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ハイメール通信No. 135 ブッシュ大統領来る

アメリカのブッシュ大統領が9日、イスラエルに到着しました。12日まで滞在し、オルメルト首相はじめ、アッバス議長とも対談します。

アナポリス国際会議後の和平交渉が続く中、ガザではパレスチナ人過激派とイスラエル軍の本格的な「戦争」が続いています。

スデロットではカッサム・ロケットが住宅を直撃。北部イスラエル住宅地にもカチューシャ・ロケットが2発着弾。早期警戒システムが有効でないことがわかりました。

イランから40人のユダヤ人が帰還。うち一人は96才最高齢での移民となりました。ユダヤ人の帰還がすすみ、イスラエルが世界で最もユダヤ人人口の多い地域となりました。

今週はとりなすことがたくさんあります。主が私たちの祈りを用いてくださいます。主に期待しつつ祈りましょう。

まことに、主が仰せられると、そのようになり、
主が命じられると、それは堅く立つ。
主は国々のはかりごとを無効にし、
国々の民 の計画をむなしくされる。
主のはかりごとはとこしえに立ち、
御心の計画は代々に至る。
幸いなことよ。
主をおのれの神とする、 その国は。
神が、ご自身のものとしてお選びになった、
その民は。(詩篇33:9-12)



■ ブッシュ大統領来る

アメリカのブッシュ大統領が9日、イスラエルに到着。11日午後まで滞在します。大統領として初の正式訪問となります。

<ブッシュ大統領訪問の目的>

今回の訪問の目的は①アメリカ、イスラエル、アラブ穏健諸国の連携体制をアピールすること②イスラエルを消すと言いつつ核兵器開発疑惑のあるイランを牽制すること③アナポリス国際会議の決議に基づいて和平交渉を進めるオルメルト首相とアッバス議長をサポートすることです。

<アナポリス国際会議の決議>

2007年11月末に、ブッシュ大統領が提案し、イスラエルとアラブ穏健諸国などがアメリカのアナポリスに招かれて行われた中東和平国際会議。決議は2008年末までに、西岸地区にパレスチナ国家を設立することを目標にイスラエル・パレスチナが精力的に和平交渉を行うというもの。エルサレムの再分割や、西岸地区からのイスラエル撤退など、解決不可能と思われる懸案事項が山積みとなっています。

訪問の大まかなスケジュールは次の通り  (写真:歓迎の星条旗を準備するエルサレム市)

9日
11:55 ベングリオン空港にてレセプション・セレモニー
15:00 シモン・ペレス大統領官邸にてレセプション
16:00  
| オルメルト首相官邸にて会談
18:00  
  キング・デービッド・ホテル泊
10日
終日 パレスチナ自治政府 アッバス議長訪問
19:00  
| オルメルト首相官邸で夕食
20:30  
  キング・デービッド・ホテル泊
11日
8:10  
| ヤド・バシェム(ホロコースト記念館)訪問
9:40  
11:05 カペナウム 山上の垂訓の丘訪問(ブッシュ氏の希望)
13:20 ベン・グリオン空港にて出発式

<治安体制>

ブッシュ大統領に対する直接的なテロ予告は今のところありません。しかし、エルサレムにはアナポリス国際会議以後進められているエルサレム分割案に反対する人々が多数存在します。エルサレムでは約2,000人が旧市街周囲をチェーンのように囲んで賛美と祈りで「エルサレム分割反対」を訴えました。

西岸地区にはアメリカを憎むパレスチナ過激派が大勢います。ブッシュ氏が守られるよう祈る必要があります。

エルサレム周辺の検問所は8日から12日まですべて閉鎖されています。主な2幹線道路は通行止めとなり、エルサレム周辺の交通が遮断されます。治安ロボットがホテル周辺の通りに配置され、夜間監視装置、爆弾探知犬、ビル上に配置された射撃手、バルーンに設置されたカメラが上空から大統領周辺を監視します。

ボディーガードの他、特別の予備役招集など、治安にかかる費用は1時間に25,000ドル(約300万円)。これはイスラエル政府の支出となります。

エルサレム中のホテルの客室は計約7,000室がありますが、今週は、アメリカからの随行員の他、8,000人の警察官などブッシュ大統領関係者がほぼ全室を使っています。

(写真:エルサレムの警察官 *今回ブッシュ大統領訪問時の写真ではありません)

ブッシュ大統領、ライス国務長官が宿泊するのはキング・デービッド・ホテル。客室は450ありますが、無論すべてが大統領関係者用です。この他ダン・パノラマホテルが記者会見などプレス・センターとしても使われています。

道路閉鎖などで通常のビジネスと、観光産業に多少影響が出ていますが、リージェンシー・ホテルのルービン氏の推測ではブッシュ大統領の訪問で、ホテル関係250万ドル(約3億円)、その他100万ドルの収益が出ることになります。

