ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 160 まだ決まらない新政府
組閣指名を受けたネタニヤフ氏ですが、新政府発足期限の延長を行いました。現在、ネタニヤフ氏は左派労働党を連立に誘致しています。
連立参加に意欲を示すバラク労働党首に対し、党内で右派政権に参加することを断固反対する勢力が激しく対立していましたが、24日、党内選挙で連立政権への参加が決まりました。
ハイファのショッピングモールで、大規模な爆弾テロが未然に防がれました。国内テロが続いて発生しています。
ハマスに拉致されているシャリートさんの返還交渉が決裂しました。ハマスが大物テロリストの釈放について妥協しなかったためです。
ガザ紛争において、イスラエル軍兵士が戦場で市民に対して行った不当な行為についてイスラエル軍兵士などからの内部告発が起きています。
調査がすすめられる中、アシュケナジ参謀総長は、「イスラエル軍の規律は世界一」と兵士らを信じる発言をしています。今週も主のあわれみを祈りましょう。写真:野生のシクラメン(イスラエルは今野生の花の季節です)
*2月から3月にかけてハイメールの配信が不定期となりましたこと深くお詫び申し上げます。4月よりは、定期の10日、25日前後の配信を予定しております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
イスラエルよ。もし帰るなら
-主の御告げ-
わたしのところに帰ってこい。
もし、あなたがたが忌むべき物を
わたしの前から除くなら、
あなたは迷うことはない。
あなたが真実と公義と正義とによって
『主は生きておられる』と誓うなら、
国々は主によって互いに祝福し合い、
主によって誇り合う。(エレミヤ4:1-2)
今月、第18代イスラエル新政府の組閣を受けたリクードのネタニヤフ氏は、新政府発表の日程を延長しました。
右派の議席数は、国会過半数65議席をしめているので、右派だけでも連立政権を立ちあげることは可能なのですが、ネタニヤフ氏はまだあきらめずに、総選挙1位のカディマと、4位の労働党に連立参加を呼びかけています。
カディマのリブニ党首は、ネタニヤフ氏と首相任期の4年を半分ずつにし、2年任期でリーダーシップを分け合うことを主張しており、ネタニヤフ氏との合意に至っていません。
労働党のバラク党首(写真)は連立参加に強い意欲を示しており、ネタニヤフ氏と交渉を行っています。
ネタニヤフ氏はもし労働党が連立に参加した場合は、バラク氏に国防相のポストを約束し、さらにパレスチナ自治政府との交渉も続けると左派としての労働党への配慮も提示しています。
13議席を持つ労働党が連立政権に加わった場合、ネタニヤフ氏は過激な右派政党を連立に加えなくても政権を維持することができます。
しかし、右派政権に左派である労働党が参加することは前代未聞であり、労働党の党内には強力な反対があります。
反対派は、バラク氏がネタニヤフ氏と連立の交渉を行っていることについて、「無効である」と訴え、党の分裂も懸念されていました。労働党は、この件について24日、党内投票を行い、きわどい結果で連立政権への参加が決まりました。
この結果を受けてリクード党内では、ネタニヤフ氏が、労働党を引き入れるために譲歩しすぎたとして強い反発が起こっています。
強硬派右派団体が、イスラエルの旗をふりながらイスラエル国内のアラブ人の町ウンム・エル・ファタでデモ行進を行いました。
町のアラブ人との衝突の可能性が高まり、警備隊が出動。15人の負傷者が出ました。12人が逮捕されています。
21日土曜、ハイファの大型ショッピングモールで車に仕掛けられた爆弾が発見され、爆発前に処理されました。
土曜日は安息日でほとんどの店は閉まりますが、安息日の終わる日没後になると、モールなどの娯楽施設が開店し、大勢の家族連れや若者が来て遅くまでにぎわいます。
ハイファのレブ・ハミフラツと呼ばれるモールも、映画館(23室)と100軒以上の店舗を含む3階建ての大きなショッピングセンターです。
このモールの地下駐車場に駐車された車の中で、ごく小さな爆発が起こったのを通行人が偶然みつけました。車の中には12のバッグに詰められた40Kgもの爆弾が仕掛けられており、もし爆発していたら3階建てのモールが全倒壊するほどの大惨事になるところでした。
イスラエルでは6日前にも西岸地区で警官二人が射殺され、エルサレムではブルドーザーによるテロが発生しています。テロ犠牲者協会はオルメルト首相に対し、昨今取り払われた検問所を再び強化するべきとの意見を提出しました。
エジプトの仲介でオルメルト首相がすすめていたシャリートさん返還の交渉ですが、最後の段階で決裂に終わりました。原因はハマスがいっさい妥協せず、当初から要求してきた大物テロリストを含む450人釈放のスタンスを変えなかったからです。
オルメルト首相は「シャリートさん返還に最大限の努力を続けるが、イスラエル政府には越えられない赤信号がある」と説明しました。
エジプトで交渉にあたっていたシンベト(治安機関)のディスキン長官らによると、イスラエルの妥協案に対し、ハマスは妥協どころか新しい要求を出してきたためショックを受けたと語っています。
*交渉決裂についてハマス側は、「イスラエルのかたくなな態度」が決裂の原因と非難しています。
ガザ紛争に従軍した兵士の間から、ガザでイスラエル軍が行った非人道的行為に対する内部告発がおこっています。
ある兵士が建物の屋上からみはりについていました。彼は自分の建物の方へ歩いてくる者を射殺しても阻止せよとの命令を受けていました。
