ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 155 クリスマスとハヌカ
今年はクリスマスとハヌカが同じ時期にやって来ました。どちらも「闇に光」のメッセージを届けています。
ガザでハマスが停戦終了を宣言、激しいロケット攻撃が続き、ガザへの大規模攻撃の可能性が高まってきています。
アメリカで著名なユダヤ人慈善家が金をだまし取っていたことが発覚。ユダヤ系支援団体が打撃を受けています。
イスラエルではガリラヤ湖の水深が危機的状況にありましたが、ようやく雨が降りました。ヘルモン山では吹雪の予想です。
2008年、皆様とともに祈れたことを感謝します。来年も主に導かれて皆様の教会が豊かに祝福されますように。
この方にいのちがあった。
このいのちは人の光であった。
光はやみの中に輝いている。
やみはこれに打ち勝たなかった。
(ヨハネの福音書1:4-5)
今年のハヌカは12月21日から始まりました。BC164年、セレウコス朝シリアの迫害からマカビー一族がイスラエルを解放し、エルサレムの神殿をきよめたことを記念しています。
この時、神殿でともされたメノラー(キャンドル)を記念して、ハヌカでは9枝の燭台に毎日1本ずつ8日間、火をともしていきます。また当時神殿で使われた聖なる油を覚えるため、スフガニヨット(ジャム入り揚げパン)やラトキス(ジャガイモの揚げ菓子)を食べます。
今年イスラエルの新聞は、石油が夏には1バレルあたり147ドルであったのが、現在39ドルにまで下がったことが今年のハヌカの奇跡だとの記事がありました。
11月の末にムンバイ(インド)で殺害されたラビ・ホルツバーグ夫妻の両親たちは25日、テロ現場となったムンバイのハバッド・ハウスを訪れ、8mのメノラーに火とともしました。(写真:リブカ・ホルツバーグの父親と孤児となったモイシェ君~イスラエル:アフラの自宅にて)
ハバッド派はハヌカにあわせて世界的に「Unite the Light(みんなで光をともそう)」というプロジェクトを展開しています。できるだけ多くのユダヤ人家庭にハヌカの光をともしてもらい、テロの悪に打ち勝とうというものです。
ハバッド派は9/11の被害にあったニューヨークでもセントラル・パークに高さ10m近いハヌキヤ(ハヌカ用キャンドル)を設置しました。電気を使わず油を使用するハヌキヤで毎夜1本ずつ点灯しています。
イスラエル政府は毎年クリスチャンのためにクリスマスツリーとなる木を無料で提供しています。今年もエルサレム中心のザイオン・スクエアで、伐採された木が配られました。店頭にはサンタクロース人形が並びました。
イスラエル政府はクリスマスシーズンにパレスチナ人クリスチャンがイスラエル領内の家族に会えるよう、検問所100箇所以上が解除され、15000人にイスラエルへの通行許可証を出しました。
またパレスチナ人クリスチャンがベン・グリオン空港を使用しやすいよう便宜を図っています。
*現在、西岸地区に住むパレスチナ人クリスチャンは46000人(西岸地区総人口の1.9%)です。
また現在紛争が深刻化しているガザからも約300人のクリスチャンに西岸地区の家族に会うための許可証を出しています。
中央統計局によると2008年にイスラエルを訪問した旅行者は280万人で2007年より35%増えました。記録的な増加率です。
そのうちベツレヘムを訪れたのは140万人に上ります。12月24,25日にはベツレヘムのホテルは満室となりました。生誕教会ではパレスチナ自治政府のアッバス議長も出席してミサが行われました。(写真:クリスマスイブのベツレヘム)
16日、イスラエル最南端の町エイラットから北へ2Kほどの地点で、観光バスが峡谷へ60m転落し、乗っていたロシア人のツアーガイドや旅行関係者24人が死亡しましました。イスラエル史上最悪の事故となりました。
ロシア人たちはツアー促進のための視察旅行中で、24人の犠牲者は遺体確認に来た家族とともに18日、特別機でロシアへ帰っています。
事故をおこしたバスは、運転手が前を走っていた別の観光バスを追い越そうとして対向車線へ出たところ、カーブを曲がりきれず、ガードレールを突き破って峡谷へ転落したと分析されています。現場が峡谷であったため、救急車で駆けつけた医師や看護師は、国防軍のヘリコプターなどのサポートを受けて救出活動を行いました。
現場の目撃者によると、50人近くがバスの窓から外へ投げ出されており、最悪のテロ現場のようだったと報告されています。バスの運転手(39)は軽症で助かっています。退院後の事情聴取で、事故前に別のバスの運転手と口論していたことが明らかになりました。そのバスに検問所付近で追い越され、それをまた追い越そうとして事故に至ったことがわかっています。運転手は過失致死で逮捕されています。
エジプトの仲介によってハマスとイスラエルが合意した6ヶ月の停戦合意が19日、期限切れとなりました。ハマスは期限の延長はしないとしてイスラエルへカッサムロケットや迫撃砲、グラッドミサイルで攻撃を激化しており、19日以降だけでも200発が発射されました。
