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ハイメール通信No. 149 イスラエルの若者、パレスチナの若者

今週、イスラエル政府は、アッバス議長への応援のためパレスチナ人収監者199人を西岸地区へ解放しました。解放されたパレスチナ人が、再びテロを起こす可能性があり、市民は政府の方針に不信と怒りをつのらせています。

イスラエルはストレスの大きい国です。しかし、イスラエル人たちはそれらと同時進行で様々なイベントを楽しみ、エイラットでの残り少ない夏を楽しんでいます。若者たちは兵役の合間にエイラットで短い夏を楽しんでいます。

今回はBFPフェスタでも登場するイスラエルの若者文化、ヒップホップを紹介します。

(写真:エルサレムに初めての選挙権を取りに来たイスラエルの17才たち)

わたしはあなたがたの若者から、ナジル人を起こした。
イスラエルの子らよ。
そうではなかったのか-主の御告げ-
それなのに、あなたがたはナジル人に酒を飲ませ、
預言者には、命じて、預言するなと言った。(アモス2:11)



■ パレスチナ人199人釈放

8月26日、米国のライス国務長官がイスラエルを訪問するのにあわせて、イスラエル政府はパレスチナ人収監者199人を西岸地区へ釈放しました。

うち2名は、イスラエル人殺害で30年以上も収監されていた凶悪犯。アブ・アリは28年前に西岸地区でイスラエル人を殺害して逮捕されました。収監中に新たに、イスラエルに協力した疑いのあるパレスチナ人を殺害していたことが発覚した人物です。

今回の釈放の目的は、アッバス議長への好意ということですが、アッバス議長本人は「収監者全員を返すまでイスラエルとの和平はない」と言っており、好意とは受け取っていないようです。

もう一つの目的は、ハマスが人質にとっているイスラエル兵ギラッド・シャリートさん解放へのプレッシャーをねらったものです。イスラエルは199人解放したのだからハマスはシャリートさんを解放するべきという暗黙のメッセージです。

しかし、イスラエル市民からは、実際にシャリートさんが返還されないのに199人もの囚人を返した政府に不信と怒りの声が上がっています。

<祈り>

  1. 釈放されたパレスチナ人の心に福音が届き、悔い改めの心が与えられるように
  2. 釈放された者たちの心からイスラエルへの憎しみに変えて新しい考え方、
    生き方が芽生えるように

■ 超満員のエイラット-夏を楽しむイスラエル人

緊張続くイスラエル情勢ですが、イスラエル人たちは夏を満喫しています。イスラエル最大のリゾートである最南端のエイラット。50のホテル(12000室)は満員で連日40000人が宿泊しています。

エイラットは家族連れや海外からの観光客だけのリゾートだけではありません。イスラエルの10代の若者たちが集まるスポットでもあります。

若者たちはテルアビブからエイラットまでのバス(約4時間)に乗ってやってきます。リゾート地での若者は反社会的破壊行為に出る傾向にあるため、若者だけのグループはホテルに泊まることを禁止されています。

若者たちは、安いユースホステルや、安いアパートを5-6人で借りたり、野宿をします。従軍中の青年たちはほんの数日の休暇をエイラットですごし、そのまま軍に帰る者もいます。

エイラットのホテル宿泊は5つ星で1泊1500-2000シェケル(約30000円)、3つ星でも1泊700シェケル(約17000円)です。一方6人の青年がアパートを5日間借りると、5日間で約2000シェケルです。ただしクーラーがついていないなど条件はきびしくなっています。

エイラットからは、タバの国境を越えてシナイ半島(エジプト領)に行くことができます。イスラエル政府は、拉致やホテルの爆破事件が懸念されるため、イスラエル人には渡航を強く警告していますが、今年も75000人が国境を越えてシナイ半島へ遊びに行きました。昨年より1万人も増えています。

* エイラットには、イエスを信じるメシアニック・ジューの教会があります。

<祈り>

  1. かつてエイラットでも自爆テロがありました。
    混雑するエイラットの治安が守られるように
  2. 罪の誘惑が多いのもエイラット。
    若者がメシアニック・ジューに出会うことができるように
  3. エイラットの教会が大胆に福音伝道できるように

■ イスラエルのヒップホップ

BFPフェスタが近づいてきました。フェスタでは、ロゴス・ダンス・チームがヒップホップダンスをとりいれたダンスとドラマのパフォーマンスを見せてくれます。

ストーリーは、イスラエル人のダンサーボアズと、日本人クリスチャンのダンサー・ショーゴが出会い、真の友となっていくというものです。プロとして活躍するロゴスチームのヒップホップダンスにご期待下さい。