<するどい質問>http://www.jerusalemonline.com/4israel6.asp

イスラエル訪問を前に、チャンネル2がブッシュ大統領の独占インタビューを行いました。「長年かかっても解決されなかった問題(イスラエルとパレスチナの二国家共存)を2008年末までに解決できるとどうして信じられるのですか」

このするどい質問に対し、大統領は必ず実現するとは明言せず、「両者がパレスチナ国家がどういうものかという具体的なビジョンに達すると信じる」と答えました。また「パレスチナ人は、今将来の希望を失いかけている。彼らには将来の具体的な希望が必要である。

オルメルト首相もアッバス議長も本当に和平を望んでいるので、今年必ずパレスチナ国家設立への合意に至ると信じている。」と答えました。

イランの脅威については「もし私がイスラエル人であったら、(イスラエルをなくせという)イラン大統領の発言を重大事項として懸念する。」と答え、理解を示しました。しかし、現時点ではイスラエルが望む武力行使ではなくあくまでも外交手段を用いると答えました。

<祈り>

  1. イスラエル滞在中、ブッシュ大統領が守られるように 特に10日、パレスチナ側訪問
  2. テロが防がれ、デモ隊衝突などの混乱がおこらないよう
  3. ブッシュ大統領はクリスチャンです。
    イスラエル滞在中の霊的祝福と、世界の指導者としての必要な主の啓示が与えられるように

■ アナポリス後-和平交渉の背後で

<ガザで本格的戦争状態>

「ガザでは本格的な戦争になっている」これはオルメルト首相自身の表現です。和平交渉が始まった昨年12月前半だけで、カッサム・ロケット(簡易小型のミサイル)と迫撃砲130発以上がデロットなどイスラエル南西部の鋳ャへ着弾しています。

ブッシュ大統領が到着した日、スデロットの一般家屋をカッサム・ロケットが直撃。母親と5才の子供がいましたが、防護室へ逃げ込んで無事でした。ロケット弾は子供のベッドを直撃していました。

昨年末より、カッサム・ロケットより破壊力も射程も長い(最長20Km)グラッド・ミサイルが飛来するようになっていますが、1月4日、2回目のグラッドがアシュケロン郊外に着弾しました。アシュケロンはガザから北へ10Kmの地点です。(写真左:アシュケロンに着弾したカチューシャ・ロケットの残骸)

ロケット弾発射をやめさせるため、イスラエル空軍、地上軍が連日ガザで掃討作戦を行っています。1回にハマス、イスラム聖戦など1~11人のテロリストが殺害され、密輸トンネル、武器弾薬の押収が行われています。12月29日、ガザの検問所でカッサム・ロケットに使う硝酸カリウム6.5トンが押収されました。 袋には「砂糖」と書かれ、人道支援物資と偽っていました。(写真下)

ガザだけでなく、西岸地区でも昨年28日、20才と21才の非番兵士がヘブロン近くをハイキング中、パレスチナ人テロリストに射殺されました。イスラエル軍は西岸地区でもナブルスなどで掃討作戦を行っています。

和平交渉の背後でイスラエルを攻撃しているのはハマス、イスラム聖戦など、アッバス議長の従わない過激派グループですが、アッバス議長配下のファタハの中からもイスラエルを攻撃する者があります。アッバス議長の求心力の弱さを現しています。

アッバス議長は、ファタハのリーダーシップを強化するため、現在イスラエルに収監中のファタハ大物指導者バルグーティを釈放するよう要求しています。バルグーティは、30人以上のイスラエル人の命を奪い終身刑を5回分も宣言されている人物です。今までに政治的プロセスの中で2回釈放され、2回とも危険なテロ行為で刑務所に再送還されています。

オルメルト首相は、バルグーティの釈放は論外としていますが、釈放してアッバス議長を支援させるべきとの声もあがっています。

<イスラエルの宅地開発>

エルサレムは1967年に統一されるまで東西に分割されていました。当時西はイスラエル、東はヨルダンでした。今回の和平交渉でアッバス議長は、イスラエルがこの時のラインまで後退するよう要求しています。しかし、このラインよりパレスチナ側に、すでにギロなどユダヤ人の居住地ができてしまっています。さらにハル・ホマやマアレイ・アドミムでは現在、新しいアパートの建築が進められているところです。

和平交渉が始まった後も、イスラエルは宅地建設を続行し、パレスチナ側だけでなく、アメリカからも批判を受けています。オルメルト首相は、ブッシュ大統領の訪問が終わるまでは、工事を保留にするよう、指示しています。

<祈り>

  1. オルメルト首相と指導者たちの決断が常に最善のものとなるように
  2. イスラエル南部の住民がロケット弾から守られるように
  3. ガザや西岸地区で戦闘に出ている若い兵士たちを覚えて
  4. ガザの一般住民がイスラエルの攻撃の巻き添えにならないよう クリスチャンたちを覚えて

