プロジェクトレポート

救出

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

イスラエルではこの時期、過ぎ越しの祭りが行われます(今年は3月28日〜4月3日)。
神はその昔、驚くべき方法によってイスラエルの民を救出されました。
その特別な出来事を祝う祭りに際し、BFPでは特別な支援を計画しています。

左:Photo by Jenna Solomon/bridgesforpeace.com
右:Photo by Brenda Groat/bridgesforpeace.com

ほぼすべてのユダヤ人にとって一年で最も重要な休日、それが過ぎ越しの祭り(ぺサハ)です。この祭りは、エジプトで奴隷状態だったイスラエルの子らを神が救出されたことを記念したものです。8日間にわたって行われ、セデルと呼ばれる素晴らしい食事の儀式から始まります。神が聖書で命じられているように、食事をしながら出エジプトの物語を追体験するのです。

それは、彼らをエジプトの地から導き出すために、主が寝ずの番をされた夜であった。それでこの夜、イスラエルの子らはみな、代々にわたり、主のために寝ずの番をするのである」(出12:42

クリスチャンである私たちにとってもこの祭りは重要です。いわゆる最後の晩餐(ばんさん)も過ぎ越しの食事でした。使徒パウロも、この過ぎ越しの食事を続けるように勧めています。「ですから、古いパン種を用いたり、悪意と邪悪のパン種を用いたりしないで、誠実と真実の種なしパンで祭りをしようではありませんか」(Ⅰコリ5:8

イスラエルでは昨年、過ぎ越しの祭りのさなかにロックダウン(都市封鎖)となりました。本来であれば、イスラエル人はこの日家族や友人に囲まれ、共に過ぎ越しを祝う楽しい夜を過ごすはずでした。ところが、多くの人々、とりわけ高齢者にとっては、つらく孤独な祭り期間となってしまいました。今年は、もしかしたら家族でいっしょに集まり、過ぎ越しの祭りを祝えるかもしれない、というかすかな希望があります。

悲しいことに、新型コロナウイルスの大流行によって多くの人々が経済苦に陥っています。イスラエルでは、失業率が史上最高を記録しました。もともと中産階級以下だった人々は、過ぎ越しの祭りを祝う費用を捻出する余裕がありません。このように、貧困下で暮らす家族が増え続けているのが現状です。

救いの神

Photo by Jenna Solomon/bridgesforpeace.com

最も重要な祭日がやって来るというのに、それを祝う余裕さえない…。それがどういう状況であるか、ぜひ想像してみていただきたいのです。アメリカでは感謝祭やクリスマスを前にすると、クリスチャンが貧困家庭に食べ物を差し上げるのが一般的です。私たちはクリスチャンとして、イスラエルの人々に神の愛と思いやりを示すよう召されました。そうであるなら、ペサハを前にした今、私たちがお仕えする人々に追加の食料を差し上げることは神の御心ではないだろうか、と私たちは信じるに至りました。追加の食料には、ペサハ用の特別な食事も含まれています。

ぜひ想像してみてください。神は、彼らに対する特別な救出、すなわち貧困からの救出をもたらすため、私たちを招いておられるのではないでしょうか。エジプトにいたイスラエルの子らは奴隷制度から解放され、自由の身になりました。今私たちは彼らの子孫に対し、ペサハを祝い、主をあがめる自由をもたらしたい、と願っています。

ホロコースト生存者1,000人を追加支援!

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)では毎月、ホロコースト生存者を支援しています。悲しみに悲しみを経験してきた高齢者(75歳以上)の方々は、本当に尊い存在です。そんな彼らが現在直面している暗闇に、私たちは光をもたらすチャンスが与えられているのです。定期的な支援に加えて、今年はさらに1,000人のホロコースト生存者の方々を支援させていただこうと計画中です。

私たちの忠実なチームメンバーの1人、ダニエル・カークベルは、厳しかった昨年も年間を通じてホロコースト生存者を支援してきました。彼の証しをご紹介します。

「ホロコースト生存者の方々は、都市封鎖という新たな状況にうまく適応できず、寂しさと孤独に打ちのめされています。私たちは彼らの元を訪れる理由をつくり出し、追加の贈り物を持参して彼らの一日を明るく照らそうと最善の努力を重ねてきました。例えば、先週あるご婦人が誕生日を迎えました。その日私は、いつも皆さんにお渡ししている誕生日バスケットの他に、お花と食べ物を持って訪ねました。お花を受け取った彼女は、何と幸せそうだったことでしょう! 私がその場を立ち去ろうとした時、彼女がドアを閉めながらヘブライ語でこう言っているのが聞こえました。『私がどんなにこの訪問を喜んでいるか、きっと想像もつかないでしょう』」

新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、イスラエルでも自宅待機を余儀なくされました。特に困難な時を過ごしているのが、虚弱な高齢者の方々です。コロナに感染して死に至ることを恐れ、自宅に引きこもり、スーパーや薬局に行くことさえ控えておられます。高齢者は感染リスクが高いと言われているため、子どもや孫たちが訪問することさえタブー視されているのです。彼らにとっては、終わりの見えない、荒涼とした孤独な日々が続いています。その多くはホロコースト生存者です。貧困下で暮らしている人も多く、基本的な生活必需品を買いだめしておく手段もありません。空っぽの食器棚を前に、目の前に広がるのは不確実さだけです。

支援の手

親愛なるクリスチャンの友人である皆様のおかげで、ユダヤ人の友人に愛を込めて手を差し伸べ続けることができることを感謝します。皆様の尊い贈り物は、私たちが何千人もの人々に食料を提供することを可能にします。そして、今年の過ぎ越しの祭りは、彼らにとってきっと思い出深いものになると私たちは確信しています。

皆様の幸せをお祈りしています。

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