少し先のビルでは、戦闘が行われ、中にいた母親とその小さな娘たち2人が避難して外へ出ました。3人はイスラエル兵に指示されたとは反対の方角へ走りだしました。屋上にいた兵士は、自分の方へ走ってくる女性と子どもの3人を射殺してしまいました。
戦闘現場において、ガザ市民のアパートに潜んでいるテロリストを検挙するため、イスラエル軍はまず一般市民は5分以内に外へでるように指示します。兵士たちは残っている者はすべてテロリストとみなし、殺害するよう指示されていたと言います。
しかしながら実際には外へ出ない市民も多く、その場合は殺害の対象となってしまいます。結果的にひとつのビルで40-50人が死亡することもあったということです。兵士の中には、疑問をもちながらも命令を遂行しなければならなかったと証言しています(ハアレツ記事より)。
また、戦闘の真っ最中に年配の女性が歩いていても、そこに市民がいるはずがないとし、避難しないで現場にいる者はすべてテロリストとみなし、射殺することになっていました。
証言しながらも、兵士たちは、だからといって別の方法があったのかといえば分からないと語っています。ハマスとの戦いの中では再びこのような惨事がおこる可能性は高いと彼等は考えています。
イスラエル国防軍のアシュケナージ参謀長は、調査が行われており、規約に反する行為を行った兵士は裁判にかけると公約しています。しかし、イスラエル軍内部の規律は世界一であり、不祥事はごく一部であるとの見解を語っています。また、「戦闘がどこで行われていたのかを忘れてはならない。ハマスは市民のいるところで攻撃してきた。」と述べました。
3月、モルドバなど旧ロシアの貧しい国々から若い女性を「高齢者介護の仕事」などと称して、イスラエルに不法に入国させ(エジプトかトルコ経由)強制的に売春をさせていたイスラエル人12人が逮捕されました。
イスラエルでは1990年後半になってようやく人身売買の法的とりしまりが強化され、2006年に人身売買や臓器売買に関する法律が可決されました。仕事がしにくくなった一味は拠点をイスラエルからキプロスに移してクラブなどを開き、女性たちにストリップや売春をさせていました。
今回の逮捕は、2年前ハイファで女性の売買をビジネスにしていた35才の男を逮捕したことから始まりました。そこから一味の摘発の捜査が続けられていました。捜査先はロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、ウズベキスタンなど。ロシアとウクライナで一味に協力していた13人もそれぞれの国で逮捕されました。
12人を検挙したテルアビブ管轄署は、大統領からの表彰を受けました。
犠牲となった女性たちの多くは、犯罪にまきこまれて死亡した者もいますが、売春ではなく不法滞在で逮捕され、祖国へ強制送還されます。
ユダヤ人としてイスラエルに移住してきてこの犯罪にまきこまれた女性たちは、身体的心理的なハンディキャップを抱えながらイスラエルに残り、社会復帰できないまま苦しんでいます。
多くの女性は子どもを抱えていますが、政府の救済処置では母親と子どもが引き離され、さらに心に傷を与える結果となっています。女性たちの中には制度上の問題で多くの借金を抱えている人もいます。
現地のメシアニック・ジューの女性たちが救済に奔走しています。彼女たちの働きで犠牲者の女性とその子どもたちが救いに導かれています。
ロシアのニュース・エージェンシーによると、ロシアが最新式の迎撃ミサイルS300をイランに売却する契約を2年前にすでに結んでいたことを、ロシア軍高官が証言しました。
ロシアはこれまで、イランとの契約を否定していました。S300が実際に配備されると中東の力関係のバランスがくずれ、危険な状態になります。契約から2年が経過したことになりますが、実際の配備はまだなされていません。
中央統計局によると、2月の調査でイスラエル国内のアラブ人人口の伸び率が26%落ち、逆にユダヤ人人口の伸び率が22%上がりました。10年前は、アラブ人人口の伸び率はユダヤ人の2.7倍でしたが、今は1.6倍に減少しています。
ドイツで行われた調査によると、大まかではありますが、15才の少年の20人に一人はネオナチ(ユダヤ人をはじめとする非ドイツ人を暴力的に排斥しようとする思想で、ナチスドイツのようにふるまい、鍵十字のシンボルを平気で使うグループ)であるという結果が出ました。ドイツ国内での反ユダヤ暴力の数が増えています。
景気が悪くなり失業率が上がるに連れて、過激右派団体に加入する若者が既存の政府政党に加入する若者よりも多くなっているということです。
日本の英字新聞ジャパン・タイムスは、その記事の中で、来月ジュネーブ(スイス)で行われる人種差別カンファレンス(ダーバンⅡ)はユダヤ人蔑視を強化するだけだと訴えました。
またこの国連会議の誤りは、虐げられたとされる民族を救済する方策が、相手方民族を非難することと考えている点だと語っています。(非難しても解決にはならないということ)
ジャパン・タイムスによると、ダーバンでは発言の自由、信教の自由などがうたわれているのに、実際には、正式な宗教として名があげられているのは「イスラム」だけであるということです。また、アフリカやアラブ諸国で続いている奴隷制度が無視されていることも不当であると訴えています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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