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ハイメール通信No. 190 民主主義の落とし穴

国際社会からのブーイングをよそに、イスラエル政府は新たなユダヤ人住居建築許可を、東エルサレムとの境界線上付近に1345戸、西岸地区最大の入植地アリエルに800 戸出しました。

ネタニヤフ首相が、アメリカで国連事務総長、および国務長官と面談。さらに、アメリカのユダヤ人団体総会においても反論と交渉を行っています。

イスラエル軍諜報機関長官は、ここ40 年の中で最も危険な状態である。 次回、戦争になった場合は、2006 年の戦争よりはるかに多くの犠牲が出るだろうとの分析を閣議で発表しました。イスラエル内部では、比較的平和が続いたため、民主主義と個人の権利がクローズアップされており、ユダヤ人の祖国としてのイスラエルという意識が低下しています。これが危険性を増し加えている原因の一つとなっています。
目には見えないイスラエルの霊的な現状を覚え、とりなしが必要です。

一つの声が裸の丘の上で聞こえる。
イスラエルの子らの哀願の泣き声だ。
彼らは自分たちの道を曲げ、
自分たちの神、主を忘れたからだ。
背信の子らよ。帰れ。
わたしがあなたがたの背信をいやそう。(エレミヤ3:21-22)



■ エルサレムの建設許可再び-なぜイスラエルは孤立してまで建築を続けるのか-

イスラエルがエルサレムや西岸地区などで建築を続けていることにより、パレスチナ自治政府との交渉が頓挫していることは、前回お伝えしました。世界中からのブーイングが出る中、イスラエルは今週、さらに東エルサレムとの境界線付近に1345 戸、西岸地区最大の入植アリエル(すでに正式に市となっている)に800 戸の建設を許可しました。
アメリカは「和平に悪影響」と酷評し、パレスチナ自治政府は、この件を安全保障理事会の懸案事項として訴える構えです。
その際、今回はこれまでのようにアメリカが拒否権を出してイスラエルへの非難決議が流れる補償がないと報告されています。なぜ、孤立を深めてまでイスラエルが建築を続けるのか、イスラエルの言い分は以下の通りです。

  1. エルサレムはイスラエルの領土であり、イスラエルは自由に建築を許可する権利がある。
  2. 建築は、1967 年にエルサレムが統一されてから今に至るまでずっと行われてきたことであり、今に始まったことではない。エジプトや ヨルダンと和平を結んだときも建築は行っていたが、問題にはならなかった。 今、急にそれを悪いことのように言うのはおかしい。

イスラエルはこの建設によって、エルサレムはイスラエルの主権下にあり、かつイスラエルはユダヤ人の国であることを主張しようとしています。つまり、イスラエルは未だに生存権について戦っているということです。

建築のもう一つの理由は、人口問題です。エルサレムでは、出生率の高いアラブ人人口が増加する一方、ユダヤ人人口は減少傾向にあります。このままでいくと、近い将来エルサレムの人口は、アラブ人人口がユダヤ人人口を上回る計算となります。政府としては、今のうちにエルサレムにユダヤ人人口を増やしたいので、ユダヤ人向け住居を造っているとも言えます。しかし実際にそこにユダヤ人が住むかどうかは未知数だという専門家もいます。(写真: 東エルサレムのアラブ人)

たとえばその新しいアパートをユダヤ人が購入しても、治安問題が解決しない限りそのままアラブ人に転売する可能性が高いというわけです。イスラエルが民主国家である以上、放っておいても、やがては人口比の逆転が起こり、自動的にアラブ人国家になると見て、今無理をしてまで国を分け合う必要はないと言っているパレスチナ人もいます。

*イスラエルへ亡命!? アフリカ難民

ここ数年、アフリカからシナイ半島経由で密入国する難民が月に1000 人にも及んでいると報告されています。この難民たちの多くはスーダンのダルフール紛争で難民となった人々です。エジプトに逃げたスーダン人は、そこで人間扱いされないために、命をかけてでも「豊かな国イスラエル」へ行こうとするのです。

ネタニヤフ首相は、シナイ半島に難民よけのフェンスを設営することを決めています。「難民を拒否するわけではない。しかし何千人もの難民を受け入れる余裕はイスラエルにはない」と首相は語っています。

首相が言うとおり、国境を越えて逃れてきた難民に対して、イスラエルは適切な対応ができていません。多くはテルアビブ南部の旧バスステーションに連れてこられ、何のステータスも与えられないまま「待機」となります。中には、チャンスをつかんで大学にまで進み、テルアビブ市でアフリカ難民の担当者になったスーダン人もいますが、ほとんどは無意味に広場で日々を過ごすしかありません。当然犯罪も増え、危険地域となっています。

その中にあって、お金を出し合って託児所を始め、ホテルのメイドや掃除婦として一日中働いて必死に底辺からはい上がろうとしているスーダン人女性たちがいます。記者が出会った女性たちは、キリストに従うしっかりとしたクリスチャンでした。ピーター・ツカヒラ師が牧会するカルメル・アッセンブリーでは、このようなスーダン人を多数ひきとって教会内に住まわせ、自立支援を行っています。イスラエルで生まれたスーダン人の子どもたちは、正式な国籍がないまま、今やヘブル語を話すようになりつつあります。


