ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 146 ヨーロッパとの関係前進
イスラエルとEU(ヨーロッパ連合)が、関係の向上に合意しました。経済や、学術でヨーロッパとの関係が深くなります。
イスラエル空軍が、イラン攻撃のための訓練を行ったことが報じられました。イスラエルは長年、訓練をおこなっていますが、実際はイスラエル空軍だけではイランの核関連施設をすべて破壊するのは難しいようです。
拉致兵士の返還について、イスラエル軍のラビが、ヒズボラに拉致された2人の兵士は死亡したと認定しました。バラク国防相はたとえ死亡したとしても、2人の返還交渉は続けると語っています。
ガザでもシャリート軍曹の返還に向けた交渉がエジプトを介して行われていますが、進展がありません。 ガザ地区は、一時停戦となりましたが、6日後に約束は破棄され相変わらずのロケット攻撃が続いています。
(写真:イスラエルを公式訪問するフランスのサルコジ大統領夫妻・右端はイスラエルのペレス大統領)
シオンの娘よ。喜び歌え。楽しめ。見よ。わたしは来て、あなたのただ中に住む。-主の御告げ-
その日、多くの国々が主につき、彼等はわたしの民となり、わたしはあなたのただ中に住む。あなたは万軍の主が私をあなたに遣わされたことを知ろう。
主は聖なる地で、ユダに割り当て地を分け与え、エルサレムを再び選ばれる。(ゼカリヤ2:10-12)
6月16日、EUは、ルクセンブルグでイスラエルとEUの関係を(アップグレード)向上することを発表しました。
(写真(イスラエル外務省HP):スロバニア外相と記者会見するリブニ外相)
この件については、イスラエルのリブニ外相が1年以上も前からEUに要請していた事項で、ぜひ独立60周年の年に成し遂げたいと願っていたことでした。以後、様々な事項に関する交渉が両者の間で活発に行われていきます。
まず外交においては、閣僚級、政府高官レベルのミーティングが定期的に行われることになります。イスラエルのEUへの市場介入、農産物などの協定もさらに進みます。学術的な交流も活発になります。
ここ数年、イスラエルとヨーロッパの関係が改善傾向にあることは、ヨーロッパ諸国の多くの首脳がイスラエルを訪問していることにも現れています。以下はリブニ外相のコメントです。
「・・今日はイスラエルの外相として特別な日になりました。イスラエルとEUは新しい時代を迎えます。イスラエル独立60周年に、この宣言ができたことを大変光栄に思います。・・・」
活躍しているリブニ外相ですが、ドイツのベルリンで開かれた「パレスチナの市警と法律をサポートするためのカンファレンス」でも演説を行いました。リブニ外相は「ガザ情勢は改善されなければなりません。ガザに加えて西岸地区が生み出すリスクを容認できる国はひとつもないはずです。」と訴えました。
20日、フランスのサルコジ大統領がイスラエルを訪問し、貴賓として赤絨毯で迎えられました。今回は夫人の他、100人のビジネスマンや閣僚も連れての訪問となりました。
大統領は、ホロコースト記念館を訪問し、ガザでハマスの捕虜になっているシャリートさんの父親にも面会しました。3日間の間に、大統領はパレスチナ自治政府のアッバス議長にも面会しています。
クネセト(国会)での演説で大統領は「フランスはいつでもイスラエルの友であり、イスラエルの味方である。」と語りました。またイランの核開発疑惑についても「イランの核開発疑惑は、イスラエルだけの問題ではない。フランスにとってもゆるせないことである」とも語り、拍手喝采を受けました。
しかし、同時に「イスラエルは1967年ラインまで撤退し、パレスチナ側にいるユダヤ人をみな撤退させなければ平和はない。「エルサレムも分割し、半分はパレスチナ国家の首都とするべきである」とも語りました。
国会スポークスマンのダリヤ・イツィク氏は、「テロに国境はない。エルサレム、テルアビブを越えて次はパリがねらわれます。」と語りました。野党のネタニヤフ議員は、「イスラエルはゴラン高原から絶対に撤退しないし(1967年ラインではゴラン高原はイスラエル側に入らない)、エルサレムも分割しない」と語りました。「サルコジ大統領はもう少し滞在し、イスラエルの歴史を学び、スデロットを訪問する必要があった。」と言う議員もいました。
オルメルト首相は、フランスの友情と、反ユダヤ主義根絶に向けた対策に感謝の意を表明しました。
サルコジ大統領は、7月1日付けで、EUの大統領に就任します。
フランスがエルサレムの分割を訴える中で、ハーバード大学が実施した調査によると、イスラエルに住んでいるアラブ人の77%は、イスラエル以外の場所に住みたくないと願っていることがわかりました。
