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ティーチングレター

クリスチャンがイスラエルを支援する6つの理由

TEXT:レベッカ・ J・ブリマー [BFP国際会長]

ここ数年、クリスチャンとユダヤ人が集まる場で語らせていただく機会が増えました。イスラエルを支援し、ユダヤ人を愛するクリスチャンとして、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)の立場を説明する発言を求められることもよくあります。このティーチング・レターはそのような中から生まれました。

多くのユダヤ人が、クリスチャンから受ける支援に驚嘆しています。そして次のような質問を受けます。「二千年間ユダヤ人を迫害してきたクリスチャンが、今になってなぜユダヤ人を愛するようになったのですか」と。多くの人々が、クリスチャンとユダヤ人が、新たな関係を築く時代に入ったと感じています。聖書を信じる世界中のクリスチャンが教派を問わず、ユダヤ人と共に立ち上がっている姿を見るのは、何と素晴らしいことでしょうか。この状況を受けてユダヤ人は、イスラエルにとって最大の友は聖書を信じるクリスチャンであると認識し始めています。しかし両者が完全に信頼し合うまでには、まだ長い道のりがあります。クリスチャンからの支援に困惑し、その真意を知りたがるユダヤ人から頻繁に質問を受けること自体、しなくてはならないことがまだたくさんある証拠なのです。

イスラエルの6つの政党に属する18人の国会議員からなる超党派の親キリスト教議員団(KCAC)は、過去8年にわたってキリスト教社会との関係を築いてきました。私は会員ではありませんが、KCACが始まった当初から集会に招かれています。

このKCACと、世界ユダヤ人会議(World Jewish Congress)が共同で開催する年次会合に講演者の一員として招かれました。「イスラエルを支援するクリスチャンに感謝する夕べ」というもので、いつもイスラエルの国会議員が何人か出席しています。去年、私の前にスピーチをした議員は出席しているクリスチャンの支援に感謝し、「でも、皆さんが支援してくださる理由は知りたくありません!」と言って演説を締めくくりました。座席に着いていた私は心の中で思いを巡らしていました。次にスピーチするのは私です。私は「クリスチャンがイスラエルを支援する6つの理由」という題で語ろうと考えていました。短く祈った後、計画通りに語ることにしました。先ほど講演した人を意識しないわけにはいきませんでしたが、テーマを公表したとき、会場からは笑い声が起こりました。

長年BFPを支援し、以前からこのティーチング・レターを読んでいる人にとって、ここに書かれていることは新しいことではないかもしれません。しかし、このことをまだ理解していない友人たちに伝えるために、このリストが有益だと思います。

クリスチャンがイスラエルを支援する6つの理由

1.私たちは神がイスラエルを愛していることを知っている

「まことに、主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、イスラエルを選んで、ご自分の宝とされた。」(詩135:4)聖書に「ヤコブ」という名前が出てくるとき、それは族長ヤコブ、もしくはそのヤコブの子孫であるユダヤ人を指していることを覚えておいてください。新約聖書の中でさえこれは同じです。

2.私たちは聖書を信じている

聖書を読めば読むほど、聖書はユダヤ民族とイスラエルの地を軸とする神のことばであることを知るようになります。何世紀もの間、一部の教父を除いて、クリスチャンは聖書を読むことができませんでした。1440年の活版印刷の発明により、以前より聖書が入手しやすくなりました。また、その後に起こった宗教改革によって、一般のクリスチャンが聖書を読むことができる時代が到来しました。それに伴い、神がユダヤ人に与えられた多くの約束を、私たちは突き付けられることになりました。そしてイスラエル国家が復興したとき、キリスト教世界は聖書の中にあるイスラエルに対する約束をもう一度吟味しなくてはならなくなったのです。以前、多くの神学者がこの約束はクリスチャンのものであると教えていました。しかし「イスラエル再建」という約束が文字通り成就したとき、神の約束の真実と、神が約束を文字通り成就しておられる事実に直面したのです。

3.私たちは神から祝福を受けたい

創世記12章3節で、神はアブラハムに「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。」と約束しておられます。後に詩篇の記者は「エルサレムの平和のために祈れ。『おまえを愛する人々が栄えるように。』」(詩122:6)と言っています。BFPにかかわってからはもちろん、それ以前から私はイスラエルを祝福する人々が祝福を受けるのを何度も目にしてきました。

私たちがイスラエルに移住したとき、サポートしてくれた人の中に、子どもが数人いる貧しい家庭がありました。一年ほどたったころ、その家族から手紙が届きました。そこには、支援する約束をしたとき、家計がぎりぎりになると思っていたこと、しかし、忠実に毎月捧げたとき、予期せぬ経済的祝福を受けたので支援を増やそうとしていることが書かれていました。神が表明された計画と目的を支持し、賛同するとき、神の祝福を受けると私は信じています。また、何よりも大きな祝福は、この世の中に生きる上での願いがかなうことではなく、「神と同じ視点に立って生きることができる」ということだと思っています。

