ツアー体験談

松本 務まつもと つとむさん (札幌キリスト福音館)

イスラエルと共に立ち、大宣教命令に生きる

壮絶なツアーでした。一つ一つの経験を消化するのに数年かかりそうな濃い10日間でしたが、この旅行を通して、個人的に特に2つの決意が与えられました。この人生かけて、私はイスラエルと共に立つということ、そして自分の生活を、世界宣教としっかりリンクさせることです。

この旅に出るまで、「イスラエルを祝福する者をわたしは祝福する」というみことばだけが、自分の中でイスラエルを祝福しようと思う理由でした。そこに実際的な愛や感情が伴っていなかったと思います。リアリティを持っていませんでした。今回の旅の一つの大きなハイライトは、ホロコーストの悲劇から独立記念の歓喜までの道を、ユダヤ人の方々の隣で経験できたことです。

最初のアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所がまず衝撃でした。毎日平均6千人。子どもも赤ちゃんも関係なくガス室で殺されたことを知りました。数字で聞くだけじゃなくて、殺された方々の髪の毛の束の山を見ました。靴を見ました。ブラシをメガネを見ました。一人ひとりに人生のストーリーがあり、育ってきた故郷があり、愛し合っていた家族がいました。一人ひとりの生々しい生きた痕跡がそこにありました。そんな人たちが600万人殺されました。ガス室で使われたのは、チクロンBという害虫駆除のガスでした。あれだけ文化水準の高い国の指導の下、人が人を害虫を殺す方法で殺す。ユダヤ人がユダヤ人を誘導し、殺し、焼却されていく仕組みがナチスによって作られていました。とにかく効率的に淡々とユダヤ人が殺されていく仕組みが整えられていました。衝撃でした。より罪悪感を持たず、より効率的に殺戮さつりくが繰り返されました。しかも、当時のドイツ人の圧倒的多数派キリスト教徒だったと言います。絶望しました。人は、変わりうる。恐ろしく、残酷に、平然と。人の中にある悪を思い知らされました。ユダヤの人たちが通ってきた歴史は壮絶すぎて、その孤独は計り知れないと思いました。彼らが背負ってきたものが大きすぎて、自分には何もできないと思いました。何一つ慰めになれないと思いました。

しかし、このマーチに日本人として参加することができたこと、それが、「私たちはユダヤ人と共に歩く」という一番のメッセージの表明なのだと知りました。マーチを歩くユダヤ人たちは東洋人の僕らを見つけ、不思議に思い「どこから来たの?」と声を掛けてくれました、「日本から来たんだ」と答えると顔をくしゃっとさせて喜び、「ありがとう」と握手を求めてきてくれました。この悲しみを噛みしめて、彼らの隣を一緒に歩くこと。それ自体がものすごい体験でした。見てきたものと自分の生活のリアルとの間にあまりに大きな隔たりを感じました。この体験を自分の人生の中でどう活かせるんだろうか。これを体験した者の責任は何なんだろうか。何を求められているのか。過去のことであり、これからまた起こりうること。再びこういう世界がやってきた時、この過去を知るものとしてどう立ち上がることができるのだろう。頭の中をそんな疑問が駆け巡りました。

ツアーの仲間たちと歌った賛美「哀歌」のワンフレーズ、「主の恵みにより民は滅びうせない。尽きぬ主のあわれみ、朝ごとに新しい」が頭の中を駆け巡る中、ポーランドを後にし、イスラエルに向かいました。

イスラエルで特に印象的だったのは、大宣教命令が行われたとされるアルベル山でした。この季節、この風景を見ながらイエスさまは、弟子たちに大宣教命令を語られたと思う時、震える思いがしました。マタイ28章19節、「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。」全地を見渡せる場所に立った時、そのみことばが私に響いてきました。私は、ビジネスを通して大宣教命令を形にしていくことに召されています。ビジネスを通して、どのように「あらゆる国の人々を弟子としなさい」を実行できるのか祈りました。教会献身だけがその道ではないと思います。与えられた仕事の中で、この命令を形にしていくことを求めたいと思いました。まず小さい一歩から始めようと思いました。何気なくマンネリ的に行っている作業を、しっかり宣教と結び付けてとらえたい。地味な発送作業にしても、電話対応にしても、自分の意識レベルにおいて福音を証しする者として立つ。すべての行動の源が「宣教」の思いであるように、軸を立て直す。目の前の仕事の先に福音が広がっていくことを意識して行動する。同じ作業でも、この意識の違いで、自分の仕事が宣教になりうると思いました。山を降りながら、本当に日本に帰っていってそういう高いレベルの意識で日常生活ができるだろうかと不安になりました。自信が無くなりました。でもそんな時、キリストの声が響いてきました。「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」キリストが、私と、共にいてくださる。勇気が湧いてきました。このみことばを握りしめて、日本で、ビジネスを通して、大宣教命令を形にしていきたいと願います。

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