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ハイメール通信No. 89 過越2006

今年も12日日没より過越の祭りが始まりました。イスラエルでは19日日没までが祭日となります。イスラエルと世界のユダヤ人たちが、出エジプトの奇跡を思い起こす時です。イエスを信じているユダヤ人にとっては、十字架と復活による罪からの解放を記念する時となり、様々なところで伝道集会が行われています。

今年は過越の5日前より、ガザからのロケット攻撃が相次ぎました。イスラエル国防軍は空爆や砲撃で、激しい反撃を続けています。死者は武装戦士がほとんどですが、8歳の少女を含むパレスチナ市民も犠牲となっています。祝祭と暴力が同時進行という異常事態です。主の怒りと悲しみを受け取り、両者のためにとりなしましょう。

新しい粉のかたまりのままでいるために、古いパン種を取り除きなさい。あなたがたはパン種のないものだからです。私たちの過越の子羊キリストが、すでにほふられたからです。(Iコリント5:7)



■ 過越2006

過越祭りは「ハメツ探し」から始まります。「ハメツ」とは種入りの小麦などのことです。新訳聖書の視点では、「ハメツ」は罪を象徴するものです。イスラエルでは、家中から集められた「ハメツ」は過越の前日の朝に燃やされます。または、シナゴーグに集められ、エルサレムのチーフラビによって、認定されているアラブ人の隣人に売られます。

12日の日没から「セダー」と呼ばれる特別な夕食の儀式が行われます。儀式は「ハガダー(ナレーション)」と呼ばれる式次第の本にそって、一家の主が導きます。儀式と言っても堅苦しいものではありません。出エジプトを記念して、マッツアと呼ばれる種なしパン、奴隷の苦しみを覚える苦菜や、主の愛を覚えるハローセット(リンゴやくるみを細かく砕いた甘い混ぜもの)を食べながら、味覚を通じて、主のみわざを再確認していきます。様々な賛美の歌も交えてすすめられます。小さな子供たちにも出番があり、家族がそろって楽しむことのできる例祭です。

イスラエルでは13日の日没から19日の日没までは全祭日とはなりません。しかし、学校は休みで、多くのビジネスも休暇をとっています。シナゴーグでは毎朝、特別な祈りがささげられています。13日の夜からは、7週(49日)を数える事が始まります。その50日目に来るのがシャブオット(6月2日)になります。

<イスラエルの貧困すすむ>

過越の祭りには、多くの支援団体が貧しい家庭に贈り物をします。日本では戦後、アメリカ軍から貧しい子供たちに靴が贈られましたが、イスラエルでも同様の光景が報告されています。「メシャマシュ・レブ」というユダヤ人の団体ですが、今年は46278足(昨年25000足)の靴を一足20シェケル(通常200シェケル以上する)で分けられました。靴は全て新品で、世界中から贈られてきたものです。昨年より需要が大幅に増えています。

BFPでは、家族のいない兵士たちに過越の特別なプレゼントをしました。以下はエルサレムの栄子先生からの報告です。

イスラエル兵士で、前線に立って怪我人を扱う医師や看護師などの医学的働きをしている100人の人々で、家族がない人(一人で移民して来た人や、家族を亡くしてしまった方々)に過ぎ越しのお祭りの捧げものを捧げる式典に行ってきました。若者ばかりでした。

イスラエル軍医総監が出席しておられ、「クリスチャン団体のブリジス・フォー・ピースがあなた方を祝福して下さいます。」とクリスチャンの愛の働きに感謝をして下さいました。100人の孤独な若者たちは、軍医総監、トム・クーパー、ビル・スティーブンス、そして私にまで握手をして下さり、中には涙をためて喜んで下さっている若者たちがいました。未来のイスラエルに平和の架け橋をかけた思いでした。ハレルヤ!

