プロジェクトレポート

光は闇に 打ち勝つ

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

ユダヤ人が、「ユダヤ人である」がゆえに大きな身の危険にさらされる時代が再び訪れています。クリスチャンがユダヤ人の友となることで、過去の彼らへの無関心を修正し、和解を前進させることができます。

パリでのイスラム過激派によるテロの被害者を覚え、集まる追悼者たち Anky/Shutterstock.com

2015年1月に起きたフランス、シャルリー・エブド社およびユダヤ系スーパーマーケットでのテロの余波を受けて、イスラエルのインターネットニュース、Yネットが「勢いづく闇の勢力」と題し記事を掲載しました。その記事の一行目には「イスラム過激派がますます力を付けてきており、自由社会はそれに対処できていない。テロに降伏することも、保守的になることもその対策にはなりえない」と書かれていました。

総勢17人(そのうち5人はユダヤ人)が殺害されたテロに対し、ネタニヤフ首相は以下のような声明を発表しました。「パリで起きた一連のテロ攻撃は、自由社会に対するイスラム過激派の戦争であり、西側諸国、現代社会、穏健派アラブ諸国やイスラム社会全体に対する挑戦だ。これは世界全体に憎しみ、狂信、殺人といったテロの波が高まっていることの現れである。中東で基盤を築いたテロリズムは、今や世界にその触手を伸ばそうとしている。迅速に対応しなければテロリズムはさらに勢いづき、ますます暴力が世界を侵食していくことだろう。」

各国首脳がフランス国民と団結し、パリでの行進に加わった様子は世界中に配信されました。またフランスのマニュエル・ヴァルス首相は、イスラム過激派に対して宣戦布告をし、次のように述べました。「自由を守るためにジャーナリストは殺害され、国民を守るために警官は殺害され、ユダヤ人であるためにユダヤ人は殺害された。」多くの人が第二次世界大戦中、ヨーロッパを席巻した暗闇を思い出し、再び自由社会が脅かされるのではないかと恐れています。

この出来事はフランスやヨーロッパに限らず、世界への警鐘です。こうした危機を認識していたのがイスラエルです。いつもテロと背中合わせで息つく暇がないのが実情だからです。イスラエルは常に反イスラエル、反ユダヤ主義、テロと戦ってきました。ナチスが扇動した反ユダヤ主義により世界の1/3のユダヤ人が虐殺された70年前の出来事を、ユダヤ人は決して忘れることがありません。ナチスを駆り立てたのと同じ悪が、今やイスラム過激主義者を駆り立てているのです。

正しいことをしましょう

パリで行われた大規模な反テロ行進に
参加する世界のリーダーたち ©Ashernet

ブリッジス・フォー・ピース(BFP)のコア・バリュー(中心的な価値観)の一つに「世界の反ユダヤ主義と戦い、神がイスラエルを通して果たそうとしておられる計画の推進に努める」というものがあります。

神はユダヤ人の祖国としてイスラエルを備えられました。イスラエルのリーダーたちも即座にフランスにいるユダヤ人に帰還を勧め、50万人強の在仏ユダヤ人の多くが既に帰還手続に入っています。

ユダヤ機関の議長、ナタン・シャランスキー氏によると、2月のある一週間だけで、帰還手続についての問い合わせが5万件ほどあったということです。

ロシア語、ウクライナ語、フランス語、スペイン語、英語、アフリカーンス(南アフリカやナミビアなどで使われる言葉)、オランダ語など、さまざまな言語を話すユダヤ人たちが世界中から帰還しています。失われた部族と言われるマナセ族の末裔(まつえい)ブネイ・メナシェも帰還しています。こうした帰還者の中にはいろいろな人がいます。裕福な人、貧しい人、若者、年配者、喜びいっぱいの人も不安な人も、学歴のある人もない人も、さまざまです。ただそんな彼らに一つだけ共通点があります。それは皆ユダヤ人であり、アブラハム、イサク、ヤコブの息子・娘たちであること。またその事実ゆえに攻撃対象となっている、ということです。彼らは皆、何世紀にもわたり、何かしら反ユダヤ主義を体験してきているのです。

第二次世界大戦中、多くのクリスチャンが命懸けでユダヤ人を助けました。エルサレムにあるヤド・ヴァシェム・ホロコースト記念館では「正義の人々の並木道」という木立の中を歩くことができます。それぞれ木の下にはユダヤ人を助けるため、身の危険を顧みなかった個人や家族の名前が刻まれています。今、この時もまた同様に、勇気を持って歩み出し、神さまに用いていただく時です。この暗闇の時、神さまは私たち一人ひとりに任務を課しておられます。神の光は、私たちクリスチャンを通して闇夜を照らすため輝きを放つのです。光を放つ準備はできていますか。このような時代に義の働きをしようではありませんか。神さまの御計画の前進のために、踏み出しましょう。

小さな光を輝かせましょう

「自分にいったい何ができるだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし何事も始めてみなければ分かりません。BFPでは「一人では小さな光かもしれない」という方々が何千人も集まることによって、およそ5万人近くのユダヤ人の救出を助けました。その救出されたユダヤ人たちは、今、イスラエルで暮らしています。私たちBFPは愛と光、そしてウェルカムギフトをもって歓迎しました。新移民たちに食料支援をし、今でも毎月2万8千人ほどを支援しています。主はこのように言われています。

帰還するブネイ・メナシェ
©MichaelFreund/shavei.org

「万軍の主はこう仰せられる『見よ。わたしは、わたしの民を日の出る地と日の入る地から救い、彼らを連れ帰り、エルサレムの中に住ませる。このとき、彼らはわたしの民となり、わたしは真実と正義をもって彼らの神となる。』
万軍の主はこう仰せられる。『勇気を出せ。…ユダの家よ。イスラエルの家よ。あなたがたは諸国の民の間でのろいとなったが、そのように、わたしはあなたがたを救って、祝福とならせる。恐れるな。勇気を出せ。』」(ゼカリヤ8:7-13)

どうぞ帰還するユダヤ人たちが主の備えられた地に根を下ろすことができるよう、助け、歓迎し、食料支援ができるようにご支援ください。この時代、暗闇をはねのけるためにできることをしましょう。主は働いておられます。共に働きましょう。

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