ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 129 嵐が来る・・・!?
7日、ガザからイスラエルへ新型のミサイルが撃ち込まれました。イスラエル領内15Kmにまで到達しており、イスラエルは衝撃を受けています。ガザとの緊張が高まっています。
中東和平国際会議を11月に控え、オルメルト首相とアッバス議長の協議が続いています。しかし合意点はまだひとつもありません。国際会議の結果しだいでは、テロの嵐が吹き荒れる懸念があり、EUの中東特使が会議に欠席するようイスラエルに促し始めています。
サタンの攻撃が目に見えて激しくなってきていますが、イスラエル国防軍内部には聖書的価値観を持った兵士が増えてきていることがわかりました。彼らの活躍が注目されています。
私達は城壁の見張り人です。今週も戦いの最前線にいるイスラエルのためにとりなしましょう。
主は、いつまでも見放してはおられない。
たとい悩みを受けても、
主は、その豊かな恵みによって
あわれんでくださる。
主は人の子らを、ただ苦しめ悩まそうとは
思っておられない。(哀歌3:31-33)
7日(日)、グラッド・ミサイルがガザから発射され、イスラエル領内へ15Kmの地点の町ネティボットに着弾しました。着弾が砂漠であったため、負傷者など被害はありません。ミサイルはソ連製で、エジプトから密輸された模様です。新型ミサイルがこれほどまでに射程を伸ばしたことに、イスラエルは衝撃を受けています。
ガザ周辺のイスラエル領内への攻撃はだんだんエスカレートしており、迫撃砲や、カッサム・ロケットの攻撃は連日、市民生活を脅かしています。グラッド・ミサイルが導入されたことで、さらに多くの町々が同様の危機にさらされることになりました。
2年前のガザ撤退に強く反対していたネタニヤフ氏(現リクード党首)。「ガザから撤退すればその周囲の地域が攻撃され、さらに撤退を余儀なくされ、イスラエルはどんどん領地を失っていく」と懸念を語っていました。
イスラエル軍のガザ撤退から2年、発射されたミサイルは2000発を超え、イスラエル人の死者は14人、負傷者は数百人にのぼっています。今回、ガザグラッド・ミサイルが使われたことで、ネタニヤフ氏が懸念していたことが現実になってきました。
グラッド・ミサイルが発射されてから3日になりましたが、イスラエルからは何のアクションもとられていません。オルメルト首相も、バラク前首相もどうしたらいいのかわからないのではいう憶測も飛んでいます。
また、夏中は北部シリアとの緊張のため、今は11月の中東和平国際会議のために、大きな反撃を自粛しているとも考えられています。
またガザからの攻撃がエスカレートしていることで、イスラエル政府がガザを「敵地」と認定してから3週間。攻撃を抑制するため、電気を止めるなどの方策が検討されましたが、実際にはまだ何もなされていません。
ガザでは、電力会社が市民に電気代を払うよう悲痛な通達を行いました。しかし、集金に行ってみると、その日の食料がない家族がほとんどで、電気など贅沢品になっているのが現状でした。イスラエルが電力を止めることでハマスの攻撃を抑制することができるのか、単に市民の生活を危うくするだけになるのか、懸案中と思われます。
混乱を極める中で、ガザ・バプテスト教会と聖書協会が運営していたクリスチャン書店の店長ラミー・カダール・アヤッドさん(32)が誘拐され、殺害されました。ラミーさんはここ1年ほど、殺害の脅迫を受けていました。同書店は4月にも爆弾を投げ入れられ、建物に大きな被害を受けています。犯人はハマスの傘下にいる過激派とみられています。
ブッシュ大統領の呼びかけで、11月に中東和平国際会議が開催される予定となっています。先週、アメリカのライス国務長官と、カルテット(EU,UN,ロシア、アメリカ)代表のブレア中東特使が中東を訪問、準備がすすめられています。
この会議に向けて続けられているイスラエルとパレスチナの交渉はいよいよ大詰めとなり、現在、国境線やエルサレム問題についての話し合いがなされています。
