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ハイメール通信No. 42 隣国エジプトの役割 ~イスラエル軍撤退後のガザ~

ああ、ただ、わが民がわたしに聞き従い、
イスラエルが、私の道を歩いたのだったら。
わたしはただちに、彼らの敵を征服し、
彼らの仇に、私の手を向けたのに。(詩篇81:13-14)

イスラエル軍が撤退した後のガザの治安に関して、隣国エジプトが動き始めました。ガザの治安維持におけるエジプトの役割が注目されています。



■ エジプトの情報部高官:イスラエルとパレスチナ自治政府両者と会談

エジプトの情報機関責任者オマール・スレイマン氏が23日、エルサレムを訪問。

イスラエル軍がガザから撤退した後のエジプトの役割について、イスラエル政府高官と会談しました。スレイマン氏はその後、ラマラのパレスチナ自治政府も訪問しました。(後述)

エジプトは、ガザに治安のアドバイザーを派遣するにあたり、イスラエル軍がまず完全にガザから撤退することを条件として要求しています。エジプトの提案では、ガザの空港や港湾には多国籍軍とパレスチナ治安部隊が駐留し、イスラエル軍とトラブルを起こさないようにすることとなっています。

そして、ガザと西岸地区の間にパレスチナ人が安全に移動することのできる回廊を造ります。エジプトは、イスラエル軍がガザのフェイラデルフィ・ゾーンの周囲に掘りを建設することにも反対しています。堀は完全撤退の概念に反するという考えからです。

スレイマン氏によると、エジプトは独自のロードマップ案をイスラエル、パレスチナ両者に提示する予定です。エジプト案では、来週にもパレスチナ側の組織すべてをカイロに招集し、お互いとイスラエルに対する緊張を緩和させるための会談をもちます。その後、スレイマン氏自身がガザを視察。イスラエル、パレスチナ両者が分離するまでのタイムテーブルを策定、提示します。

その後にガザと西岸地区の入植地(4カ所)を撤退させます。最終的には、両者をもう一度交渉のテーブルにつけることを目標としています。エジプトはこの案の期限を今年11月と見ています。

シャロン首相:閣内の対外的な意見の一致を呼びかけ

シャロン首相はイスラエルのガザ撤退はあくまでも「一方的分離」であり、エジプトが仲介者として動いているのではないことを強調。エジプトに治安の全権をゆだねるつもりはないことを伝えています。

もしテロが起これば、これまでと同様、イスラエル軍が動くとも言っています。しかしながら、可能な範囲での妥協を行うことも表明しています。ネタニヤフ大蔵相は、エジプトがガザの治安に関与することに対し、「大変な問題のもと」になるとして強い懸念を表明しています。

ネタニヤフ氏の懸念に反し、シャロム外相はエジプトが前向きにガザから撤退するイスラエルに協力しようとしているとして信頼を置いている模様です。ただし、シャロム氏は同時にエジプトの本当の動機は結果に表れるであろうとも述べています。

シャロン首相は、モファズ国防相、シャロム外相、エイランド国家治安顧問に、一方的分離案に関して、個人的な考えをエジプトやヨーロッパに表明することを固く禁じたと伝えられています。(イスラエル・インサイダー6月24日)

パレスチナ自治政府:2ヶ月以内にガザの治安部隊を統合整備することで合意

スレイマン氏はエルサレムでイスラエル政府高官と会談した後、ラマラのパレスチナ自治政府(以下PAと略す)を訪れ、クレア首相と会談をもちました。

スレイマン氏は、パレスチナの治安部隊を2カ月以内に統合整備し、イスラエル軍撤退後の治安管理に備えるよう指示、クレア首相もこれを受け入れたもようです。

来月にもPAは30~40人の治安要員をエジプトに派遣し、治安部隊の訓練を受けさせることになっています。イスラエル軍の完全撤退が順調に遂行されれば、エジプトは200人の治安アドバイザーを6ヶ月の期限でガザに送り込むことを計画しています。

