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プロジェクトレポート

緊急! イスラエルの民を救え!! ―BFP・救出作戦プログラム―

反ユダヤ主義が世界中で猛威を振るっています。「反ユダヤ主義」と聞いても、日本にいるとピンとこないかもしれませんが、この暗雲は静かに、そして確実に世界中に広がりつつあります。

驚くべきことに、民主主義国家であるはずのイギリスで、「ユダヤ人である」というだけの理由で、学術的な地位から職を追われる人々が出ています。アメリカでは、2001年のニューヨーク・同時多発テロの責任をユダヤ人に問う声が上がっています。幼い子どもたちまで、つばを吐き掛けられたりあざけりを受けたりしています。ヨーロッパやロシアでも、これまた同じ理由で、路頭で袋だたきに遭う人々がいます。シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)が荒らされ、ユダヤ人の墓石が心無い落書きで汚されています。イスラム圏に住むユダヤ人は、隣人にいつ命を奪われるかもしれないという、まさに死と隣り合わせの状態で、息を潜めて生活しています。

そして日本では、国民のほとんどが生まれてこのかた直接顔も見たことのないユダヤ人に対し、書籍やメディアをとおして明らかに事実とは違った悪いイメージが定着しています。「ユダヤ陰謀説」「世界経済を牛耳るユダヤ人」「ユダヤ人の世界支配」「弱いパレスチナに対して軍事行動を繰り返す非人道国家」「パレスチナへの侵略国家」などがその代表的なものです。

なぜユダヤ人迫害が起こるのか?

BFPではこれまで、ユダヤ人が過去1700年間にわたって、「キリスト殺し」というレッテルを張られ、救いを受けることができない「呪われた民族」とされて世界を放浪し、行く先々で迫害を受けてきたことをお伝えしてきました。ユダヤ人が受けた数々の苦しみについては、歴史がその全容を明らかにしています。ホロコーストによる大量虐殺をとおして、人類は反ユダヤ主義の恐ろしさを十分学習したにもかかわらず、なぜいまだにユダヤ人迫害が起こるのでしょうか。

少数派のユダヤ人が異質の存在であると、人々(ヨーロッパを中心とするキリスト教圏)が受け取った根拠は次のようなものです。

  1. 日曜日に安息日を守らない。
  2. キリストを信じない。
  3. 独自の食物規定を守っている。
  4. イエス・キリストを十字架にかけた呪われし民族である。
  5. 他と交わらず、独自の社会にこもっている。

国家あるいはグループの意識をまとめる上で、何が必要でしょうか。それは、目標(ターゲット)を掲げて一丸となることです。さらに、ともに戦う敵の存在があれば言うことはありません。敗戦や経済不振で、国民の反感が政府や指導者に対して高まっているときには、その責任をなすり付ける対象が必要でした。問題から国民の目をそらすために、ユダヤ人は、政治指導者たちの格好のターゲットとされてきました。

最も多くのユダヤ人の血が流された、ナチスによる大量虐殺も、帝政ロシアによるユダヤ人迫害(ポグロム)も、敗戦や経済不振の時代に起こっています。

先行きがこれほど不透明で、世界全体が不況の波に覆われ、人々が焦燥感と不安にさいなまれている現代、ユダヤ人が再び世界の国々で標的となっているとしても、一向に不思議ではありません。さらに、パレスチナ問題と絡んだイスラエルに対する反感もそれに拍車を掛けています。

ユダヤ人が迫害に苦しむことは、聖書でも預言されています。「わたしは剣とききんと疫病で彼らを追い、彼らを、地のすべての王国のおののきとし、わたしが彼らを追い散らしたすべての国の間で、のろいとし、恐怖とし、あざけりとし、そしりとする。」(エレミヤ29:18)

ユダヤ人はこうした恐怖の中を、約二千年にわたって生き延びてきました。そんな彼らにも、希望の光が与えられています。ユダヤ人が唯一安心して暮らせる国、イスラエルの再建です。この背後には、彼らの苦もんの声を聞き届けてくださった神のあわれみと恵み、そして大いなるご計画がありました。「見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、地の果てから彼らを集める。その中にはめしいも足なえも、妊婦も産婦も共にいる。彼らは大集団をなして、ここに帰る。」(エレミヤ31:8)

