ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 114 過越 2007
今年も過越の祭りとなりました(4月3-9日)。主にあるあがないと解放を祝います。この時期イスラエルでは様々な伝道集会が行われています。
過越は、家族が集まる大型連休です。拉致兵士とその家族、家族のない移民者、また撤退政策で家を失った人々などを覚えてとりなしましょう。
17日、パレスチナでは、ハマスを含んだ統一政府が正式に発足しました。ヨーロッパ諸国は容認の方向にあります。28~29日、アラブ・サミットが開かれ、イスラエルに圧力がかかっています。
今週、過越でイスラエル人は主を見上げます。彼らの目が開かれるように、彼らが主に立ち返って救いを見ることができるようにとりなしましょう。
主に購われた者たちは帰ってくる。
彼らは喜び歌いながらシオンにはいり、
その頭にはとこしえの喜びをいただく。
楽しみと喜びがついて来、
悲しみと嘆きは逃げ去る。(イザヤ35:10)
過越は、レビ記23章にしるされた出エジプトを記念する例祭です。太陰暦を使うユダヤ教によると、今年は4月3日の日没後が過越の夜で、ユダヤ人家庭では「セダー」と呼ばれる夕食の時を持ちます。翌日からは「種なしパン」の祭りとなり、9日までが過越し(ペサハ)の期間となります。
過越(ペサハ)は、主が子羊の血によってイスラエル人を区別し、エジプトへの隷属から解放してくださったことを祝う例祭です。従って「あがないの祭り」ともよばれます。
過越があるのは1年の始まり「ニサンの月」。タルムード(ユダヤ教の聖書注解)によると、アブラハム、イサク、ヤコブはニサンの月に生まれ、死んだとされています。また、ニサンの月は代々王が出ると言われるユダ族に割り当てられた月です。日本で言えばお正月のように大切にされている行事ということになります。
イスラエルでは大型連休になるため、官公庁はじめ多くの企業や店舗が休みになります。交通機関も休日ダイヤとなり、移動しにくくなります。世俗的なイスラエル人の中には、連休を利用して海外へ旅行する人も少なくありません。
ペサハ期間中は「種なしパン」を食べることになっています。あがなわれた後に食べるパンですから、これは「罪なし生活」をさしているとも言えます。従ってユダヤ人はペサハが始まる前には、まず家の大掃除をします。掃除をするとともに、「ハメツ」と呼ばれる「種ありの食材やそれらに触れたもの」を家から取り除きます。冷凍室に入っているパンなどは御法度ということになります。
ペサハ前日には象徴的に、ろうそくをともして家の隅々を見て回り、「ハメツ」がないアとを宣言します。私たちもまず、自分自身の中に罪がかくれていないか検証し、イエス・キリストの赦しを確信しましょう。そしてイスラエルの課題のためにとりなすものなります。
* 「ハメツ」・・・イースト菌などでふくらましたパンや小麦粉。イースト菌を使わなくても小麦粉などの粉は水にふれると18分後にはふくらみはじめます。パンだけでなく、パンになりうる粉類や、粉のついたものすべてが「ハメツ」とみなされます。ペサハ期間中にスーパーマーケットに行くと、パンの棚はからっぽ。また小麦粉などの粉も姿を消しています。
戦後生まれの人々に育てられた若者がイスラエルに生まれてきています。彼らの多くがユダヤの伝統から離れているだけでなく、世界の若者たちと同じような罪と誘惑の世界に生きています。イスラエルの26の都市で行われた調査によると、夜に徘徊している若者が3万人以上います。うち1万人がホームレス。
これは2006年のデータですが前年に比べて10%も増加しています。夜間に徘徊するユース(10~20代前半)の73%は男子です。5年前までは女子はほとんどいませんでしたが、今は女子が増えてきています。ユースの4分の1にあたる80万人が、犯罪に巻き込まれるリスクがあると見られています。
補導されたユースの21%が旧ソ連からの若者で、イスラエル生まれの若者の2倍にあたります。政府は2億シェケル(約2000万円)の予算を若者対策に計上しています。
イスラエルで伝道している人によると「・・・イスラエルの若者(高校生)は福音に対しあまり興味をもちません。彼らの頭の中は、期末試験、セックス、運転免許取得、そして避けられない兵役の事でいっぱいです。世界の国々と同様に、彼らは麻薬やオカルトに走ります。ニューエイジのフェスティバルには何万人もの若者が集い、東洋の霊的なことに熱中しています。」ということです。
兵役は救われた若者にとっても大きなハードルとなります。高校卒業後、初めて経験する兵役で実戦の最前線に立たされます。信仰を失うか、強くされるかのどちらかです。ある兄弟はレバノン戦争の時、戦車部隊の司令官でした。彼は戦闘前に、部下たち全員を主への祈りに導きました。兵役が終わると、彼は献身し、現在ユースリーダーとなっています。
イスラエルでは、若者の間に福音を伝えようとする運動が進められています。毎年12月のハヌカに行われる「ハカツィール(収穫)」と称される集会の他、今年1月には、ハイファのナイトクラブを貸し切って全国から300人の救われた若者たちが結集し、賛美と祈りの集会を持ちました。
時々お伝えしている売春女性へのミニストリー。現在5名が売春から救い出され、聖書の学びをしています。彼女たちの癒しと救いの確信のためにお祈り下さい。また北部の麻薬回復を行っているミニストリーでも新しく5人がバプテスマを受けたということです。
昨年拉致された3人の兵士たちがまだ解放されていません。イスラエルのチーフ・ラビがペサハに彼らの解放を覚えて祈るよう国民に呼びかけました。その内容は次の通りです。
