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ハイメール通信No. 188 オバマ大統領の手紙 ~中東和平交渉決裂寸前のこころみ~

オバマ大統領を介してようやく実現した、イスラエルとパレスチナ自治政府との直接和平交渉。イスラエルが10 カ月の西岸地区建設凍結期間を延長しなかったため、決裂寸前となっています。
オバマ大統領はネタニヤフ首相に延長を要請する手紙を書きましたが、首相はこれを拒否しました。今回も中東和平がはじまるやいなや、東エルサレムでは暴動が発生、高速道路では銃撃テロも起こっています。今後悪化する可能性もあり、とりなしが必要です。

国連総会で、イランのアフマディネジャド大統領がまたもや問題発言をし、オバマ大統領は「非常識」と非難しました。ニューヨークでは爆弾テロ未遂がおこり、アメリカとイスラムの対立色がめだってきています。今週も主に目を上げ、主に導かれながらとりなしを続けましょう。

人々が「平和だ。安全だ」と言っているそのようなときに、突如として滅びが彼らに襲いかかります。ちょうど妊婦に産みの苦しみが臨むようなもので、
それをのがれることは決してできません。
しかし、兄弟たち。あなたがたは暗やみの中にはいないのですから、その日が、盗人のようにあなたがたを襲うことはありません。
あなたがたはみな、光の子ども、昼の子どもだからです。私たちは、夜や暗やみの者ではありません。
ですから、ほかの人々のように眠っていないで、目をさまして、慎み深くしていましょう。 (第一テサロニケ5:3-6)



■ イスラエル、建設凍結を延長せず、中東和平決裂寸前

9月、2年ぶりになるイスラエルとパレスチナとの和平交渉が再開されました。その条件として、イスラエルは西岸地区での建設を10ヶ月間凍結していました。その期限が9月26 日でした。パレスチナ側の要求、アメリカの圧力、世界の期待にもかかわらず、イスラエルは凍結を延長しませんでした。入植者たちは期限切れの前夜から建設再開の準備をし、その日がくるとさっそく建設を再開しました。

これを受けて、パレスチナ自治政府のアッバス議長は現在、正式に交渉を中断するかどうかの検討に入っています。もし交渉がこのまま決裂した場合、ライバルのハマスの主張が通ったことになり、アッバス議長の権威が失墜、パレスチナ過激派が勢いをつけることになります。この件については、4日カイロで開かれるアラブ同盟で最終的な決断がなされるとみられています。アラブ同盟は、国際社会の風向きが、親パレスチナに傾いていることを受けて、イスラエルを国連に提訴をすることを検討しています。

<オバマ大統領の手紙>

交渉の決裂は、アメリカの権威も失墜させることになります。風前のともしびとなった中東和平交渉を受けて、アメリカのオバマ大統領はネタニヤフ首相に、手紙を書いていたことが明らかになりました。すなわち、アメリカがイスラエルの防衛を補償し、パレスチナ国家が創設されてもヨルダン渓谷に軍を駐留させ、ヨルダン川からの武器の搬入を防ぐこと、戦闘機の配給をはじめ、イスラエルの防衛能力を高める支援を惜しまないことなどの条件を提示し、そのかわりに西岸地区での建設凍結を2カ月延長してほしいというものです。
しかし、ネタニヤフ首相はこれを拒否しました。これはオバマ大統領の顔に泥をぬるようなものでした。ネタニヤフ首相の拒否を受けて、アメリカ政府は、現在、オバマ大統領が手紙を書いたことすら否定しています。

<中東和平交渉をめぐる暴力>

前回、中東和平交渉開始後に、ヘブロンで4人のイスラエル人が射殺されたことをお伝えしました。その後、西岸地区のすぐそばを走る高速道路60 号線を走っていた車が射撃され、乗っていた夫妻が負傷しました。妻は妊娠しており、急遽帝王切開を受け、胎児は無事でした。その後東エルサレムのシロアム周辺で、暴動が発生し、数日間続きました。ユダヤ人の警備員が東エルサレムの村で石を投げられて発砲、葬式に参列していた(先の発砲とは関係ありません)イスラエル人が、背中を刺されるなどの混乱が続きました。旧市街では、イスラエルの警察隊に石投げ攻撃が行われ、警官隊が神殿の丘になだれ込むなどの騒ぎとなりました。数日続いて現在、一応の沈静となっています。

