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ハイメール通信No. 134 2008:地の上に平和があるように

「友人の皆様へ。来年も健康で平和な年でありますように」
上の写真は、クリスマス・新年のあいさつとしてイスラエル外務省・報道担当局から届いたメールです。

1年間、イスラエルのために祈って来られた皆様へイスラエルの人々から届いたメッセージと思い、取り次がせていただきます。主が今年も私たちの祈りを用いて下さいました。感謝!

緊迫しているガザ情勢。ハマスがフドナ(停戦)を示唆しましたが、イスラエル政府はハマスとはいっさいの交渉はせず、戦闘を続けるとの姿勢を変えていません。ガザでは子供のクリスマス会が中止されるなど、悲しいクリスマスとなりました。

パレスチナ側との交渉が続く中、認可なしに進められている西岸地区での住宅開発地域が撤去されることになりました。その一方でエルサレム郊外の微妙な地域に住宅開発のプロジェクトを認可し、イスラエルへの批判が高まっています。

2007年は、移民者数が過去18年の中で最低となりました。今後、ロシア系移民の終焉と北米、ヨーロッパ系移民増加が予想されています。2008年、イスラエルに平和があるように続けてとりなしていきましょう。

いと高き所に、栄光が、神にあるように。
地の上に、平和が、
御心にかなう人々にあるように。(ルカ2:14)



■ ガザの悲しいクリスマス

緊迫が続くガザ情勢。今も戦闘が続けられています。現在までにハマスやイスラム聖戦幹部など20人以上が死亡しました。民間人の死者は今のところ報じられていません。

イスラエル国防軍側は、負傷者は出ていますが死者はありません。オルメルト首相はガザでの戦闘は本格的な「戦争」であると認識していると語っています。(写真:ガザで摘発された武器密輸トンネル)

ハマス代表のイスマイル・ハニエ氏は、ガザでの大集会で「“イスラエルが攻撃をやめれば”フドナ(停戦)する」と言いました。しかし、オルメルト首相はハマスとの交渉はいっさいしない、攻撃は続行すると明言しました。オルメルト首相はガザで捕虜となっているシャリートさんの返還について、返還のめどが立っていないことを両親に伝えました。

ガザでは10月に福音派クリスチャンで聖書協会のラミ・アヤッドさんが殺害されてから、クリスチャンが次々とガザから西岸地区などへ避難しています。

イスラエルはこのクリスマス、ガザのクリスチャン400人に、イスラエル経由でベツレヘムに巡礼に行く許可証を出しました。巡礼者の多くはそのまま帰らないつもりで、家を売るなどしてガザを出ました。

ガザ・バプテスト教会主任牧師のマサド師一家、殺されたラミ・アヤッドさんの家族ら12人も現在ベツレヘムに一時避難をしています。

ラミさんの3才の息子は父親の死後、まったく元気がなくなりました。ラミさんの6才の甥は学校で「異端者」としていじめられています。ラミさんの妻ポーリーンさん(29)は7ヶ月の妊娠中の身ですが、ガザで出産したいと言っています。

今年ガザではツリーの飾りも最小限となり悲しいクリスマスとなりました。ガザ・バプテスト教会では毎年150人以上の子供たちでにぎわうクリスマス会がキャンセルされ、クリスマス礼拝も通常は70人のところ10人となりました。クリスチャンの女性は、礼拝を終えて教会を出るとき、スカーフをかぶり、イスラム女性の姿で出て行きます。身を守るためです。

<減少する西岸地区のクリスチャン人口>

マサド師たちが滞在しているベツレヘムですが、イスラエルが建国した1948年当初はクリスチャンが85%の町でした。現在は12%にまで減少しています。

1994年、ベツレヘムはイスラエル側に入るのかパレスチナ側に入るのかの選択が与えられました。当時の市長はパレスチナ側に入ることに決めました。以後、経済は悪化をたどり、治安も悪化してきたため、クリスチャンが次々にベツレヘムを離れていきました。かわってベツレヘムにはイスラム教徒が移り住んでくるようになりました。現在、ガザやベツレヘムだけでなくラマラなどの西岸地区内でも同じ現象が起こっています。