イスラエルのヒップホップは1990年代に全盛期を迎えました。アメリカの黒人文化から始まったヒップホップ(ラップ)の歌詞がヘブライ語に取り入れられました。

イスラエルの若者たちは、アメリカの文化にとどまらず、イスラエルが置かれている独自の政治的な状況や、経済的な話題もラップに乗せて語りはじめました。

現在、イスラエルで最も人気の「サブリミナル」」(写真:TACT Recordより)はテルアビブ出身のコビ・シモニとヨアブ・エリアシのペアのグループです。1995年からクラブなどで人気が高まり始めました。2000年の神殿の丘での暴動以来、愛国的なラップを発表するようになり、「シオニスト・ヒップ・ホップ」とも呼ばれています。

ユダヤ教的な要素も取り入れ、若者が「神」に立ち返る影響力にもなっています。アルバム「光と影」では国内で80000枚を売り上げました。イスラエル60周年を記念したサブリミナルのビデオクリップではすべての世代を巻き込んで楽しい雰囲気になっています。

http://video.search.yahoo.com/video/play?p=Subliminal+israel+60&n=21&ei=utf-8&js=1&fr=yfp-t-501&tnr=20&vid=000169592871

「サブリミナルはアラブ人のラッパーと意気投合し、共に歩んでいましたが、最終的には政治的なことで決裂するという悲しい結果となりました。それを映画にしたルース・ディスキン監督の「チャネルス・オブ・レイジ(怒りのはけ口)」は、アラブ・フィルム・フェスティバル、ユダヤ・フィルム・フェスティバルで高い評価を受けました。

http://www.ruthfilms.com/html/fs_channels_of_rage.html

一方アラブ側でも人気のヒッピホップグループが生まれています。DAMというグループは、イスラエル在住のアラブ人ですが、海外でも活躍するようになっています。彼らの視点で、アラブ・イスラエルの関係を語っています。

http://www.elliotmanches.co.uk/damlondon/Watch%20DAM.html

BFPフェスティバルの大阪大会では、午後に、ロゴスチームのパフォーマンスに加えて特にイスラエルの若者たち、パレスチナの若者たちを覚えてとりなすPPH(賛美と祈り)が行われます。多くの日本の若者たちが参加し、同じ若者としてイスラエルの将来をとりなすことができるようにお祈り下さい。

<祈り>

  1. イスラエルとパレスチナの若者の将来と救いを覚えて

■ グルジア戦争その後 ~冷戦復活・・?~

グルジアで、南オセチア自治州の独立をめぐってグルジア軍とロシア軍が衝突、停戦してから約2週間が経ちました。

ロシア軍は一応の撤退をしましたが、26日、ロシアのメドベージェフ大統領が、南オセチアとアブハジア自治共和国の独立を認めるとの単独声明を発表し緊張が高まっています。

発表は、ブッシュ大統領がロシア政府に独立を認めないようにとの申し入れをした翌日のことで、アメリカの意向を全く無視した形となりました。

メドベージェフ大統領は、アブハジアと南オセチアが独立した以上、ロシアは安全保障国として、それらの地域を守る用意があることを表明し(グルジアと西側が両地域を攻撃した場合、ロシアが反撃するということ)、「冷戦も恐れない」とまで言及しました。

それを裏付けるように、27日、アブハジアの首都フスミの港にロシアの巡洋艦「モスクワ」が入港しました。その150Km南にはアメリカの駆逐艦「マクファウル」などが停泊しており、黒海でアメリカ海軍とロシア海軍が直接にらみあう異常な事態となっています。

対岸のウクライナ政府は、ロシアの独立承認を非難する声明を発表しました。イスラエルは、この件については、いかなる声明も発表していません。コーカサス地方が冷戦復活による火薬庫になりつつあり、注意が必要です。

<グルジアの領地のことなのになぜロシアが勝手に独立を承認する!?>

アブハジア自治共和国はグルジアが旧ソ連から独立した翌年の1992年、グルジアの中で自治州となりました。その後グルジアの一部でありながら実際は独自にロシアよりの歩みをしいました。

同様に南オセチアは、グルジア領内にありますが、すぐ北あるロシア領の北オセチアと統一の上、独立することを要求し続けてきました。

ロシア政府は南北オセチアの統一を支援しており、17年前から、南オセチアの住民にもロシア市民権を与えていました(南オセチアの住民はグルジアとロシア両方の市民権を持っていたことになります)。

今回、グルジアの領なのに、隣のロシアが勝手に独立承認したわけですが、アブハジアも南オセチアは事実上すでにロシアになっていたとも言えます。

ロシアがアブハジア共和国、南オセチア共和国の独立を承認したことを、現地の住民らは歓喜していいます。

*地図:外務省渡航情報HPより

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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