プロジェクトレポート

劇的に増加する食料需要

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

各国をインフレが襲っています。
日本もその渦の中に巻き込まれていますが、世界でも有数の物価高の国、イスラエルも例外ではありません。
急増する食料需要にどのように対応していったらいいか、私たちも知恵を祈り求めています。

BFPに寄せられる食料支援のリクエストは急増しています
Photo by Jordan Miles/bridgesforpeace.com

ここ数カ月、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)に寄せられる食料支援のリクエストが劇的に増えています。というのも、イスラエルの食料価格が18%も上がっているからです。私たちはそうした必要に応えるため貯蓄をしてきましたが、今やその貯蓄も減り始めています。貯蓄が底を突けば、各国から寄せられる食料支援金が増えない限り、現在と同程度の食料支援を続けることは難しいと言わざるを得ません。

食料価格が今ほど高騰していなかったころは何とか暮らせていた人々も、もはや家族分の食料を確保できなくなっています。現在、イスラエルの貧困率は人口の4分の1です。このうち26万5千人が深刻な栄養不足の状態にあり、同程度の人が中程度の栄養不足に陥っていると言われます。ただし、貧困下にある国民のうち国からの食料支援を受けている人は、わずか3万人です。BFPは毎月2万4千人に食料支援を行っていますが、ニーズはそれをはるかに上回ります。

キリヤット・マラキ

イスラエルの中央に位置する小都市キリヤット・マラキ(天使の町)。BFPは、そこに住む50世帯にも支援を送っています。食料は福祉団体を通じ、最も支援を必要としている人々に配給されます。ここで住民たちの証しを幾つかご紹介します。

ある母親の物語

「私は4人の子を持つシングルマザーです。国からの手当をもらいながら生活していますが、額が少ないため、老朽化したアパートの家賃にも足りません。このような経済状況で家族を養うのはかなり大変です。

ですから、BFPから食料支援を受けられることは、私たちにとって本当に大きな助けなのです。浮いたお金を使って、子どもたちのために他の食品、例えば乳製品や野菜、お肉などを購入することができています。BFPからの食料支援があるおかげで、我が家の経済的な負担は軽くなったと言えます。私のような境遇にある女性は、わずか1シェケル(日本円にして約40円)を使うにも慎重に計算するほどですから、ご支援は本当にありがたいです!」

ある年配の女性の物語

「私は現在80歳で、国からの老齢年金が唯一の収入源です。正直、これだけで生活していくのはとても難しいです。でも、BFPから、私が暮らすコミュニティーに食料が送られてくるおかげで、私のように経済的に困っている人間は本当に助かっています。食料袋には『この食料はBFPのクリスチャンたちから送られた物です』と書かれてあるんですよ。食料支援を受けられるようになって、他に必要な日用品を購入できるようにもなりました。BFPの支援者の皆さんには心から感謝しています」

ソーシャルワーカーのコメント

「皆さんからの食料支援を必要とする生活困窮者が増えています。誰かが自分のことを気に掛けてくれるというのはうれしいものです。支援を受けている方々も喜んでいます。私たちも、皆さんの存在と、私たちの町キリヤット・マラキにお送りくださる支援に感謝の思いでいっぱいです」

世界を襲うインフレ

配布する食料をパッキングするBFPボランティアたち
Photo by Daniel Kirchhevel/bridgesforpeace.com

皆さんもまた、物価の高騰を経験していることでしょう。私たちはそれぞれに困難を通過していますが、そのような中でもご支援を続けてくださる皆さんに感謝が尽きません。

北アメリカでは10月と11月、神が食事を備えてくださることに感謝をお捧げします(カナダの感謝祭は10月10日、アメリカの感謝祭は11月24日)。豊かな食卓を楽しむ時、どうかイエスさまの地上の家族が食料難に苦しんでいることを思い出してください。イエスさまは、飢えに苦しむ人々に食べ物を分け与えるようにと言われました。「まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです」(マタ25:40

先に登場した、4人の子を持つシングルマザーは、たとえ1シェケル(日本円にして約40円)であっても慎重に使っていることを打ち明けてくださいました。老齢年金だけで暮らす80代の女性は、イエスさまの家族の一員です。イエスさまは、彼らに対する私たちの支援を、ご自身に対する贈り物として受け入れてくださいます。そのことを知る時、私は笑顔になります。しかし、資金が不足し、多くの人を助けることができない時には悲しくなります。

ご支援の大小は関係ありません。ニーズはますます増大しています。どうか、イスラエルの貧しい人々のためにご支援をよろしくお願いします。

「食料支援」へのご支援方法は、下記「食料配布」のバナーよりリンク先をご覧ください。
※銀行口座へ送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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