■ 北部からもロケット弾

2006年に勃発した第二次レバノン戦争では、北部イスラエルに多数のカチューシャ・ロケットが撃ち込まれ、多大な被害を及ぼしました。戦後、UNIFIL(多国籍の国連レバノン暫定駐留軍)が、南レバノンに駐留して緩衝地帯となり、イスラエルを守っています。

8日、イスラエル北部ローシュ・ハニクラ近郊の町シュロミに、カチューシャ・ロケットが2発、着弾しました。負傷者はありません。犯行声明は出ていませんが、アルカイダ系組織ではないかと推測されています。問題は警報が作動しておらず、早期警戒システムが有効でないことが証明されたことです。

バラク国防相は、今回の攻撃は深刻であるが単発であり、特に何もせず「現状維持」を継続すると語っています。しかし同時にヒズボラは以前よりも武ヘを高めており、2006年のレバノン戦争当時よりもさらに広範囲にイスラエルを攻撃する能力を備えていることを認識しているとも語っています。

<霊的戦い>

北部イスラエルにはメシアニック・ジューたちが多く住んでいます。1月7-10日にはハイファで全市のメシアニック・ジューたちが共に祈る時を持っています。12-21日にはリバイバルのための断食祈祷、50時間賛美とりなしなど様々な霊的な戦いが展開されています。

<祈り>

  1. イスラエル全土が守られるように
  2. 有効な警戒システム構築のために
  3. 最高の防衛は霊的な戦い。メシアニック・ジューの兄弟姉妹の祈りが主に届くように

■ イスラエルにユダヤ人が集結

イスラエルが建国されて以来、東西南北からユダヤ人が帰還してきました。ユダヤ機関の発表によると、2007年で全世界のユダヤ人人口の41%がすでにイスラエルに帰還していることがわかりました。2020年までには46%になる見通しです。イスラエルが最大のユダヤ人居住区になっています。

現在、世界の全ユダヤ人人口は1,315万5,000人。2007年には、移民だけでなく出産増加も含めてディアスポラ(海外在住ユダヤ人)が2万人減少、イスラエルで8万人増加となりました。

イスラエルに移住しても、生活に耐えられず元の国に帰るユダヤ人も多いのですが、2007年には、出た数と同じだけイスラエルに新しく移住してきた人々がいました。

ロシアやヨーロッパ系の移住が減り、北米からの移住者が増加しています。2007年、移住促進団体ネフェシュ・ベネフェシュは北米とイギリスから3,000人のユダヤ人の移住を達成しました。移住した人の最年少は3ヶ月の赤ちゃん、最年長は96才でした。(写真)

<イランからユダヤ人40人が帰還>

8日、ユダヤ人40人が極秘にイランを出国、第三国を経由してイスラエル・ベン・グリオン空港に到着しました。イランからの移住は1979年以降で最大の規模となりました。

今回の移住を支援したのはIFCJ(International Fellowship of Christian and Jews )というアメリカの福音派クリスチャンの団体です。40人には到着時に1人1万ドル(約120万円)がプレゼントされました。5人家族の場合は5万ドル受け取ったことになります。

2007年にイランから移住してきたユダヤ人は191人にのぼり、2006年に比べると3倍になります。イランにはまだ25,000人のユダヤ人がいると推定されています。イランのユダヤ人は裕福な場合が多く、イランはユダヤ教信仰にも寛大でした。そのためイスラエルへの移住を決意することが難しかったといわれています。しかし、反ユダヤ思想のアフマディネジャド大統領になってから状況が変わり、移住者が増えました。

*イラン人の妻・イスラエルに入国できず

8ヶ月前にイランからイスラエルに移住したハジャラムさん(23)はイスラエルへ来たときイラン人(イスラム教徒)の妻と一緒でした。イスラエルは治安に問題があるとして妻の入国を拒否。妻はトルコに送られました。

妻はトルコでパスポートもないままイスラエルの入国許可を待っていましたが、最近トルコ政府にみつかって逮捕されました。イランに強制送還されることが決まっていますが、イランに帰れば裏切り者のイスラム女性として処罰はまぬかれません。

ハジャラムさんはイスラエル国防軍に志願し、イスラエルに貢献するから妻を入国させてほしい、妻はイスラエルでユダヤ教に改宗するからと妻の入国許可を訴えています。

<祈り>

  1. イスラエルへのユダヤ人移住を促進しておられる主の働きがすすむように
  2. 移住してから救いに導くという主のみこころがなるように(エゼキエル36:17-32)
  3. ハジャラムさん夫妻を主があわれんでくださるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、Ynet news(イディオト・アハロノト)アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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