<ベツレヘムのクリスマス>

ベツレヘムにはイエス・キリストの生誕教会があり、クリスマスには盛大なミサが行われます。現在、ベツレヘムはイスラエルではなく、パレスチナ自治政府が管理するところとなっています。町は高い防護壁で囲まれています。出入りするにはイスラエル軍の検問所を通り、煩雑なパスポート処理を受けなければなりません。(写真:ベツレヘムへの検問所)

しかし、ベツレヘムノ観光は若干回復してきています。今年、イスラエルは6万人の観光客がベツレヘムに入ると予測しています。昨年1年でベツレヘムに入った観光客は20万人でしたが、今年はすでに34万人で、年内に40万人がベツレヘムに来る計算になります。観光業を助けるため、イスラエル軍は、定例のテロリスト捜索を控える予定です。かわりにパレスチナ自治政府警察が治安部隊として配置されました。

*防護壁がベツレヘムを囲むように作られたのは、この町が多くのテロリストを排出してきたためです。2005年にエルサレムへ入りこんだテロリストは全体の半数以上がベツレヘムから来ていました。ベツレヘムはエルサレムに隣接する町だからです。

住民によると、チェックポイントを通らずにベツレヘムを出入りする方法がいろいろあったということです。防護壁はベツレヘムの人々にとっては息の詰まるものですが、これによって自爆テロは90%も防がれていると報告されています。

<高まるクリスチャン迫害>

西岸地区でもガザ地区でも、最近まではクリスチャンとイスラム教徒は伝統的に「暗黙の了解」のうちになんとか平穏な隣人関係で共存していました。しかし、昨年ハマスがガザを占領して以来、イスラム原理主義が高揚し、クリスチャンを迫害する傾向が高まってきています。

ガザでラミ・アヤッドさんが殺害されましたが、十分な捜査も行われず、犯人がだれかもわかっていません。これは「今はハマスの時代。クリスチャンも平穏に暮らしたいならイスラムに従ってもらう」というメッセージであったとも言われています。

西岸地区に住むクリスチャンによると、パレスチナ自治政府はクリスチャンに高額な「保護費用」を要求し、財産没収、家屋や店舗の破壊、クリスチャン女性のレイプ、改宗者の殺害、などが起こっているということです。

ベツレヘムの第一バプテスト教会では、教会へ侵入強盗、教会車輌が燃やされたり、牧師が射撃の標的にされたりしています。(けが人は今のところありません)

*2004年にこの教会を訪問しましたが、アラブ人クリスチャンの間にリバイバルが起こり、多くの人々が救われ聖霊に満たされる経験をしていました。

<祈り>

(写真:ベツレヘム第一バプテスト教会会堂)
  1. ガザに残されているクリスチャンを覚えて
  2. 西岸地区に逃れているクリスチャンの生きる道が与えられるように
  3. マサド師、ラミさん以たちの支えとこれからの導きのために
  4. ガザでの戦闘が最善の解決が与えられるように
  5. ガザの一般市民が巻き添えにならないように
  6. ガザに出ている兵士たち、拉致されているシャリートさんを覚えて
  7. イスラム勢力が進出しています。主の栄光が現され、主を証する者に勝利があるように。

■ 西岸地区での住宅開発

アナポリス国際会議で、2008年までに西岸地区にパレスチナ人国家をつくることで合意がなされました。現在、国境線の策定やエルサレムの帰属問題などで、具体的な交渉がすすめられています。

イスラエルは、西岸地区からの撤退を視野に、まず認可なしに進められている西岸地区内の住宅開発を撤去する方針を決めています。

しかし一方でイスラエルは、2008年の予算案の中に、エルサレム郊外(パレスチナ側との境界線付近の微妙な地域)の住宅開発資金を盛り込み、国会はそれを可決しました。

すなわち現在建設途中のハル・ホマの新しいアパート500棟、マアレイ・アドミム240棟の建設を続行し、3万人の住居を確保するということです。(写真:マアレイ・アドミム)

