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ハイメール通信No. 148 ロシアの脅威

先週6日頃より、グルジア共和国の中の南オセチア自治州の部隊とグルジア軍との間で軍事紛争がはじまりました。これを受けてロシア軍が介入。死者3,000人を超す戦争に発展しました。

イスラエルを含むアメリカ、西側諸国はグルジアを支援してきたため、ロシアの関係に大きな影を落としています。

イスラエル紙ハアレツによると、西岸地区ラマラのハマス指導者の一人、シーカー・ハッサン・ヨーゼフの息子マサアブが救われ、イスラエルに敬意を払っていることを公にしました。
私たちの祈りが聞かれています。

ハマスでは200人の子どもたちがイスラエルへの闘争訓練キャンプを終えました。ハマスの若者たちの救いへの祈りが必要となっています。

(写真:8月9日 ティシャ・ベ・アブ(神殿崩壊記念日)に西壁で祈る人々)

君主らは、ゆえもなく私を迫害しています。
しかし私の心は、あなたのことばを恐れています。
私は、大きな獲物を見つけた者のように、
あなたのみことばを喜びます。
私は偽りを憎み、忌みきらい、
あなたのみおしえを愛しています。
あなたの義のさばきのために、
私は日に七度、あなたをほめたたえます。
あなたのみおしえを愛する者には
豊かな平和があり、つまずきがありません。(詩篇119:161-165)



■ グルジア紛争とイスラエル

先週、グルジア共和国内南オセチア自治州の部隊とグルジア軍が衝突。ロシアが南オセチア側を支援するため介入し、ロシア軍とグルジア軍の間で戦闘状態となりました。ロシア軍はグルジアの都市ゴリや空港を攻撃し、死者3,000人以上、10万人が家屋を破壊され難民となっています。

グルジアからはすでに23,287人のユダヤ人がイスラエルに移住していますが、まだ9,000-12,000人(ほとんどがグルジアの首都トビリシ在住)が残っています。現在、その多くがイスラエルへの移住を要請しています。

イスラエル政府は紛争に巻き込まれたイスラエル系住民を救出するため飛行機2機を準備しましたが、空港が空爆されたため、なかなか離陸許可が下りませんでした。12日、ようやく最初の一機がテルアビブに到着したところです。イスラエルの新聞記者が紛争で負傷しましたが、帰還機第3便で無事帰国しました。

同じく12日、EUの代表フランスのサルコジ大統領の仲介で、ようやくグルジアとロシアが停戦協定に合意し、現在一応の停戦となりました。しかし、ロシア軍は14日になってようやく撤退をはじめたばかりで緊張状態が続いています。

<中東に次ぐ火薬庫コーカサス地方>

黒海とカスピ海の間の地域をコーカサス地方と言います。地形的にはコーカサス山脈によって北のロシアと境界を接する地域です。

問題は、コーカサス地方に多種多様な民族が住んでいることです。以前はロシアが支配していたのですが、旧ソ連の崩壊とともに数々の小さな共和国が独立し、紛争の絶えない地域となりました。チェチェン紛争もこの地域です。

現在コーカサス地方(南部)の主な国はグルジアとアルメニア、アゼルバイジャンとなっていますがその中からもまだ民族独立運動が起こっています。

グルジア共和国は日本の5分の一という小さな国ですが、1992年、そこからさらにアブハズ人のアブハジア共和国が自治州として独立していきました。

今回紛争が始まった南オセチア(オセッタ人)もアブハジアと同様に1992年から南オセチア自治州として独自の歩みを始めていました。問題は南オセチアが自治州にとどまらず、北に隣接するロシア領内の北オセチアに編入を要望していることです。

この要望を受け入れれば、南オセチアはロシア領内に入ってしまいます。独立以来、西より政策でEU加盟を目指してきたグルジアにとっては、国内奥深くにロシア勢力を抱え込むことは不都合なことです。以上のような理由でグルジアと南オセチアはかねてよりにらみ合う関係にありました。

<西より政策のグルジア>

グルジア共和国は1991年にロシアから独立しました。独立以来、西より政策を進めてきました。現大統領はサーカシュビリ氏(2004年就任)。就任以来、NATO加盟、EU加盟をめざしてきました。アメリカとも濃密な関係を保ち、イラク戦争の時にはイラクへ派兵も行っています。

グルジアの隣国アゼルバイジャンにはバクー油田がありグルジアは地中海へ抜ける石油のパイプラインの通る要所です。ロシアとしても、コーカサス地域に支配力を持っておくことは戦略上大変重要です。そのため、ロシアはグルジアからアブハジアが独立するのを支援し、南オセチアの北オセチア(ロシア領内)への編入政策を推し進めるなど、グルジアに圧力をかけていました。

今回、ロシアが大規模な戦闘及んだのは、グルジア政府や周辺共和国、西側への釘を刺すためとも分析されています。幸い、今回はEUの仲介によって、停戦となりましたが、ロシア軍はすみやかに撤退をしていません。今回の紛争は西側とロシアがにらみあう冷戦の最前線の様相となりました。今後もコーカサス地方は中東に次ぐ「世界の火薬庫」として注意が必要です。

<ロシアとイランの同盟をおそれるイスラエル>

イスラエルは、グルジアの友好国です。すでに300万ドルの武器をグルジアに売却し、グルジア軍兵士の訓練も行ってきました。今回、ロシアは、イスラエルはじめ、アメリカやEUがグルジアへの軍事支援していることを公に非難しました。