これを受けて22日、国防軍は国境付近で爆弾を設置しようとしていたパレスチナ人3人を殺害、その2日後の24日、朝9時から1時までに40発近いロケット弾が着弾しアシュケロンにまで至っています。
1日合計では80発です。死者や負傷者は出ていませんが、多数がショックで治療を受けています。
24日、国土防衛省は、ガザ周辺地域30Km以内の住民に外出禁止令を出しました。MDA(イスラエルの救急隊)は、準備態勢を最高激xルにあげて待機しています。
ハマスの攻撃力は、射程距離や正確さにおいて明らかにレベルが上がってきており、国内からは、今のうちにガザへの大規模な攻撃を要請する声が高まっています。
しかし、シュケナージ参謀総長は、大規模な攻撃すれば、新たな反撃によってガザ周辺住民に被害が及ぶ事や、ガザで捕虜になっているイスラエル兵シャリートさんへの影響も考慮しなければならないと語っています。また総選挙前であり、オバマ大統領就任前とあって、政府の対処検討も難航しているようです。
25日、リブニ外相は、エジプトのムバラク大統領を訪問し、イスラエルの現状を伝え、ハマスへ攻撃停止と停戦合意への圧力をかけるよう要請しました。
ムバラク大統領は、イスラエルにガザへの大規模攻撃を行わないようリブニ外相に伝えています。
この間に、オルメルト首相はガザ住民への“最後通告”として、ハマスに従わないよう呼びかけました。リブニ外相は「戦争通告に来たのではない」とムバラク大統領の仲介に期待する意向を伝えました。
*イスラエルは、24日、国連にハマスの攻撃に対する訴えを正式に提出しました。
イスラエルがガザ地区へ人道支援を行っていることはあまり報道されません。12月に入ってからだけでも、トラック255台分の食料や医療物資がガザへ運び込まれました。
またUNRWA(国連パレスチナ難民救済機関)への発電所用のガソリン(866000リットルのディーゼルとガソリン)を支援しています。バラク国防相は、今後も人道支援は続けるよう指示しています。
(写真:ガザへのガソリンを給油中のタンカー:ナハル・オズ給油所にて イスラエル外務省)
労働党、リクードに続いてカディマが選挙名簿作成のための党内選挙を行いました。カディマ党首のリブニ氏の次に現交通相で元国防相のサウル・モファズ氏、次に国会議長を務めていたダリア・イッツィク氏(女性)となっています。
チャンネル2が行った世論調査では、カディマが30議席、リクードが29議席と、トップを逆転しました。イスラエル我が家やシャス党なども議席を伸ばしており、その分リクードが減っている形になっています。続けてイスラエルに必要な人材がリーダーとして選出されるようとりなしましょう。
アメリカの金融危機ですでに打撃を受けているイスラエル献金支援団体に追い打ちがかかりました。ウォール街の大物で一時はナスダック議長も務めたこともあるユダヤ人投資家バーナード・マドーフ氏が詐欺で逮捕されました。だまし取った金額は50億ドル(約5000億円)にのぼります。
億万長者のユダヤ人がイスラエルや同胞に献金するのはユダヤ文化の中心的な部分であり、ユダヤ人存続の要でもあります。70才を越えたマドーフ氏は確かな慈善事業家として信頼されていた人物でした。
彼の逮捕により、ユダヤ人支援団体に影響が出始めています。全体では6000万ドルから1億ドルの損失がでたと言われています。イスラエルの病院や大学、シナゴーグなどは、こうしたアメリカからの投資に依存しており、今後の影響が懸念されています。
水不足が深刻なイスラエルに初の豪雨の嵐(風速24-25m)が来ました。テルアビブ周辺では、24日、通りや高速道路が水浸しになるほどの豪雨が降りました。シャロン平原では、あふれ出した水に車が浸水してしまい、車内に閉じこめられた人を消防隊が救出しています。
ヘルモン山など北部山間部では気温が下がって夜間の積雪が20センチとなり、24日中、スキー客が入れなくなりました。冬の雨期の始まりを告げています。
2008年も残すところ5日となりました。その5日間にあと3機のアリヤ機(移住者だけのフライト)が到着する予定です。29日にはニューヨークとロンドンから移住者を満載した飛行機が到着します。その2日後に同じくニューヨークから190人、同じ日に南アフリカから100人が到着します。南アフリカからの移住者は今年は昨年の倍になりました。(昨年178人、今年350人)
イスラエルへの移民者数は年々減少しており、昨年は18100人で今年は16500人となっていまキ。しかし、減っているのはロシア系移民(昨年6700人、今年6100人)、エチオピア系移民(昨年3600人、今年1700人)など、どちらかといえば困窮した状況に押し出されてきた移民者で、逆にオーストラリア系移民(昨年122人、今年165人)、メキシコ系(昨年66人、今年90人)と自分の意志で移住してくる人が増えてきていることを統計は語っています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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