ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 116 第59回 イスラエル独立記念日
4月23日、イスラエルは59回目の独立記念日を迎えました。様々な戦争、テロを乗り越えて人口は年々増え続け、今年715万人となりました。
前日22日、嘆きの壁広場では、戦没者、テロ被害者を覚える記念式典がおこなわれました。独立記念日当日には、花火とともに盛大な祝賀式典が催されました。この日は、国民の祝日。人々はバーベキューなどアウトドアを楽しみました。
イスラエルの再建、存続をささえてくださった主のみわざを覚え、賛美しましょう。
ああ、イスラエルの救いがシオンから来るように。
主が御民の繁栄を元どおりにされるとき、
ヤコブは楽しめ。
イスラエルは喜べ。(詩篇14:7)
4月23日はメモリアル・デー(戦没者記念日)でした。
最初にエルサレム郊外にユダヤ人居住区ができてから、現在までの戦没者名簿に載せられた人は22,305人。昨年だけで233人の新しい名前が名簿に書き加えられました。うち119人は昨年の第二次レバノン戦争の戦死者です。昨年中の市民の犠牲者は66人。うち57人がロケット弾などで亡くなった人たちです。
ヘルツェルの丘にある戦没者墓地では、18日からひとつひとつの墓に小さなイスラエルの国旗が立てられました。アシュケナージ参謀総長も、一番新しく葬られた兵士の墓に国旗を立てて敬意を表しました。ヘルツェルの丘はじめ、全国の戦没者墓地でも同様に、それぞれの墓碑に小さなイスラエルの旗が立てられました。全国の花屋さんから60万本の花が献花されました。
メモリアル・デー前日にあたる22日午後8時、嘆きの壁広場では、国防軍兵士たちが整然と並び、記念式典が行われました。カンター(賛美するラビ)によって、神に祈りが歌い上げられました。毎年、戦死者家族、テロ被害者家族が招かれますが、今年はテロ被害者家族49人が出席をボイコットしました。オルメルト首相が、拉致兵士返還のために、凶悪なテロリストを釈放しようとしている事への抗議です。このような式典は全国43か所の戦没者墓地でも行われました。ハイファでは、人々が黙祷しているときに近隣のアラブ人が爆竹をならしたり、花火を打ち上げたりと問題になりました。
メモリアル・デー当日の23日午前11時、イスラエルでは全国で一斉にサイレンが鳴りひびきました。サイレンが鳴ると走っていた車も止まり、人々は下車して2分間黙祷をささげました。
西岸地区では、テロリスト掃討作戦が続いています。ジェニンでは大物テロリストとして指名手配されていた3人のパレスチナ人がイスラエル国防軍によって殺害されました。
一方、ハマスは、スデロットに7発のカチューシャ・ロケットを打ち込んできました。幸いけが人はありませんでしたが、建物に被害が出ました。ハマスは、停戦の終わりを宣言しており、イスラエル政府は報復を視野に緊急の治安会議に入りました。
27日のハアレツによると、シリアが北部国境から攻めてくる可能性が高いとして、イスラエル軍が数千人規模の演習をゴラン高原で行いました。今回本物のメルカバ戦車が演習に用いられており、緊迫した状況が伝えられています。
アメリカのバージニア工科大学で32人が銃殺された事件。この大学で20年間教鞭をとっていたルーマニア系イスラエル人のリブリスク教授が犠牲となってしまいました。教授は身をもってドアの前に立ちはだかり、学生たちに窓から逃げるよう指示しました。学生たちは助かりましたが、教授自身は犯人の銃撃の犠牲となりました。
リブリスク教授は76才。第二次世界大戦中はルーマニアでホロコーストを経験しています。イスラエルでメモリアル・デーが行われている日の惨事でした。
メモリアル・デーが終わって日没になると、かわって盛大な独立記念式典が行われました。聖火に火がともされ花火が打ち上げられました。休職中のカツァブ大統領に代わって、大統領代行のダリア・イツィク氏がスピーチを行いました。イツィク氏はアラブ側住民に、武器ではなく教育の道具を手に取るように訴えました。
大統領官邸では、最も活躍した兵士として工兵部隊の21才のヨアブ・ネボ兵士がイツイク氏から表彰を受けました。オルメルト首相は、スピーチの中で、この先数年はまだ危険なことが起こると予想されるが、危機は好機に変えられると語りました。
イスラエル南部の都市、スデロットではガザからのカチューシャ・ロケット攻撃が続いていましたが、同様の独立の記念式典は予定通り行われました。
独立記念日は晴天で、人々はバーベキューのほか、国立公園でのハイキングなどを楽しみました。
最近、撤退を余儀なくされた西岸地区サマリア北部の町ホメッシュの住民が、国防軍の警告に反してもとの居住区を訪れました。そこでピクニックをし、夕刻には立ち去りました。
今年も恒例の聖書クイズが行われました。17才のイシバ(ユダヤ教神学校)学生の青年が優勝。彼には大学入学の奨学金が贈られました。
独立59回目を迎えるイスラエルの総人口は、昨年より1.8%(12万1000人)増えて715万人となりました。新生児は148,000人、新しく移住した人は18,400人でした。
総人口715万人のうち、ユダヤ人は541万5000人、アラブ人(ドルーズ族含む)は142万5000人で、イスラエル人口の20%となっています。
ある調査団体によると、47%の人が、「次に生まれるならイスラエル以外の国で」と考えている事がわかりました。
4月に行われた、イスラエルのユダヤ人500人を対象にした調査によると、裕福なイスラエル生まれのユダヤ人では60%がアメリカやカナダ、スイスなどに生まれたいと答えました。貧困者では58%が次はイスラエル以外の国に生まれたいと答えました。
80%の移住者が、イスラエルを故郷であると感じていると答えました。旧ソ連からの移住者のうち70%が自分はロシア人というよりは、イスラエル人であると感じていると答えました。
残りの30%のうち、2%が自分はクリスチャンであると答えました。72%は、もう一度チャンスがあるとしたら、やはりイスラエルに来ると答えました。(エルサレム・ポスト 4月23日記事より)
現職のヒルチソン経済相の汚職疑惑が濃厚になりました。教育関係団体からの1000万シェケルに上る資金を横領していた疑いがかかっています。ヒルチソン氏は、疑いがかかったまま経済相の立場にたっていることはできないとして、休職に入りました。処分が決まるまでオルメルト首相が経済相を兼任することになります。
また公共事業担当大臣のリーバーマン氏も、ロシア系会社から50万ドルに及ぶ資金をキプロスの個人の銀行にふりこませていた疑いで取り調べを受けています。
4月15日、イランのテレビ番組「アル・カウサー」のインタビューの中で、ヒズボラ副総長のナイム・カセム氏がヒズボラとイランとの関係を語りました。
自爆テロ、ロケット攻撃などイスラエル市民に対する攻撃を行う際には、かならず事前にテヘランの霊的指導者の許可をとっているということです。カセム氏は下記のように語りました。
「ジハード(聖戦)を実行するにあたっては何が許され、何が禁じられているかをまず知っておかなければならない。宗教的指導者から許可が下りない限り、攻撃を実行に移すことはない。昨年夏のロケット攻撃についても、霊的な権威の許可が必要だった」
これは、イランの霊的指導者はテロを奨励することも禁止することもできる立場にあるということを示しています。
ヒズボラだけでなく、ハマス、イスラム聖戦もイランから、資金援助、訓練、武器の供与などを受けているといわれています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
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