(写真:グルジアからイスラエルへ到着したユダヤ系難民(新移民者))

ロシアとの関係を崩したくないイスラエル政府は、危機感をもちました。ロシアは今イランに強力な軍事バックアップをしようとしています。もしイスラエルとロシアとの関係が悪くなれば、ロシアがイラン支援を推進してしまう可能性があります。

* エゼキエル書38章によるとロシアとペルシャ(イラン)は将来同盟国となり、イスラエルを攻撃することが予想されます。その様相に近づいてきている可能性が見えてきていると言えます。

<祈り>

  1. グルジア共和国の平安と回復のために
  2. イスラエル指導者のこれからの決断を覚えて

■ ハマス指導者の息子救われる

<ハアレツ紙7月31日及び米FOXニュース> http://www.foxnews.com/story/0,2933,402483,00.html

西岸地区のハマス指導者シーカー・ハッサン・ヨーゼフの息子マサアブ(30)が、ハアレツ紙、米foxニュースのインタビューに応じ、イエス・キリストを信じていること、イスラエルに敬意を払っていることを公に語りました。

マサアブはかつて父に従い、ハマス指導者の息子として有力な戦士でした。しかし、信仰を持ったことで故郷の西岸地区ラマラにいられなくなりました。現在アメリカのカリフォルニアに住みながら正式に亡命を申請中で、福音派の教会に通っています。

救われたきっかけは、かねてよりイスラムやハマスの概念に疑問を持っていたところ、インターネットを通じて福音を知ることになりました。「神が私の目を開いて下さった。真理を知った以上、それを公にして主を賛美する義務があると感じた」と語っています。

今まではイスラムの家に育った若者がいれば家に閉じこめておけばよかったが、今はインターネットがあるので情報はいくらでも入る。これからイスラムの世界に変化が起こると思うとマサアブは語っています。

「私は自分の命が危険だということをよく知っていますし、父を失うことも知っています。しかし、いつか父が理解してくれるように、神がわたしの家族を忍耐して、いつかイエスに目が開かれるように願っています。パレスチナへは、ラマラへは、神の国が到来するときにイエスさまと共に帰ることができると信じています。」

(父親は現在収監中で、マサアブが改宗したことは家族によって伝えられたと思われます。ハマスの幹部である父親は、マサアブの改宗により今後難しい立場に立たされます。)

マサアブはイスラエルへの想いも語りました。「私はイスラエルを一つの国として敬意を払っています。あなたがたユダヤ人は、ハマスとは絶対平和を持つことはできないということをよく知っておいてください。

イスラムの概念では、ユダヤ人と和平ということはあり得ないことだからです。モハンマドはイスラエルと戦ったのであり、子孫もまたユダヤ人が死ぬまで戦うものと思っています。

自爆は正統であるいう以上の意味を持っています。パレスチナ人社会では、死や自爆者が崇拝されています。パレスチナの文化では、自爆者はヒーローであり殉教者なのです。シーカー(イスラムの霊的指導者)が、殉教は崇高であると教えているのです。

私は故郷のラマラに居られなくて寂しいです。特に母や兄弟、姉妹に会いたいです。しかししばらくはラマラに帰ることはできないでしょう。」

<ハマスのユースキャンプで200人がイスラエルへの戦闘を決意>

ガザでハマスのユースキャンプが行われ、200人の10代の少年たちが軍事訓練を卒業しました。中には10代前半の子どもたちもいます。キャンプの内容は、火に燃えるコンクリートのブロックを拳でたたき割るなどの肉体鍛錬や軍事教練です。

指導者たちは「彼らには愛と平和を身につけてほしいと願っています。しかし「占領者(イスラエル)」にはそうであってはならないのです。」と語っています。少年たちはここでイスラエルが「占領者」であり敵であり、死ぬまで戦うべき相手と教えられます。

キャンプ指導者は、現在イスラエルととりあえずの停戦に入ったため、今回のようなキャンプが可能になったと語っています。

ハマス・ユースキャンプの様子 http://www.haaretz.com/hasen/spages/1010449.html

<祈り>

  1. ハマスから救われたマサアブの将来と家族の守りのために
  2. 軍事訓練を受けた200人のパレスチナのユースを、主があわれんで目を開いてくださるように
  3. インターネットで福音を知る若者がさらに起こされていくように

■ カディマ党首選情報

現与党のカディマ党の党首選が9月17日に予定されています。現首相のオルメルト首相は、汚職疑惑から出馬を断念しました。現在立候補しているのは、モファズ交通相(元国防相)、リブニ副首相兼外務相です。今回あたらしく治安関係指導者のディッチャー氏が立候補を表明しました。ディッチャー氏はカディマを創設したシャロン元首相の路線を回復したいと立候補への意欲を語っています。

<祈り>

  1. イスラエルを心から愛し、洞察力、決断力のある指導者を与えてくださるように

■ 北京オリンピック イスラエル選手

北京オリンピックが始まりました。イスラエルからも水泳や柔道など43人が参加しています。最年少は17才。最年長は53才のマラソン選手です。金メダルの希望は、ウインドサーフィンのシャハル・ツェビリ選手(21)です。

政治的対立の続くイスラエルとイラン。男子100m平泳ぎでイランの選手が、イスラエル選手とならんでレースに出ることを拒否しました。2004年にも柔道で金メダル候補とも言われたイラン選手がイスラエル選手との対戦を拒否したことがあります。

<祈り>

  1. イスラエル選手がオリンピック中テロから守られるように。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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