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被災地巡回レポート

南三陸町に誕生した教会 ~一人のたましいを大切に~

TEXT.光塩(みつしお)キリスト教会牧師 川上 優祐(かわかみ ゆうすけ)

東日本大震災の被災地、宮城県の南三陸町。震災以来、BFPでも祈り続け、支援を重ねてきたこの地に2017年1月、光塩キリスト教会が建てられました。牧師を務める川上優祐師が、これまでの歩みを証ししてくださいました。

光塩キリスト教会の皆さん

東日本大震災から3日後の2011年3月14日、私は韓国の緊急救護活動チームのメンバーとして、初めて南三陸町を訪れました。それから何年が経っても南三陸町は心から消えず、津波で被災した住民たちが集まっていた総合体育館「ベイサイドアリーナ」は心に鮮明に刻まれていました。

主が与えてくださった思いだったのでしょう。その後、一人で何度も南三陸町を訪れるたびに幸せな気持ちになりました。神さまの恵みにより2016年、私は愛する家族と共に南三陸町志津川に移住してきました。17年1月15日には、そのベイサイドアリーナの会議室を借りて最初の礼拝を捧げることができました。

この体育館は、家族や友人の生死を確認した場所でもあり、多くの方の悲しみと喜びが混じり合った場所です。しかし、悲しみを賛美に、涙を喜びに変えてくださる神さまは、礼拝を通して住民たちの苦しみや悲しみを慰め、永遠の命と恵みを与えてくださると信じました。

そのような信仰をもって「光塩(みつしお)キリスト教会」の名前でアリーナの利用申請をしました。公共施設のため教会名では断られるという意見もありましたが、神さまの恵みによりこれまで何の制約もなく礼拝を捧げることができています。大きなイベントがあって利用できない日には、神さまが備えてくださった他の場所で自由に賛美を歌い、礼拝を捧げ、楽しい交わりの時をもっています。

クリスチャンたちの献身が実を結ぶ

最初の礼拝に参加された地元住民の方は四人。教会に来たことも聖書を読んだこともない方々でした。感謝なことにこの四人のうち三人が、今も礼拝に参加しています。そのうちの一人は、第1回目の礼拝で祝辞を頂いた行政区の区長さんです。「自分が教会の礼拝に参加するようになるとは思わなかった」と言いながら、礼拝に参加しておられます。

礼拝の様子

開拓当初は誰も礼拝に来なかった日もありました。この寂しい時期に、神さまは信仰を持つ二人の礼拝者を送ってくださいました。彼らは現在、他の地域に移ったため礼拝に来ることはできませんが、この方々の励ましのおかげで、今は約15〜20名ほどが集まって礼拝するまでになりました。残念ですが、そのうちの一人は難病で現在闘病中です。被災地のために力を尽くしてきたその方の上に、癒やしの恵みがあるようにお祈りしています。

住民の方が一人、二人と礼拝に来るたびに悟ることがあります。それは、これまでこの被災地を支援し、福音の種まきをしてきた多くのクリスチャンたちの献身が実を結んでいるということです。震災後、イエスさまの心をもって住民たちに仕え、その愛を伝えてきた各地の牧会者と真実な神の働き人たちのおかげで、住民の心が開かれています。彼らの心にまかれた福音の種は徐々に芽を出しています。

2017年5月からは月1回のハイナイトの祈り会もスタートしました。この地域のために献身してこられた中澤竜生先生ご夫妻(キリスト聖協団・西仙台教会)と共に、イスラエルのため、日本のために祈っています。

住民一人ひとりが家族

少し前から、あるご家族が礼拝に参加し始めました。このご家族は「新しく引っ越した自宅で、キリスト教の神さまに祈りを捧げたい」と言われました。そこで教会から、十字架とみことばフレームを置いた祈りの机を贈りました。このすべては神さまの御業であり、この地域にまかれた祈りと献身が、少しずつ実を結んでいる証拠です。

神さまの恵みにより、教会は少しずつ安定し、礼拝に参加する人数も増えました。恥ずかしいことですが、礼拝者の人数が増えるにつれて人数に集中してしまい、一人のたましいの大切さを少し見失っていました。しかし、神さまが黙っておられるはずがありません。初心を失った私を戒め、「一人のたましいのために涙をもって祈りなさい。一人のたましいに家族のように仕えなさい」という心を与えてくださいました。この教えを心に刻み、これからも光塩キリスト教会は住民一人ひとりを家族と考え、祈りと涙をもって仕えていきたいと思います。

光塩キリスト教会は、津波の被害を受けた南三陸町の住民たちに、真の慰めと永遠の命を与えるために神さまが建てられた教会です。また、多くのクリスチャンの献身と奉仕によって実を結んでいる教会です。これからも「霊とまことによる礼拝」を捧げ、一人のたましいを主に導く教会になれるよう引き続きお祈りくだされば幸いです。

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