オルメルト首相は、ユダヤ・サマリア地方のほとんどすべてを委譲し、エルサレムのイスラムの聖地(神殿の丘を含む)をヨルダンに管理してもらうことなどを提示しています。これに対し、イスラエル国内では懸念と反対が広がっています。
国会議員であり国家宗教党のウリ・アリエル氏が語っています。「オルメルト首相は、ユダヤ人の代々からの夢を破壊しようとしている。首相の考えを実現させることはできない。」
7年前の2000年、当時のバラク首相がアラファト議長に今のオルメルト首相と同様の提示をしたことがありました。
アラファト議長はこれを退けました。イスラエルとパレスチナの和平交渉が暗唱に乗り上げたことがわかると、イスラエル国内でパレスチナ人による自爆テロが相次ぎ、多数のイスラエル人が犠牲となりました(アルアクサ・インティファーダ、または第二インティファーダ)。
ネタニヤフ氏は、今回オルメルト首相がしようとしていることは、2000年当時のことと全く同じであり、イスラエルにテロの嵐を喚起するだけだと言っています。実際、パレスチナ側からは、自らの要求が通らなかった場合、第三インティファーダが起こる、という脅迫も出ています。
また、冬季国会の首相演説に対し、ネタニヤフ氏は次のように強く警告しました。「南レバノンからイスラエルが撤退するとヒズボラ(背後にイラン)が進出し、ガザから撤退するとハマス(背後にイラン)が進出してきた。・_ヤ・サマリア地方をパレスチナに委譲すれば、ハマスがテル・アビブにミサイルを撃ち込むことになる。エルサレムを半分委譲するということは、もう半分にユダヤ人が住めなくなることを意味する。ユダヤ・サマリアからの撤退はイランを国内へ招くことになる。」
ネタニヤフ氏は、今イスラエルが最も警戒するべき相手はイランである、この件に関しては与党だの野党だのと争っている場合ではないと言っています。
イランの核兵器が懸念されています。直接原爆を使わないにしても、放射性物質をミサイルの弾頭に装備し、空中で爆発させることはできます。この場合でも同様に放射能をまき散らすことは可能です。
また生物兵器など別の大量破壊兵器の使用も考えられ、イスラエル軍の市民安全対策部では、いざというときの非難方法や避難経路などのパンフレットを作成して国民に配る用意をしています。
イスラムの断食月ラマダンが12日終わります。その後の4日間はラマダンあけで盛大な祝宴が持たれます。
西岸地区のパレスチナ人はイスラエル領内にいる家族訪問を許され、イスラエルにいるアラブ人は西岸地区にいる家族を訪ねます。この間、テロリストの移動も可能となり、危険な状態となります。テロが防がれるように祈りが必要です。
国際会議を前にガザからの攻撃がエスカレートしていること、イスラエル国内での反対意見が大きいことなどから、今回の会議が成果なく失敗に終わった場合、イスラエルに再びテロの嵐が来る可能性が高くなっています。
これを受けてEUの中東特使マーク・オット氏は、イスラエルに会議への出席を見合わせてはどうかとすすめています。イスラエル国内でも会議に出席しない方がよいとの意見もあります。いずれにしても、国際会議前にテロが起こる可能性が高まるが懸念され、イスラエルは警戒態勢を強化しています。
重大な決断をしなければならないイスラエルの指導者たちですが、以下のような課題に直面しています。
オルメルト首相が経済相時代にバンク・レウミが民営化しましたが、その当時、首相が賄賂をうけとっていた疑惑で警察による調査がすすめられています。
昨年のレバノン戦争の責任問題で、ヴィノグラード委員会の最終結果が出ました。しかし、オルメルト首相を初め個人的に責任追及されている内容については公表されないことになりました。委員会は「それぞれの責任において行動するべき」としています。これは進退についてそれぞれが自主的に決めることを促すと同時に、自己責任を弁護する機会を与えたことになります。ペレツ前国防相はすでに弁護をはじめています。
