プロジェクトレポート

約束を守られる神

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

「わたしは目の見えない者に、彼らの知らない道を歩ませ、彼らの知らない通り道を行かせる。彼らの前でやみを光に、でこぼこの地を平らにする。これらのことをわたしがして、彼らを見捨てない。」(イザヤ42:16)

イスラエルの通りにはさまざまな言語を話す人々があふれています。テルアビブ北部では、フランス語が聞こえてきます。というのは、フランスからのユダヤ人移民が多く移住しているからです。別の地域では、ロシア語を話す国々の出身者が集まっています。また、他の地域ではスペイン語や英語を話す人々がいます。彼らは皆、神が生きておられ、今日も約束を成就するために積極的に働いておられることの証しとなっています。神は2500年以上も前、預言者を通して約束されたように、世界100カ国以上からイスラエルにユダヤ人を連れ戻しておられます。

2000年近くもの間、ユダヤ人は世界中に散らばっていました。しかし、彼らは決して忘れ去られていませんでした。ヘブライ語で帰還することをアリヤーと言います。文字通りの意味は「上っていく」です。神がユダヤ人を地の四隅から集められると約束された通りに、彼らは故郷に帰っているのです。私たちBFP(ブリッジス・フォー・ピース)は、人類の歴史上かつて前例のなかったこのような出来事の一部を担っていることを光栄に思っています。預言者はまた、私たちの役割についても教えています。

「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。彼らは、あなたの息子たちをふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る。」(イザヤ49:22)

救出作戦によってユダヤ人が帰還しています

オデッサのフィッシャーマンたち

救出作戦プロジェクトが始まって10年以上になりました。ユダヤ人のイスラエルへの帰還を助けるために起こされたこのプロジェクト。世界中のクリスチャンのご支援によって現在までに37,000人以上のユダヤ人がイスラエルに帰還しました。

フィッシャーマンと呼ばれる旧ソ連で活動するスタッフは、さまざまな困難に対処してきました。旧ソ連圏のユダヤ人がイスラエルに移住する決心をすると、しばしば困難に直面します。ユダヤ人であることを証明する書類の作成、ビザを得るために一番近いイスラエル領事館に行って面接を受けること(大抵は数回に及ぶ)、借金の返済、友人や家族との別れ、そして待ちに待ったイスラエルへの出発の日の空港までの道のり。こういった一連のプロセスに何カ月、何年も掛かってしまうこともあります。イスラエルに移住するという夢は、ユダヤ人にとって本当に胸を躍らせるようなことです。しかし、その夢を実現させようとするとき、遅々として進まず、ときには気落ちさせるような経験を通ることもあります。BFPはそのすべての行程をサポートし、彼らを励ましています。主は彼らと共におられると約束されました。そして、主はその約束の成就のために、私たちを用いてくださっています。

2011年7月、モルドバから帰還した
サムエル(右)とエズラのスタッフ

さまざまな困難を通って

サムエルと彼の妻はユダヤ人の家系であることを証明し、約束の地で子どもたちと暮らすために、必要な書類を集め始めました。しかしその間、彼の妻が重い病気になり、亡くなってしまいました。サムエルは落胆しました。妻を失った状況の中で、経済的な問題にも直面しなければなりませんでした。彼らがイスラエルに移住するために蓄えていたお金はすべて、妻の治療費と葬儀に消えていきました。その上、サムエルはがんと診断され、手術と抗がん剤治療を受けることになりました。このような困難に直面しながらも、サムエルはイスラエルに移住することをあきらめず、必要な書類を集め続けました。

ユダヤ機関(世界に離散するユダヤ人をイスラエルへ帰還させる機関)の代理人が『エズラ・インターナショナル』という団体を彼に紹介しました。彼らはBFPの同労者です。エズラのスタッフがサムエルに会い、経済的な援助を約束すると、彼は号泣していました。

「このような経済的な援助をしてくださり、皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。神が皆さんの働きを祝福してくださいますように。」とチームに対してお礼の言葉を贈ってくれました。

サムエルは現在子どもたちとイスラエルに住んでいます。私たちは、主からの慰めと恵み、祝福がサムエル一家にあるように。サムエルが彼を父祖の地に連れ戻してくださった神の誠実さを知ることができるように、また、家族との生活を楽しめるように祈っています。

ウクライナのオデッサから
帰還したジェニヤ

心に歌を携えて

ジェニヤは静かに窓の外を見つめながら、長く幸せな時代を過ごした町に別れを告げました。これが永遠の別れとなり二度と戻ることはないと彼女は知っていました。彼女はウクライナのオデッサにあるユダヤ人家庭に生まれました。両親は下層階級の出身でしたが、とても優しく愛情豊かでした。ジェニヤは昔の思い出を語ってくれました。

「母は歌を口ずさむのが大好きで、たくさんの歌を知っていました。朝、私たちを歌いながら起こしてくれて、夜は歌で寝かし付けてくれました。母は善良で広い心の持ち主でした。困っている人がいれば、いつも、真っ先に助けの手を差し伸べる人でした。皆、母が大好きでした、私も母の影響で歌が大好きです。

私は18歳のとき、素朴で控えめな優しい男性と結婚しました。夫とは52年間生活を共にしました。私たちはとても幸せで、家族の中で争いはほとんどありませんでした。裕福ではなくても、蓄えたお金を使って、家族で休暇を過ごし、旧ソ連の国々を旅行しました。私たちには一人息子のバレリーが与えられました。彼は12年前に、イスラエルに帰還しました。私たちも、帰還について考えていましたが、夫が病気になってしまいました。ひと月前に夫が亡くなりました。私の健康も悪化し、足元がおぼつかなくなりました。それから、時々気を失うようになりました。私は親戚のほとんどを亡くし、今はいとこが一人残っているだけです。息子がイスラエルから来て、私が帰還するのを助けてくれました。自分の力ですべてを準備することはできなかったでしょう。私たちを助けてくれた皆さんに心から感謝します。」

BFPのオデッサでの同労者たちが迎えに行って、ジェニヤを優しく救急車に乗せる手伝いをしました。そして、彼女は飛行機の搭乗口までその救急車で連れて行ってもらいました。現在、彼女は残りの人生をイスラエルで息子と一緒に暮らしています。

神の同労者になる

イエスさまは言われました。「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。」(マタイ25・40)

BFPがサムエルやジェニヤのような人を助けるたびに、私はイエスさまが言われたことを思い出し、私たちは主の兄弟たちを祝福しているのだということに気付かされます。サムエルやジェニヤのような人々が大勢、私たちの助けを必要としています。神はあなたの心に語り掛け、この終わりの時代になされている偉大な働きに、ご自分と共に働いてもらいたいと願っておられます。皆様の尊いご支援とお祈りが、主の兄弟姉妹に希望をもたらしています。

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.