<問題発言のリーバーマン外相>

国連総会において、イスラエルのリーバーマン外相が、政府と違う見解を正式なスピーチの場において発表し、問題となっています。リーバーマン外相は、イスラエルとパレスチナの和平交渉は現実的でないと言いました。さらに、西岸地区からユダヤ人を撤退させるかわりに、イスラエルにいるアラブ人をパレスチナがひきとるといった土地と人々の交換という案を提案しました。

無論、これはイスラエル政府の方針とは違っています。イスラエルのアラブ人からも強い反発がありました。イスラエル政府は外相の発言は政府の方針ではないとただちに否定する声明を出しました。アラブ同盟が国連へイスラエルを提訴する一因が、このリーバーマン発言だったとも報じられています。(イスラエルは和平交渉を成功させる気がないと理解されたということ)リーバーマン外相とイスラエル政府の間には以前から確執があり、「今こそ外相を辞めさせるべき」という声が優勢です。しかし、「外相の言うことはもっともだ」という意見も出ています。

<ホワイトハウス長官のラフム・エマニュエル氏退官>

イスラエル人の血をひくユダヤ人で、ホワイトハウスの長官を務めるラフム・エマニュエル氏が退官し、イリノイ州知事選に出馬することになりました。エマニュエル氏はイスラエル系ユダヤ人であるにもかかわらず、オバマ政権の背後で反イスラエル政策、ネタニヤフ首相への不利な圧力などを推進していた人物と言われています。


■ アメリカとイスラムの対立深まる: IAEA(国際原子力機関) イスラエルに非核化を求めず

9月24日イスラエルを非核条約に加盟させるようにとのアラブ諸国からの要請を受けて、IAEA では定例総会において、この件に関する投票が行われました。もしこの条約に加盟するとイスラエルは核を保有することができなくなります。イスラエルが非核化すると中東での力の均衡が崩れ、危険な状況になります。投票の結果は、賛成46,反対51で否決となりました。アラブ諸国は、西側諸国への反発を強めています。

<オバマ大統領:アフマディネジャド大統領は非常識>

9月、国連総会で、イランのアフマディネジャド大統領もスピーチを行いました。その公の席で、9月11 日の世界貿易センタービルのテロについて、「アメリカがイスラエルを支えるために自ら行ったのではないか」と発言しました。オバマ大統領は、「他人の国に来ておきながら、その国の悲劇を、その国自身の責任にする発言をするというのは、文化価値観の違いを超えて非常識である」と厳しく非難しました。

<タイムズ・スクエアで爆弾テロ未遂>

ニューヨークのブロードウエイ付近のタイムズ・スクエアに、爆弾が仕掛けられているのが未然に発見されました。犯人はイスラム過激派パキスタン系のアメリカ人で、9.11の兄弟に続いてジハードをしたいと考えていたと語っています。犯人は同地域での爆破を2つ計画していました。無事に回収された爆弾を、車やダミー人形を置いた形で爆破すると、車数台を吹き飛ばす大爆発となりました。ニューヨークでは、グランドゼロ(ツインタワーがあったところ)付近に新しいモスクの建設が計画されており、人々の感情を害するとして、激しい反対意見が出ています。アメリカとイスラムとの間に対立色が深まっているようです。


■ 仮庵最終日: エルサレム市内の路面電車ようやく完成 10 万人にお披露目

29 日、仮庵の祭りの最終日はシムハット・トーラーと言われ、ユダヤ人がトーラーを主から受けとったことを喜ぶ日です。ユダヤ教ではこの日から聖書の朗読を始め、1年後のこの日に全部読み終わります。この日はトーラーの巻物を抱きかかえて(男性のみ)踊る習慣があります。
この喜びの日に合わせ、エルサレムで長い間工事中であった市内路面電車のお披露目が行われました。ゆっくり走る電車に合わせて10 万人以上が歩きました。
10月6日には毎年恒例のクリスチャンの「仮庵」で1万人以上がパレードする予定です。正統派ユダヤ教ラビは、クリスチャンたちが伝道しているのではないか、メシアニック・ジューを支援しているのではないかと懐疑的で、催しにユダヤ人が参加することを禁止しています。

<祈り>

  1. 中東和平交渉の決裂は将来への絶望を生み出し、過激派を活発化させてしまいます。
    ネタニヤフ首相、アッバス議長、オバマ大統領、国連各指導者が
    冷静に最善の決断をするように
  2. アメリカとイスラムの関係が悪化しています。
    世界中での過激派のテロ行為が阻止されるように
    特にアメリカを覚えて
  3. 今年もクリスチャンによるエルサレム・パレードがイスラエルの人々の心に触れて
    イエスへの思いを呼び起こすことができるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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