プロジェクトレポート

命は血の中にある

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

ロケット弾攻撃を受けたイスラエル市民を救助 Photo by Flickr/IDF

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)では、『イスラエル国立血液バンク』に協力し、輸血用の血液の安定供給に携わっています。今月はテロ被害者支援プロジェクトから、イスラエル人の命を救うためにどのような働きがなされているかをレポートします。


私たちは主がこの地上で驚くべき御業を行われている時代に生きています。主は、聖書預言の成就を通してご自身の真実とその偉大さを国々に現されています。このような時に生かされているとは何という祝福でしょうか。聖書を信じる者の信仰がさらに深められ、みことばに新たな真理を見いだし、主との歩みにも新たな活力を見いだしています。しかし、ユダヤ的見解では、祝福のあるところには責任も伴います。世界中の多くのクリスチャンが、イスラエルを支援する祝福には責任も伴うことに気付き始めています。

献血支援

私たちは最近あるプログラムを通してマゲン・ダヴィド・アドム(イスラエル版赤十字)に協力できると知り、早速提携を始めました。「ハート・トゥー・ハート」という、イスラエルで人命救助に携わるプログラムです。緊張が高まりつつある中東情勢、差し迫る戦争の恐怖、またイスラエルに大地震が起こる可能性があることなどから、「ハート・トゥー・ハート」はイスラエル国内で十分な血液供給を維持するために、献血キャンペーンを立ち上げています。

「ハート・トゥー・ハート」は、イスラエル国立血液バンクを支援しています。イスラエル国家が直面し得るどのような緊急事態にも備え、常にその対応人数と実際の血液供給量を増やす必要があるからです。今やイスラエルの人口は800万人を超え、敵意を持った周辺諸国からの脅威はいまだかつてないほど増大しています。今こそイスラエルの血液供給を最大限に増やし、守る時です。世界中のほとんどの国は、緊急時に血液供給量が減少しても周辺諸国に求めることができます。ヨーロッパであれば、他のヨーロッパ諸国に助けを求めることができます。北米でも同様でしょう。しかしイスラエルには、近隣に助けを求められる友好国が無いのです。そのため、イスラエルでは戦争やテロ、災害があると人々が献血のため病院に殺到します。

もちろん、イスラエルの血液供給は国家や地域の緊急時だけに必要なわけではありません。日常生活においても交通事故や手術、出産その他患者に輸血を必要とするケースは山ほどあります。

「ハート・トゥー・ハート」の実践

救急車で緊急輸送されるテロ被害者 Photo by Isranet

16歳のダニエル・カンター・ワルツは2006年に命にかかわる大量輸血を必要としました。過越祭の時期に家族揃ってイスラエルに来ていたダニエルのすぐそばで、大量の爆発物を巻き付けたテロリストが自爆したのです。ほんの数秒前まで元気なティーンエイジャーだったダニエルは、突然生死をさまよう状態へと突き落とされました。テロに遭った最初の数時間、執刀中の医師たちがダニエルの状態を安定させるのに必要な輸血はおよそ37.84リットルでした。

ショシャーナの場合は、出産でした。神聖な安息日のさなかに、ショシャーナは産気付き、救急車を呼びました。その日は安息日でユダヤ人は労働しない日でしたが、ユダヤ教では救命は何よりも尊いと教えています。最初の救急車は数分で到着し、救急救命士が女の赤ちゃんを無事取り上げました。しかし出産の際、ショシャーナは合併症から大量出血を起こしていました。医師がその原因究明に当たっている間、およそ1.42リットルの血液を必要としました。数日後、ショシャーナは帰宅し、赤ちゃんと共に新生活を始めることができました。

孫のいるハナは、多種のボランティアで忙しい日々を送っていました。そんなある晩、近所の道を横断中に車にはねられました。その衝撃がとても強かったため、彼女の体は跳ね飛ばされ、車のフロントガラスが割れたほどでした。手術により一命は取り留めましたが、その後のリハビリに4カ月かかりました。この間、3人のドナーからの献血のおかげで、子どもや孫たちの元へと戻ることができました。

ロイは2006年、イスラエル国防軍の招集で北部国境沿いの対ヒズボラ戦へ出動しました。絶え間なく続く戦闘中も、ロイは勇敢に任務を果たしました。ロイの部隊はレバノンの村に潜伏するテロリスト対策を任じられました。真夜中、部隊は集中砲火に遭い多くの隊員が死んでいく中、ロイも重傷を負いました。イスラエルの病院へ緊急搬送され、およそ4.73リットルの輸血を受け、一命を取り留めました。数年たった今でも、彼は献血してくれた命の恩人へ感謝の意を表し続けています。

命の贈り物をしませんか?

今まで述べたことは、イスラエルの人々にとって安定した血液供給がどれだけ重要かを示した一例です。もちろん、人口増加に伴いその血液供給の必要性はさらに高まっています。血液供給の増加とその安全性の強化、新しい機材の購入、血液を必要とする場所への安全輸送など、必要は膨らみ続けています。

BFPのテロ被害者支援プロジェクトへの贈り物は、「ハート・トゥ・ハート」を通して、こうした緊急時の血液補給に役立てられています。イスラエル国立血液バンクが十分な血液を購入、供給し、その国民の命を救うことができるようにです。献血の果たす役割は、人命に直結するという意味で本当に大きなものです。イスラエルを愛するクリスチャンにとって、この働きは、イスラエルの国とそこに住む人々を支持し共に団結していることを表すこの上ない手段です。

マゲン・ダヴィド・アドムにて、
実際に献血をするBFPのボランティアスタッフ

私たちクリスチャンは何世紀にもわたって、イスラエルが世界中に伝えてくれた「福音」という祝福を受け取る者でした。今度は、ぜひご一緒にイスラエルの命をつなぐお手伝いをしていただけませんか。彼らは聖書を守り、現代の私たちに託すという責任を果たしてくれました。イエス・キリストを生み出すという、重い重責を果たしてくれました。その彼らに対して、私たちも聖書的な役割を果たしていきたいと思います。

「彼らは確かに喜んでそれをしたのですが、同時にまた、その人々に対してはその義務があるのです。異邦人は霊的なことでは、その人々からもらいものをしたのですから、物質的な物をもって彼らに奉仕すべきです。」(ローマ15:27)

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