また、イスラエル政府高官、エジプト、アメリカ、PAの四者(カルテット)が10月に会談をもつことも盛り込まれています。

エジプトはPAに治安部隊の統合整備に2ヶ月の期限を提示したため、PAは来月にも計画を実施し、9月までには、整備を終える予定でした。ところが、アラファト議長がこれに難色を示しており、実際に整備が完成するのはさらに2~3ヶ月あとになるのではないかとの見通しです。

PAはエジプトの一連の動きを歓迎しています。イスラエル政府は、結局、アラファト議長がエジプトの提案に同意しないのではないかとの見通しから、エジプト案に懐疑的です。アメリカはエジプトの外交努力を評価し、支持を表明しています(ハアレツ6月24日)

*アメリカはこの後、イスラエル、PA両者との会談のためにバーンズ副国務長官を派遣しています。(ハアレツ6月25日)

<祈り>

  1. 大きな役割を担おうとしているエジプトの動きを主が支配し導いてくださるように。
  2. イスラエル軍撤退後のガザの治安が守られるための最善策がとられるようにシャロン首相、およびイスラエルの指導者たちが一致して最前の道を選びとる知恵が与えられるように。
  3. イスラエルがエジプトではなく、主により頼むことができるように。

■ 「黄金のエルサレム」作曲者死去

イスラエルで最も愛されている唱歌のひとつ「黄金のエルサレム」を作曲したナオミ・シャメール氏が病気のため、テルアビブの病院で亡くなりました。74歳でした。

シャメール氏は1930年、ガリラヤ湖周辺のキブツで生まれ、建国の礎を築いた一人として尊敬されています。シャメール氏の曲は、近代イスラエルのユダヤ的な感情を最もよく表現していると言われています。

「黄金のエルサレム」はその代表的なもので、1967年、当時のエルサレム市長・テディ・コーラック氏の依頼により数週間で書かれました。

1967年には六日戦争が勃発、ユダヤ民族の悲願であったエルサレムの統合が現実のものとなった年でした。「黄金のエルサレム」は同年のイスラエルの唱歌フェスティバルで発表され、六日戦争を記念する国民唱歌となりました。

シャメール氏は1973年のヨム・キプール戦争の時にも唱歌を書いています。その他、イスラエル国防軍のための軍歌や子どもたちのためのヘブル語の歌を数多く残しました。その功績により、1983年にはイスラエル唱歌の特別賞も受賞しました。

シャメール氏のヘブル的なメロディはユダヤ人の愛国心を大いに高めてきました。これからもイスラエルの子どもたちは、彼女の唱歌を学び続けます。(6月26日ハアレツ、エルサレムポストにてトップ記事で報道)


■ B.F.P.Japanより―スティーブンス・栄子師関西講演無事終了

6月2日から24日まで行われたスティーブンス・栄子師による関西講演が無事終了しました。

このために尊いお祈りをお捧げくださったすべての皆様に心から感謝を申し上げます。各地で祝福の種まきが行われ、すばらしい反響を頂いたことから、大きな実を結ぶことになると確信しております。

今年は、関西での働きかけに重点を置き、さまざまな取り組みを進めていく予定です。この地で、イスラエル理解の輪が広がり、主の御業が前進していくよう、今後のことも覚えてお祈りいただければ幸いです。

ビル&栄子・スティーブンスご夫妻のアメリカ移住を覚えて

スティーブンス師のアメリカ移住が7月末に迫ってまいりました。栄子師におきましては、日本での多忙なスケジュールを終えてすぐに引越しの準備となりますから、どうぞお体が支えられるようお祈りいただければ幸いです。

ビル・スティーブンス師のイスラエル支援センター所長のポストについては、いまだ後継者が与えられていない状況です。主が必ず、御心の器をお送りくださることを信じて、このことも覚えてお祈りいただければ幸いです。

梅雨のために、暑さと湿気で過ごしづらい毎日が続いています。皆様の健康が心身ともに守られますよう、スタッフ一同お祈りしております。どうぞお体を大切にお過ごしください。

B.F.P.Japanより、皆様にシャローム

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