イスラエルのアラブ人たちは各地域でビジネスを展開し、学校では文化の共有も行われています。差別や問題もありますが、イスラエル国内ではユダヤ人とアラブ人はそれなりに共存できているということです。
ニューヨークタイムスによると、イスラエルが100機のF16,F15戦闘機を動員し、地中海で長距離演習を行いました。未確認のペンタゴン(アメリカ国防相)からの情報です。イスラエルはこれを否定していません。
この演習は、イランの核施設攻撃の演習とみられていますが、イスラエルは今回だけでなく、このような演習をここ数年繰り返している模様です。
(写真:イスラエル空軍の訓練校を卒業したパイロットと戦闘機)
イスラエルは1981年にイラクの原子炉と見られる施設を奇襲し成功しました。また、昨年には同様の作戦をシリアでも行いました。しかし、イランの核開発施設は分散されており、一度に破壊するとしたら1000箇所に及ぶ攻撃が必要となります。
イランからの反撃を考えても、戦闘機100機でも不足します。しかし、一回以上の空襲は考えられず、実際にイスラエル一国だけで効果的にイランの核開発を止められる効果的な軍事能力はないと見られています。
フランスは、アラブ諸国に積極的に核技術の輸出を行っています。イスラエルはフランスに抗議することもできるのですが、フランス以外のイスラエルに非友好的な国(たとえば北朝鮮など)が核協力するよりはましであると受け止めています。
モロッコ・・・フランスの協力で市民レベルの核エネルギーを開発中
リビア・・・2003年に核軍事開発中止を宣言。フランスとともに市民レベルの核エネルギー開発中
エジプト・・・核エネルギー開発について、アメリカ、フランスと合意
サウジアラビア・・・アメリカと核エネルギー開発に合意
シリア・・・トルコとの協力でアラブ諸国内での核開発を検討中
*昨年のイスラエルの攻撃では、北朝鮮が開発に関わっていた可能性が大きい
ヨルダン・・・フランスの協力で核開発を急ピッチで行っている
アラブ首長国委連邦・・・フランスと核開発協力で合意
現在穏健派と呼ばれるアラブ諸国で核開発が進められています。これはイランに対する防衛策です。
フランスは、特にイスラム諸国をサポートしているのではなく、「ビジネス」として核技術を輸出しているのであり、もしイスラエルが要請すればフランスはイスラエルにも同じように技術支援をすると見られています。
また、フランスはヨーロッパのリーダーとしてのポジションに立とうとしていると評する記事もあります。
イスラエル兵、エフード・ゴールドワッサーさんとエルダッド・レゲブさんが2006年7月にヒズボラに拉致されてから丸2年になります。6月初頭、イスラエルの諜報機関は、2人は既に死亡したとの結論を軍に提示しました。これを受けて、イスラエル軍チーフラビが2人の死亡を宣言していました。
しかし、オルメルト首相は、29日、閣僚会議で、ヒズボラとの2人の返還交渉を続けることについて投票を行うことを発表しました。なぜ死亡確認がなされて数週間もたってからこのような投票が行われるかはわかっていません。
バラク国防相は、たとえ遺体であっても、2人が返還されるまではイスラエルは交渉を続けると語っています。しかし、交換条件に「大物」テロリストを解放することはないということです。
ハマスに拉致されたシャリートさんも拉致されてから丸2年になります。シャリートさんは生存しています。父親に向けた手紙が先月届けられました。ハマスとの交渉はエジプトが仲介に入っています。
ハマスはシャリートさんとひきかえにハマスのテロリスト450人の釈放を求めています。そのうちの30人についてどうしても合意できず、交渉は頓挫しました。
ハマスが一時停戦を宣言したため、イスラエルは検問所を解除しました。シャリートさんの父親は、息子が帰るまでは検問所を解除しないでほしいと訴えを出しましたが、イスラエルの最高裁は、却下しました。
*結果的には停戦からわずか6日後にはすでにロケット攻撃がはじまっています。検問所は再度閉じられました。
シャリートさんが8歳の時に作成した絵本からビデオにしたもの(英語) http://jp.youtube.com/watch?v=e0rb_SmjUKc
ペタ・ハティクバは人口19万人(イスラエルで7番目)、正統派ユダヤ人7万人、シナゴーグ約300の都市。イスラエルでは数多くのフード・フェスティバルが行われますが、全国でも唯一、コシェルのフェスティバルが行われました。
ガソリンの高騰に対してなんら措置をとらない政府に抗議して高速道路を止めているトラック軍団とタクシー軍団
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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