めて、主に立ち返るよう呼びかけました。ハマスのハニエ首相は、「明らかに神の天罰」といいました。
現地のビリーバーたちは、ビリーバーの中から悔い改め、主が何かをされようとしているのではとして期待しつつ主の前にでています。

<祈り>

  1. イスラエルの国民がこのことから主の前にへりくだり、イエスの十字架による救いを見つけることができるように
    主のあわれみの雨(実際と霊的)がイスラエルに降るように。
  2. ネタニヤフ首相に今後の対処の知恵が与えられるように
  3. 犠牲者家族や焼け出された人々のこれからを覚えて

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.