4.クリスチャンはユダヤ人に感謝する理由がある

聖書を勉強し、キリスト教信仰 のユダヤ的本質(ヘブライルーツ)に触れた多くのクリスチャンが、クリスチャンはユダヤ人に感謝する理由があることを自覚し始めています。聖書は神の霊感を受け、ユダヤ人の手を通して書かれました。信仰の土台であり、神と神の道を知るこの貴重な文書を私たちが手にすることができたのは、巻物を細部まで忠実に写本し続けた忠実なユダヤ人たちのおかげなのです。驚くことに現代のヘブライ語聖書は、死海文書の発見に伴って発掘された古代の巻物と事実上全く同じなのです。

また、族長たちや預言者たちを生み出してくれたユダヤ人に感謝しなくてはなりません。新約聖書の福音書や使徒行伝を読むと、マリヤ、ヨセフ、イエスはみなユダヤ人であることが分かります。使徒たちもみなユダヤ人でした。実際、私たちの信仰にとって大切なものは、すべてユダヤ民族によってもたらされたのです。使徒パウロはローマ書15章27節「しかし同時に、彼ら(異邦人)はかの人々(ユダヤ人)に負債がある。というのは、もし異邦人が彼らの霊の物にあずかったとすれば、肉の物をもって彼らに仕えるのは、当然だからである。【口語訳】」と言ってこの負債を強調しています。

5.イエスはユダヤ人だった

イエスを愛するのに、イエスの家族たちを憎むのは、矛盾していることに多くのクリスチャンが気付き始めています。イエスはユダヤ人として生まれ、ユダヤ的環境で育ちました。イエス誕生のあらましを物語っているルカの福音書を見ると、イエスの家族がモーセの律法を守っていたことが分かります。八日目に割礼を受け、長子の贖い金が支払われ、母親は律法に従って神殿に捧げものをしました。当時バル・ミツバ(ユダヤ人男子の13歳の成人式)は正式に定められていませんでした。しかし、イエスが12歳のとき神殿で教師たちと話し合っていたのは、ユダヤの成人式の一部だったのではないかと考えられています。

イエスはタリート(祈りのショール)を身に着け、シナゴーグで礼拝し、絶えずヘブライ語のみことばを引用し、聖書に尊敬を示していました。イエスが批判したのはパリサイ人や律法学者の慣習や偽善でした。イエスは当時の学問を熟知していました。口から口へ伝えられ、後に筆記されたミシュナ(ユダヤ教徒が最も大切にしている口伝律法)をイエスは知り尽くしていました。イエスは教会に出席したりクリスチャンと呼ばれたりしたことは一度もなく、すべての点においてユダヤ人でした(イエス・キリストの時代、教会はまだなかった)。

6.聖書の預言の成就に参加できる

祈りのショール(タリート)

聖書の預言が文字通り成就する のを目にするとき、神がこの時代、人間の歴史に積極的にかかわっておられることを理解するようになります。その理解が進むにつれ、私たちも神の計画に参加させていただきたいと願うようになるのではないでしょうか。私は23年間イスラエルに住んでいますが、旧ソ連から百万人以上の人々がイスラエルに来るのを見てきました。おそれ多くもこの目で預言の成就を目撃してきたのです。「その日にはもはや、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた主は生きておられる』とは言わないで、ただ『イスラエルの子らを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた主は生きておられる』と言うようになる。わたしは彼らの先祖に与えた彼らの土地に彼らを帰らせる。」(エレミヤ16:14、15)。 預言者イザヤは「ヤコブは根を張り、イスラエルは芽を出し、花を咲かせ、世界の面に実を満たす(イザヤ27:6)」と語りました。イスラエルの国の小ささを考えると、イスラエル産の果物が世界中の食料品店に置いてあることは驚きです。私はこのみことばが大好きです。それは、このみことばが今日文字どおり成就していて、神がみことばの細部さえも大切にしておられることが分かるからです。イザヤ書35章1節には、砂漠はサフランのように花を咲かせると書かれています。今日イスラエルの荒野を旅するなら、ヨーロッパの高級な花屋で売っているような花々が咲いている草原を目にすることでしょう。

聖書の預言が文字どおり成就していることを見られるこの時代、なんという素晴らしい時代に私たちは置かれているのでしょう。さらに望めば、その預言の成就の一部を担うことができるという、特権にあずかっているのです。

今月は、「クリスチャンがイスラエルを支援する6つの理由」を簡潔に整理しました。クリスチャンがイスラエルを支援するのに、このティーチング・レターに書かれた6つの理由がすべてではありません。皆様お一人ひとりに、イスラエルを支援されるそれぞれの動機があるでしょう。本稿が皆様の考えをまとめる一つのツールとなるように、またご友人・知人への分かち合いの一助となりますように。

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