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ハイメール通信No. 186 直接対話、ありうるか

パレスチナ自治政府アッバス議長へ、直接対話を呼びかけたネタニヤフ首相。29日、カイロで開かれたアラブ同盟の会議で、アッバス議長がイスラエルとの直接対話を始めることが承認されました。
いつから始まるのかはアッバス議長次第ということになります。

今年もエルサレムでゲイ・パレードが行われ約3,000 人が参加、厳しい警護の中、通りをパレードしたあと、国会近くの広場で催しが行われました。アメリカでは正統派のラビがゲイの人々をそのまま受け入れることを決めています。(写真:真夏でも黒服の正統派)

ルーマニアで訓練中だったイスラエル空軍のヘリコプターが山中に墜落。ベテラン兵士が6人死亡しました。兵士たちは遺体となってイスラエルに戻り、悲しみの中、各出身地で軍葬が行われています。

日本と同様、イスラエルも今最も暑い季節を迎えています。子どもたちは夏休みで家におり、両親たちは手をやいているようです。

私たちの齢は七十年。
健やかであっても八十年。
しかも、その誇りとするところは
労苦とわざわいです。
それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。
だれが御怒りの力を知っているでしょう。
だれがあなたの激しい怒りを知っているでしょう。
その恐れにふさわしく。
それゆえ、私たちに
自分の日を正しく数えることを教えてください。
そうして私たちに
知恵の心を得させてください。(詩篇90:10-12)



■ イスラエルとパレスチナ自治政府直接対話?

先々週、アメリカを訪問していたネタニヤフ首相が、アメリカのテレビを通じてアッバス議長に直接対話を呼びかけました。これについて29 日、カイロでアラブ同盟が総会を開き、アッバス議長がイスラエルと直接対話を始めることについて承認する意向が発表されました。時期については、アッバス議長しだいということです。

アメリカはこの発表に対し、歓迎の意向を表明しています。

しかし、パレスチナ側が直接対話の条件として出している項目が、これまでとなんら変わりなく、実現不可能なものばかりであるため、対話が実現するかどうか、またたとえ実現しても結局同じ事になる可能性が高いと見られています。

この会議に先立ち、ネタニヤフ首相がお忍びでヨルダンのアブドラ国王を訪問していました。ネタニヤフ首相と国王は2時間ほど会談したと報じられています(写真)。また、アメリカのオバマ政権も、アッバス議長に直接対話再開に向けて圧力をかけている模様です。

一方、ハマスは、イスラエルとの直接対話は、パレスチナ人をより苦しめることになるとの見解を発表しました。

現在イスラエルは、ネタニヤフ首相の約束により、西岸地区におけるユダヤ人家屋の建設凍結10 カ月間を実施中です。その期限がもうすぐ終了となるのですが、イスラエルは建設再会の動きを見せています。
ハマスは、直接対話はその動きを容認することを意味し、東エルサレムがパレスチナの首都になることの妨げとなり、パレスチナ人が苦しむことになると主張しています。

この問題について、国連のムーン事務総長はイスラエルのバラク国防相と会談し、建設凍結期間の延長を要請しました。

<パレスチナにおける不条理>

イスラエルに関するニュースが、偏りがちであるのに平行して、パレスチナ人の真実の姿も国際社会に正しく伝わっていません。ガザ地区やパレスチナ難民への国際支援は際限なく行われており、いったいどのくらいの支援が行われ、どのような結果になっているのか、わからないというのが現状です。

ガザ地区では、先月、立派なモールが開店しました。それを取材したエジプトの記者は、ガザの「繁栄」に驚いたと報告しました。物があふれているのに反して現金不足であるため、物価、特に食品がかなり安くなっているということです。
また同エジプトの記者によると、ガザの海岸沿いには豪華なリゾートも建設され、「イスラエルに破壊された」がれきに住むガザの住民とはかけ離れたイメージだったということです。

しかしながら、統計によると、ガザ市民の80%は国連の食料に頼り、失業率は45%となっています。相対するこの結果を分析するとすれば、ごく一部のトンネル業者や国連組織に就労している裕福な者だけが繁栄をおう歌しているということになります。

これは西岸地区でも同じです。たとえば、1997 年に建てられたアッバス議長の自宅は150 万ドル(NYタイムス)、2003 年には、エリコにカジノを建てるのに5,000 万ドルが使われました(フォーブス)。2006 年のパレスチナ自治政府内での選挙で、ファタハ党(アッバス議長)がハマスに勝つためにアメリカが支援した額は190 万ドルです(実際はハマスが勝利)。2007 年から2010 年までの間にパレスチナへ送られた支援金は7億4000 万ドルに上ると推定されています。パレスチナ人は世界のどの地域の住民よりも国際社会の注目を得ているのです。しかしなお一般パレスチナ人の生活が苦しいというのも事実です。

<ガザ地区の人々の暮らし>

ガザ地区では若者たちの間でストリートダンスがブレークしています。厳格なイスラム教を推進するハマスはこれを取り締まり、若者たちのヒップホップ・コンサートを中止させました。しかし、若者たちに仕事はなく、彼らは自由をおう歌するためと語り、地下活動的にダンスを続けています。