使用するみことば:詩篇121,124
「私たちの主、私たちの父祖の神、主。今読み上げた詩篇があなたのみこころでありますように。私たちがダビデ王のようにあなたのご好意を得ることができますように。あなたの御名のゆえに、私たちの祈りと願いがあなたの哀れみを持って受け入れられますように。あなたの愛と哀れみがとらえられている兵士たちの上にありますように。
エフード・ゴールドワッサー(31) 結婚して10ヶ月目に拉致
エルダッド・レゲブ(26)
ギラッド・シャリート(20)
ガイ・ヒューバー
ゼカリヤ・バウメル
ヤクティエルカッツ
ツビィ・ピナ
バティア・アラッド
あわれみをもってあなたの民イスラエルのすべてのとらわれ人を解放してください。あなたは、とらわれ人を奴隷から解放し、圧力からあがなわれるお方です。あなたは暗闇にいる者を光へと導き、身も心も癒されるお方です。彼らによろこびと、祝福を与えてください。彼らが強く、健康でありますように。
あなたを仰ぎ祈っている全国の民の祈りを聞いてくださり、イスラエルを守ってくださいますように。(次のみことばをもって拉致された兵士たちのために信じて、祈ってください。)
主に贖われた者たちは帰ってくる。彼らは喜び歌いながらシオンに入り、その頭にはとこしえの喜びをいただく。楽しみと喜びがついて来、悲しみと嘆きとは逃げ去る。(イザヤ35:10)
戦場にはペサハ期間中も、イスラエルの警護にあたっている部隊がいます。彼らの守りと祝福のために、背後で祈る家族たちのためにとりなしましょう。
2005年、イスラエル政府はガザからの撤退を実行しました。その後、西岸地区において無認可で開拓しているユダヤ人の撤退を実行してきました。3月28日、サマリヤ近郊のホメッシュにいるユダヤ人を撤退させました。正統派ユダヤ教徒の住人が抵抗しましたが、けが人もなく数時間で撤退は完了しました。
グッシュ・カチーフ(ガザ)から撤退した1400家族は、現在イスラエルの26地域に住んでいます。2005年夏にガザから撤退した人々と政府との交渉が膠着したままとなり、ほとんどの家族が定着した家に住むことができていません。26地域のうち交渉が続いているのは6地域だけです。
交渉が膠着しているのは、移住者と受け入れ地域の条件など様々なことを交渉しなければならず、しかも地域によって条件が違っているため、全国レベルで公正な条件を決めることができないのです。
キャンピング・カーのようなトレイラーに住んでいる人もいます。トレイラーの人が定住家屋に住む可能性は全くたっていません。
撤退者の失業率も37%と依然高く(全国の失業率は7.4%と改善方向)、特に50才以上の人は求職活動すらやめてしまっています。グッシュ・カチーフの住人の30%は農業経営者で、400種類の農企業がありました。撤退後は33企業が回復しただけになっています。
政府の約束した保証金を満額で受け取れた人は30%似すぎません。500家族は、福祉団体の支援を受けています。この件に関してはまさに「座礁」状態であり、状況が長引くにつれて、撤退者の精神面への影響が懸念されています。
3月17日朝、パレスチナ自治政府の統一内閣が発足しました。25人の大臣のうち、12人はハマス出身、6人はファタハ、3人は無所属、4人は左翼となっています。ハマスの数は多いですが、ハニエ首相を除いてはファタハが重要ポストをしめています。
内戦状態にあったパレスチナ側ですが、これでとりあえずの平穏を保った形になります。アッバス議長はイスラエルに和平交渉に戻るように呼びかけました。
イスラエル政府の分析によると新しい内閣の基本方針は下記のようにまとめられます。
3月18日、この基本方針に対し、イスラエル政府は下記のような対策を出しました。
イスラム諸国22国からなるアラブ・サミットがサウジアラビアのリヤドで、28~29日開催されました(イランはペルシャなので含まれていない)。このサミットにはアッバス議長と、ハマスのハニヤ首相も参加しました。
サミットでは、もしイスラエルが1967年の六日戦争以前の国境線まで撤退したら、イスラエルを認めると、独自の和平条項を打ち出しました。この提案は2002年に、サウジアラビアから出されていたものが復活したものです。提案によると、パレスチナは東エルサレムを首都とする国とされています。
ハマスは、イスラエルを認めないこと、従ってアラブ・サミットの条項には同意できないことを改めて表明しました。サウジアラビアのファイサル外相は、「もしイスラエルがアラブ側の申し出を受け入れないならば、戦争を意味する。」と発言しました。
ハマスがかたくなにイスラエルの生存権を拒絶していますが、先週6発のカッサムロケットがガザからイスラエル領内へ打ち込まれました。幸い負傷者は出ませんでしたが、イスラエル軍が、昨年11月以来の停戦を破って、ガザ内部に報復攻撃を行いました。
ガザで27日、下水の貯水槽が破裂し、洪水となりました。汚水がたまりすぎて、貯水槽が破裂したものです。この事故で70代の女性2人と、幼児2人、10代の女性1人が死亡しました。
25軒が浸水しています。国連は2年前からこのような事故が起こると指摘していましたが、何の策も講じられていませんでした。
イスラエル軍は清掃作業の支援を申し出ています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
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