<伝道集会>

過越の祭りは、出エジプトを記念するものですが、イエスを信じるユダヤ人にとっては、イエスの十字架と復活をも記念する時となります。イスラエルやアメリカ、様々なところで、セダーを祝いながらの伝道集会が開かれています。

<祈り>

  1. 過越期間中の治安が守られるように。
    海外に出ているユダヤ人の安全も覚えて。
  2. BFPを通して贈り物を受け取ってくださった100人の若い兵士たち、またそのほかの支援家族たちの祝福と救いのために。
  3. 過越を祝うすべてのユダヤ人家庭の祝福と救いのために。
    特に、ガザ撤退家族や、テロ被害家庭を覚えて。
  4. 各地で行われる過越期間中の伝道集会を覚えて。

■ ガザで激しい戦闘状態

7日(金)よりガザ地区より、イスラエル領内に向けて27発にも及ぶロケット攻撃がありました。うち15発はイスラエル領内に着弾し、工場の一部が損害を受けました。攻撃したのは、ハマスではなく、イスラム聖戦やアル・アクサ殉教団など複数の武装組織とみられています。ロケット攻撃は今も続いています。

イスラエル軍は、ロケットが発射されたと見られる地域を空爆するとともに、戦車砲も使っての反撃を行っています。10日までに16人のパレスチナ人が死亡しています。中には8歳の少女が含まれていました。イスラエル政府は少女の家族に正式に謝罪しましたが、ロケット攻撃が続く限り、反撃はやめないことを表明しています。

すでにイスラエルの一部の部隊がガザ地区に入っています。昨年のガザ撤退から初めてイスラエル軍がガザに入ったことになります。イスラエル政府は、本格的な地上戦の可能性も示唆しています。

ガザでイスラエル軍の攻撃を受けている地域の住民は、パレスチナ自治政府に対して、武装組織のロケット攻撃をやめさせるよう訴えました。パレスチナ自治政府のハニヤ首相は、ガザの武装組織に自粛を呼びかけましたが、混乱を制御できていません。

パレスチナ自治政府では経済危機が続いています。アラブ諸国からの支援も十分には得られていません。今回の戦闘で、イスラエルがさらに国境を封鎖すれば、一般市民への深刻な影響が懸念されます。

*西岸地区ナブルスなどでも武装葬式の掃討作戦が行われており、大量の爆弾などが発見され、武装戦士が逮捕されています。

<祈り>

  1. ガザからのロケット攻撃が止まるように。
  2. ガザに早く統制が戻るように。
  3. 8歳の少女の家族はじめ、犠牲者の家族を覚えて。
  4. ガザの一般市民、現地クリスチャンたちを覚えて。
  5. 過越中もガザ、西岸地区で戦闘に参加している兵士たちを覚えて。

■ オルメルト首相代行から首相へ

シャロン首相が重篤な脳障害で人事不省となってから、14日(金)でちょうど100日になります。14日、イスラエル政府は正式にシャロン首相の職場復帰が不可能であることを宣言することになりました。これを受けて同日、オルメルト首相代行が首相に指名されることになりました。

オルメルト首相代行は、18ヶ月以内に西岸地区からの大規模撤退を実行し、ブッシュ大統領の任期が切れる2008年までに国境を策定するとの方針を明らかにしています。西岸地区撤退に関して、国民投票の意志はないとオルメルト氏は語っています。

イスラエルはいままでにハマスの自爆テロによって辛酸をなめさせられてきました。ハマスが現実路線に転向する意志がなければ、一方的にオルメルト案を推し進める考えです。現時点において、ハマスは、もしイスラエルが1967年の国境ラインまで撤退すれば、イスラエル国家を認めるとの方向転換を発表する予定であると報告されています。

アッバス議長は、イスラエル内閣の形成が終わり次第、和平交渉再開を提示しています。イスラエルは、アッバス議長との「コンタクト」は継続しても、ハマスが政権を握っている以上は、和平交渉はしないと表明しています。

*連立政権交渉中

オルメルト首相代行とカディマは現在、他党との連立政権をめざして交渉を行っています。労働党は連立の条件に最低賃金を上げることを、シャス宗教党は、カットされた児童手当を戻すようそれぞれ要求しています。

<祈り>

  1. 主のみこころにかなった内閣が形成されるように。
  2. 現時点でイスラエル最高指導者であるオルメルト首相代行に主の支配と導きがあるように。
  3. オルメルト氏の大胆な方針が主のみこころのままに導かれるように。
  4. シャロン首相とその家族を覚えて。

ニュース情報源:ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル外務省HP、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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