文:ピーター・ファスト(BFP CEO)
戦いが終わりを告げ、人質全員が帰国した今も、
イスラエルの人々はトラウマと闘い続けています。
私たちは、これからも全力で彼らを支えていきます。
イスラエルでは、戦争で亡くなった兵士や市民の写真を各地で掲示していますPhoto by Roded Shlomo Pikiwiki Israelwikimedia.org
「なぜあの日、台所の配管修理なんかしていたんだろう?」。イスラエル国防軍の特殊部隊に所属する親友のドヴ(仮名)は、23年10月7日を振り返り、そう口にしました。
「すぐに自宅を出ていたら、もっと多くの命を救えたかもしれないのに」。首を振りながら語る彼の目には、涙が浮かんでいました。
私はその言葉を聞きながら、親友が背負っている重荷に胸が張り裂けそうでした。
ドヴとの友情は、2年に及んだ戦争を通して築かれたものです。あの恐ろしい「暗黒の安息日」(10月7日テロの呼称)の数週間後、ガザ地区との境界線で彼と出会いました。以来、生き残ったことへの罪悪感と闘う彼の姿をつぶさに見てきました。
ドヴは、国が攻撃を受けた際に呼び出される特殊部隊の一員です。10月7日もドヴは呼び出しを受け、ハマスのテロリストと数時間にわたる死闘を繰り広げながら、ついにノヴァ音楽祭の現場に到着。そこで目にしたのは、地面に散乱するおびただしい数の遺体でした。その場所で虐殺された若者は、実に368人にも及びます。その光景は、どんな残酷なホラー映画でさえ色あせて見えるほどだったといい、彼の人生を永遠に変えてしまいました。
ガザ地区のハマス及びレバノンのヒズボラとの2年にわたる戦いを終えた今、ドヴは疲れ果て、心は傷ついたままです。その瞳には深いトラウマが残り、たとえ笑っている時でもその痛みが伝わってくるほどです。
深刻な心身の傷
10月7日のテロ後、私はスデロット出身のラビ、モシェさんにも出会いました。児童心理学の複数の学位を持つモシェさんは、聡明で思いやりのある方です。ハマスが襲撃する以前、彼は傷ついた子どもたちの心を癒やす仕事に希望を抱いていました。しかし、ガザ周辺の南部キブツ(共同体)での虐殺を生き延びた子どもたち約50人をカウンセリングする中、彼の心を満たしたのは耐え難い痛みでした。子どもたちは、この世の終わりとも思える、想像を絶する光景を目の当たりにしたからです。
モシェさんは涙をこらえてこう語りました。「子どもたちの目を見ても、ぽっかり空いた黒い空洞にしか見えません。ただただ泣きたい気持ちになります」
イスラエルにおけるトラウマの深刻さは、驚くべき規模です。影響を受けた人の総数は、依然として分かっていません。イスラエル国防軍(IDF)は現役の男女兵士を対象に複数のトラウマ調査を実施し、数万人の兵士らが深刻なトラウマを抱えていると推定しました。
10月7日のテロ攻撃で手足を失った生存者は1千人を超え、中にはさらに失明などの障害を負った人もいます。また、ガザ地区で拘束されていた人質本人だけでなく、家族たちも深いトラウマを経験しました。生存する人質全員が帰還するまでの738日間に及んだ苦しみは、今もなお終わっていません。悪夢のような拘束体験が明らかになるたびに、国民の心は再び傷ついているのです。その傷はおそらく完全に癒えることはないでしょう。
イスラエル国家と世界中のユダヤ人コミュニティーと共に立ち上がるクリスチャンたちは、今こそ祈りを強め、沈黙の中で苦しむイスラエル人たちに癒やしをもたらす時です。私が出会った人々の多くは、処方薬なしではもはや眠れず、人生の意味を見失って苦しんでいました。それでも、トラウマと苦痛の中で無数の人々が神に立ち返り、叫び求めているのです。
無条件の愛を表す時
私たちは数十年にわたり、イスラエルとユダヤ人に対する無条件の愛を表明してきました。今こそ、神がそのための特別な扉を開かれたと信じています。私たちが手を取り合い、重要な支援を提供しながら築き上げた関係を通して、最も暗い今こそ主の光が輝いています。
マジュダル・シャムスではメモリアル庭園を建設Photo by Chloe kaltoum/Bridges for Peace
イスラエル北部のマジュダル・シャムスでは、サッカー中にヒズボラのミサイルで命を落とした12人のドゥルーズ派の子どもたちのために、メモリアル庭園を建設。また、バット・ヤムやベエル・シェバでは、イランの弾道ミサイルによって壊滅的な被害を受けた数時間後、住民に水や軽食を配布しました。こうした愛と思いやりの行動を通じて、言葉を超えた深い意味が伝わり、主の光が輝いています。
しかし、やるべきことはまだ山積みです。イスラエルは自国だけでこの重荷を負うことはできません。皆さんの祈りとご支援が必要です。私たちは、主が御名を置かれた地(申12:5)の全土で神の愛を示しながら、人々の人生を変え、傷ついた心を癒やしたいと切望しています。ぜひ「テロ被害者支援」へのご支援をご検討ください。
「すると、その正しい人たちは答えます。『主よ。いつ私たちはあなたが空腹なのを見て食べさせ、渇いているのを見て飲ませて差し上げたでしょうか。いつ、旅人であるのを見て宿を貸し、裸なのを見て着せて差し上げたでしょうか。いつ私たちは、あなたが病気をしたり牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』すると、王は彼らに答えます。『まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。』」(マタ25:37〜40)
10月7日とそれに続く戦争で心身に傷を負った人々へのご支援は、「テロ被害者支援」にお願いいたします。ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。
※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。


