■ イスラエルの現状:この40 年で最も危険

イスラエル軍諜報部長官のアモス・ヤディン氏は、任期終了に当たり、もし次回戦争になった場合、前線は複数に及び、前回のレバノン戦争よりはるかに多くの犠牲者が出るとの見解を明らかにしました。

1.ヒズボラ

レバノンにいるテロ組織ヒズボラは、今やレバノン政府を完全に乗っ取る力を持っています。 先月イランのアフマディネジャド大統領が南レバノンを直接訪問したことからも、その日が近いのではと懸念されています。
レバノンでは現在ハリリ元首相暗殺事件の検証が行われていますが、ヒズボラの党首ナスララは、「もし我々の一人でも逮捕する者はその手を切り落とす」と語り、レバノン政府を軽視する発言をしています。
ナスララはすでにレバノンの要所に兵を駐屯させており、「ヒズボラはイスラエルと戦う用意ができた」と公にも豪語しています。

ヒズボラの背後にいるのはシリアですが、今週、シリアとの国境ゴラン高原を訪問したイスラエルのリーバーマン外相(写真)は、「シリアと和平交渉して本当に和平が来ると思うのは現実的でない。」と発言しました。実際、シリアの首都ダマスカスでは、対空ミサイルの充実が図られており、以前のようにイスラエルの空軍機が簡単にシリア領空に入ることができなくなっています。

2.イラン

イランが核兵器を持ちうることは時間がたつに連れて深刻になっています。今週アメリカを訪れているネタニヤフ首相は、イランの対策をあやまれば(軍事行動も含む)、イスラエルだけでなく全世界に危険が及ぶと再度アメリカに警告を出しました。

国連のイランへの制裁措置により、ロシアが最新式の対空ミサイルs300 をイランに売却しなかったのはよかったのですが、イランは自家製のs300 を開発した模様で、まもなく実験に入る可能性があるとの報告があります。これが働けば、アメリカもイスラエルもイランを容易には攻撃できなくなります。
また今週、イランがアフガニスタンにも影響を及ぼしていることがわかりました。
イランの目的はイスラエルだけでなく、全世界にイスラムを広げることです。霊的な戦いをする必要があります。

3. ハマス支配のガザでイスラム聖戦も健在

ガザでは、10 月末、イスラム聖戦が大きな集会を開きました。何千人もの群衆がアメリカとイスラエルに死を!と叫びました。

<勇気ある発言、「カナダはイスラエルと共に立つ」-ハーパー首相(カナダ)>

英語可能な方、必聴 http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/140559

カナダのハーパー首相はオタワで開かれている反ユダヤ主義に関するカンファレンスにおいて、強力なイスラエル支持を表明し、ユダヤ人社会から絶賛を受けています。
首相は、「世界の中で、イスラエルだけが未だにその生存権のために戦っている国である。この不条理と戦わなければならない。歴史が証明しているが、イスラエルに害を及ぼす者は世界中に害を及ぼす。私が首相である限り、カナダはたとえ被害を被ってもイスラエルと共に立つ」と理路整然と述べました。

これにより、カナダは今年、就任する予定だった国連の安全保障理事会非常任理事国(15カ国)入りを拒否されました。他のアラブ諸国が反対票を出したためです。ここからみても国連がアラブ諸国の影響を強くうけていることがみてとれます。ハーパー首相はアイリアンス教団に属する福音派クリスチャンです。主がカナダを祝福し、強めてくださるように祈りましょう。


■ アリエル・シャロン元首相、在宅療養へ

2006 年、ガザ撤退を成し遂げて6カ月後に広範囲脳梗塞で倒れたアリエル・シャロン元首相が、5年ぶりにネゲブ地方の自宅へ帰ることになりました。シャロン氏は今も意識がなく、植物状態のまま今年で5年目になります。自発呼吸はありますが、完全ではなく、呼吸器のサポートを必要としています。自宅療養になっても、医療専門家たちによって、病院と同じレベルのケアが続けられることになっています。
この自宅には、牧場もあり、シャロン氏が最も愛した家。シャロン氏より先に亡くなった夫人もここに葬られています。


■ イスラエル観光業好調: ベツレヘムとエリコにイスラエル人観光客

イスラエルは例年より気温が高く毎日24~27 度、雨もほとんどなく、観光日よりが続いています。先週、テロが頻繁になった2000 年以降初めて、公にイスラエル人ガイドと運転手50 人がベツレヘムとエリコに入って観光客を案内する許可がでました。
これまでは、パレスチナ自治政府の管轄であるそれらの町にイスラエル人が入ることは許されていなかったのです。
このプロジェクトではイスラエル人ガイド100 人まで増やす予定です。テロがおこらず、パレスチナにもさらに観光による収益が与えられるように祈りましょう。(写真:ベツレヘム生誕教会に立つパレスチナ自治政府警察官)

<祈り>

  1. イスラエルに忍び寄る憎しみと破壊の霊に主が働いてくださるように。
    イスラエルを無くそうとする計画が明るみに出されるように
    ネタニヤフ首相に、常に正確な情報がタイムリーに届くように。
    主ご自身が彼の決断を導いてくださるよう。
  2. カナダとハーパー首相の上に主の祝福がおかれるように
  3. イスラエル人たちが主に立ち返り、ユダヤ人であることの使命に目が開かれるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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