両地域とも一応は現エルサレム市の領域であり、建設許可を得て工事が行われているところです。しかし、それらの地域は、六日戦争でイスラエルに加えられた地域で国境線策定の際にはどちらにとりこまれるか、交渉のテーブルにのせられる可能性のある微妙な場所です。

パレスチナ側は、国境線の交渉が成立するまでは、住宅開発すべてを停止すべきだと主張。アメリカのライス国務長官からも批判が出ています。

エルサレムでは住宅難が続いており、住宅相のボイム氏は、ハル・ホマやマアレイ・アドミムに加えて、エルサレム北部のアタロット地域にもユダヤ人居住区を作り、10000人の住居を確保したい考えです。ボイム住宅相は、アパート建設続行について、「タイミングが悪いのはわかっているが、以前からの計画であり、中止する理由はない」と語っています。

しかし、先週オルメルト首相は、ハル・ホマでの住宅建設120棟について、建設保留を決めました。1月にブッシュ大統領訪問が予定されているため、アメリカを刺激したくないからでキ。実際は保留ではなく中止に追い込まれる可能性が高いとみられています。

<イスラエル国籍を望むアラブ人>

2008年末までにパレスチナとイスラエルが二国家に別れることを視野に、イスラエル国籍を申請するアラブ人が急増していることはすでにお伝えしました。さらに、イスラエル国家に奉仕を志願するアラブ人(イスラエル在住)が急増していることがわかりました。

イスラエルでは、超正統派ユダヤ教徒と非ユダヤ人は国防軍に入隊することが許されていません。そのかわり国家への社会奉仕に志願することができます。小学校教師の補助をしたり、病院での看護補助や、福祉施設で働く者もいます。

この奉仕に志願するアラブ人(イスラエル在住)が昨年は140人であったのが、今年は400人となっています。このうち、180人はまだ派遣先が決まっていません。この奉仕を終えると、アラブ人であってもイスラエル人で、兵役を終えた若者と同等の資格をもつことになります。

またアラブ人女性は、イスラムのしきたりから出ることを目的に奉仕に加わる場合もあると考えられています。ハマスのようにイスラム原理主義に走る者がいるかたわら、自分の利益を優先する現代っ子のアラブ人も増えているようです。(写真:アラブ系女子学生)

<祈り>

  1. 住宅開発について、イスラエル政府が最善の決断をすることができるように
  2. 二国家共存に向けて人々が動き始めています。主のみこころだけがなるように
  3. イスラムに固執しないアラブ人青年たちが救いに導かれるように

■ 移民者数減少傾向

イスラエルの中央統計局によると、2007年にイスラエルへ移住した人は19700人。移民者の数は、過去18年で最低となりました。移民者の出身国は100以上に上ります。このうち約5分の1にあたる6445人は旧ソ連から、19%がエチオピア、15%が北米、14%がフランス、8%が中南米、3%がイギリスなど西ヨーロッパとなっています。

この結果は、ロシア系やアラブ諸国からの移民が終了しつつあることを示しており、逆に北米やヨーロッパからの移民の大波が来る「良い」サインであると考えられています。今後特に、反ユダヤ主義が台頭しているフランスや、イギリスからの移民が増えるとみられています。

北米からの移民は今のところ、聖書の預言を意識する理想主義者が多いのですが、将来北米でも反ユダヤ主義の台頭がおこれば、ユダヤ人が大挙してイスラエルに来ると予測されています。

以前はアメリカのユダヤ人人口がイスラエルを上回っていましたが、現在はイスラエルがユダヤ人の最大の居住地となりました。また、テル・アビブがユダヤ人人口密度の最も高い都市となっています。世界のユダヤ人が徐々にイスラエルに集められ始めています。

<祈り>

  1. 反ユダヤ主義が悪化する前に多くのユダヤ人がイスラエルへ来る決心ができるように
  2. 移住した人々がイスラエルに定着し、イスラエルの祝福となっていけるように
  3. 移民者を支えるイスラエル経済の祝福、雇用の増進などが与えられるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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