「私がユダヤ人だから悪いの?」

イスラエルに移住してきたロシア系ユダヤ人のマリアナさん(32歳)は、ロシアでの生活を次のように語っています。「生まれてこの方、『ユダヤ人だから』という理由で、私は皆とは違うと言われ続けてきました。」彼女はずっと迫害され、ののしられ、高等教育を受けることも許されないなど、反ユダヤ主義を実体験してきました。そして、ワンルームの小さなアパートに、二人の娘たちと一緒に住んでいました。長女はチェルノブイリ原発事故の放射能が原因で、重い病に苦しんでいます。

ハンナさん(20歳)は、父親がユダヤ人だということで、周りの人々、特に母方の親せきからも憎まれてきたと語っています。「母方のおじは、よく私にひどい言葉を浴びせてきました。そればかりか、彼はまだ幼い私が寝ているベビーベッドの横に立って、『このユダヤ人のがきめ!』と言いながら、私を窒息させようとしたこともあったのです。実の母も私を憎んでいます。どうして私たちがこんな扱いを受けなければならないのでしょうか。私たちは他の皆と何も変わらないのに……。」

アメリカ系ユダヤ人で、病院で精神科医として働いていたスティーブン・アカルディさん(42歳)は、9月11日の体験がもとで、妻と二人の子どもたちとともにイスラエルに移住することを決意しました。この日、ニューヨークの自宅の外に車を停めている最中、一人の若者が車中から「死ね!」と叫びました。アカルディさんは車を回し、若者に追いつき、彼に向かって叫びました。若者は一瞬ためらった表情でしたが、こう叫び返してきました。「お前たち(ユダヤ人)は、僕らの国から出て行け!お前らのせいでこの事件が起こったんだ!」この言葉に、アカルディさんはしばらくぼうぜんと立っていましたが、家に戻り、考えをめぐらしていました。すると、同時多発テロの実行犯であるアラブ人テロリストが、「これはすべてユダヤ人のせいだ」と語っているコメントが脳裏に浮かんできました。アカルディさんはこのとき、さっきの若者の言葉をとおして、実は神が「アメリカを出よ」と語られたと感じたのだそうです。

私たちの取り組み

このように迫害が強まっているロシアやヨーロッパのほかに、大変な経済不振に陥っているアルゼンチンには、極度の貧困のために何万というユダヤ人が絶望状態に置かれています。冬はマイナス40度を超える極寒のシベリアでは、完全に閉ざされた中で見捨てられた状態で生きているユダヤ人がいます。彼らが味わっている苦しみは、世界各国において実にさまざまです。

BFPは、『救出作戦プロジェクト』をとおして、他のクリスチャン団体と連携し、ユダヤ関連機関とも協力しながら、こうした国々に「フィッシャーマン(漁師)」と呼ばれる働き人を派遣し、ユダヤ人の発見と保護、イスラエルへの帰還を援助しています。ロシアやウクライナでは、地元のクリスチャンの協力が大きな力となっています。

馬車しか交通手段がないような地域でも、ユダヤ人
たちの笑顔を見てフィッシャーマンたちは励まされる

救出作戦を通じて、以下の援助がユダヤ人に送られます。

  • 各国の出国許可証等、パスポートなどの書類作成にかかる費用、そのための交通費
  • イスラエルへ行くまでの食費、光熱費、医療費などの生活費
  • 衣類、医薬品、暖房器具など、必要に応じての品物の支給
  • イスラエルへ出発する空港、港までの交通費

このプログラムをとおして、すでに12,000人を超えるユダヤ人がイスラエルに帰ってきました。さらに、一万人近い人々が帰国を希望して順番待ちのリストに名を連ねています。

前述のハンナさんは、救出作戦の支援を受けたことについて、次のように語っています。「イスラエルに行くことを決意したとき、助けの手を差し伸べてくれたのは、ユダヤ人のこの私を愛してくれるクリスチャンでした。皆さんの助けがなかったら、イスラエルへ行くことなど到底望むことはできませんでした。ありがとう!」

BFPの力だけでは、この大きな働きを成し遂げていくことはもちろん不可能です。今、さらに多くのユダヤ人たちが、餓死や凍死、迫害による生命の危険に遭遇しています。苦しみの中にある彼らのために、神の助けの手として、皆さまの助けの手をこの救出作戦のために差し伸べていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

イスラエル現地も今、大きな苦しみの中にあります。「私がユダヤ人だからこんなことに……」、と、わが身を呪うような、そんな苦しみを味わわずに生きていける日が、一日も早く訪れるよう願ってやみません。すべてのユダヤ人が反ユダヤ主義から守られ、イスラエルに帰ってくることができるように、彼らが安心して暮らせるイスラエルが実現するように、お祈りください。

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