オルメルト首相を支えるツィッピィ・リブニ外相の母サラさんが8日、癌のため亡くなりました。85才でした。サラさんは女性ながら「エツェル」とう後の防衛組織「イルグン」に所属し、イスラエル建国のために最前線で戦った戦士でした。
サラさんと夫のエイタン・リブニ氏は1948年に結婚。建国したばかりのイスラエルで結婚した最初のカップルでした。夫のエイタンはリクードのメンバーですが、サラさんは娘のツィッピーがカディマに移行することを支持しました。サラさんは命がけで建国を実現した戦士でしたが、土地をパレスチナ人に委譲しても平和を実現しようとした当時のシャロン政権を支持していました。
イスラエルの存続を危うくするサタンの働きが目に見えて激しくなってきましたが、イスラエル国防軍の中では、聖書的価値観を持つ兵士たちが増えつつあります。
かつては少なかったキッパをつけた兵士(ユダヤ教を実践している)が増え、整列すると兵士の頭にキッパが点々と並ぶようになりました。
ブネイ・ダビデは従軍する兵士が入校するプレ・ミリタリー・アカデミーです。1987年にラビ・サダンによって設立されました。
「宗教的シオニズム」(聖書の約束に基づいてユダヤ人はシオンに帰るべきとする考えで、聖書と現代イスラエルの接点を確立するもの)にもとづいて、聖書的価値観を兵士に教育しています。
ブネイ・ダビデでは個人の利益や権利は神にささげ、国家と神の働きを担う者となる教育を施します。ブネイ・ダビデがマスコミの注目をあびるようになったのは、昨年のレバノン戦争で、卒業生が3人英雄的な戦死を遂げ、5人が優秀な兵士に送られる賞を受賞したことからです。
クレイン大佐は、敵が投げた手榴弾に自ら飛びこんで爆発を吸収し、周囲にいた部下の命を守りました。彼は飛び込むときシェマー(申命記6:6「聞きなさい。イスラエル。主はわたしたちの神。主はただひとりである。」を叫んでいたといいます。
自爆テロを決行するアル・カイダやタリバンも自らを「神の戦士」と呼んでいます。彼らは人を殺すために自爆をします。イスラエルの兵士は、他者の命を守るために命を捧げています。
現在、国防軍は世俗派の司令官によって指導されています。キッパ兵士にとっては何の問題もないとのことです。ただガザや西岸地区からユダヤ人を撤退させる任務だけは、軍に従うことが難しくなります。
ブネイ・ダビデは毎年900人の卒業生を国防軍に送ります。毎年徴兵される兵士の3%にすぎませんが、彼らの働きが軍全体に影響を及ぼし始めています。
ネフェシュ・ベ・ネフェシュ(NBN)の働きで北米系の若い移民が多くイスラエルへ来るようになりました。彼らは聖書の約束を信じあえてイスラエルへ来る人々です。
必然的に一般のイスラエル人よりも宗教的です。彼らは宗教的ではありますが、多くは黒服に身を固めるオーソドックスではなく、キッパをかぶる保守派、改革派などです。政治的には右よりの傾向があります。
最近彼らのために、「スタディー・ハウス」があちこちに建ち始めました。これはイスラエルについて、ユダヤ人についてなどを教えるセルのようなもので、教団にこだわりません。世俗化のすすむイスラエルが神に立ち返るルネッサンスになるのではないかと期待する記事もあります。
イスラエルは、ここ3年間、移民者数以上に、出て行く人の数が多いという現象を経験していますが、NBNでイスラエルへ来た移民者の99%はイスラエルに残っていると報告されています。
北米系移民者はイスラエルに高い生活レベルを持ち込みよい影響を与えています。しかし、皆エルサレムに住みたがり、英語を話す人どうしで固まってしまうという課題があります。米国やカナダとは違うイスラエル社会の環境になじめるかどうかはまだまだ未知数です。将来帰ってしまうのか、イスラエル人になっていけるのか、現地イスラエル人たちは彼らを見守っています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
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