また、ハマスは女性の下着店でセクシーな下着の写真を出さないよう、警察を用いてとりしまるのにやっきになっているとのことです。

少し違う角度になりますが、ガザ地区の子どもたちが凧あげ大会を行いました。主催はUNRWA(国連パレスチナ難民機関)。ガザは、「大人数が、一度に凧あげをする」世界記録をもっており、今年は6,200 人の子どもたちが31日、海岸にて一度に凧をあげて、自らの記録を更新しました。

そのガザ地区ですが、30 日、イスラエルへ向けてグラッド・ミサイルを発射。アシュケロン市内を直撃しました。建物と車に被害が出ましたが、幸い負傷者はありませんでした。しかし、近くにいた人が一人ショックに陥り、病院で手当を受けました。
これに対し、イスラエル軍は31 日、ガザ地区にあるハマスの拠点に厳しい空爆を行いました。ハマス幹部一人が死亡、13 人が負傷しました。ハマスはイスラエルに対する報復を叫んでいます。

情報錯綜するガザ地区ですが、主の導きの中で、一般の人々、若者や子どもたちを覚えてとりなしましょう。


■ エルサレム・ゲイ・プライド・パレード

29 日、同性愛者がその存在と権利をアピールするため、約3,000 人が独立公園に集結。その後エルサレム市中をパレードし、国会近くのローズ・ガーデンにて大きな集会を行いました。今年は特に、昨年テルアビブの10 代むけゲイ・クラブでおきた乱射事件で、3人の少年が殺害された事への追悼パレードとなりました。この事件の犯人は未だに逮捕されておらず、未解決のままです。

パレード中に同様の乱闘にならないよう、エルサレム市では、警察官1,500 人が動員されました。

同性愛に反対する統一トーラー党では、このパレードを「動物的」と批判しようと、本物のロバ何頭かをゲイ・パレードと平行してパレードさせる許可を警察に申請していました。当局がこの申請を却下したところ、統一トーラー党は、「ロバの中にはパレードしたいロバもいる。ロバにもロバであることを訴える権利があるはずだ」と反論。警察当局は、段ボールに描いたロバの絵を切り抜いたものなら許可するという妥協案を出しました。乱闘騒ぎはありませんでした。

<アメリカの超正統派ラビ、ゲイを認める?>

アメリカの超正統派のラビたち数人が、同性愛のカップルも共同体に受け入れる声明を出しました。ユダヤ教律法により、同性愛者同士の結婚を執り行わないにしても、同じユダヤ人なのだから、シナゴーグなどのユダヤ人共同体から拒絶することは理にかなわないということです。


■ 悲しみの帰還-ルーマニアでヘリコプター事故

ルーマニア山中で訓練を行っていたイスラエル空軍のヘリコプターが山に激突、兵士6人と、ルーマニア兵士1人が死亡しました。6人の兵士はいずれもベテランで、その死が国内に大きなショックと悲しみをもたらしています。

イスラエルはアラブ諸国との戦闘に備え、それらの国々の地形に似た地域で訓練をする必要がありますが、イスラエルに山脈はありません。

そのため、ルーマニア軍の協力を得て、これまでにもカルパチア山脈でヘリコプター操縦の訓練が行われてきました。山並み続く中でのヘリコプター操作は大変危険です。事故原因はまだ調査中ですが、悪天候とも人的ミスとも言われています。事故現場が山中深かったため、イスラエル空軍は遺体のための部隊を派遣し、遺体の回収を行いました。29 日、遺体を回収、鑑別も終了し、31日、イスラエルへ搬送されました。(写真:山中での捜索隊)

亡くなったアブネル・ゴールドマンさん(48歳)は、神を愛し、みことばをよく学び、多くの人を神に立ち返らせた人(イエスにある救いではなくユダヤ教的な意味合いです)として愛され尊敬されていた人でした。
ヤエル・ケシェフさん(33)は小さな2児の父でした。
ニール・ラクリフさん(25)は、結婚してまだ1年目でした。妻のマギーさんは妊娠4カ月で寡婦となりました。また、リオール・シャイさん(28)、オレン・コーヘンさん(24)、ダニエル・シャペンバウムさん(43)が犠牲となりました。


■ イランの制裁、その後

核兵器疑惑で経済制裁がすすめられているイラン。大量の低濃縮ウランを、トルコとブラジルを介して供出し、かわりに平和利用となる20%に濃縮したウランを受け取るという案をあらためて打ち出してきました。
イランはさらに、「必要なだけ」のウランを必要分ずつ受け取るだけでよいと言っています。しかし西欧諸国は、イランのこの提案に懐疑的です。

イギリスのBBC放送の調べによると、イラン船籍であるにもかかわらず、別の国の船籍を名乗る船が多数運行しているということです。それらの船では、船体に書かれたアラビア後の船名の上に上塗りをしたり、旗印が変えられたりしているということです。調べでは70 以上の会社がそのようにしてイランとの貿易を続けているということです。つまり、経済制裁は本当の意味で実施されているとは言えず、イランとの貿易が続いているということです。

<祈り>

  1. イスラエルのすべての政治的駆け引きの上に、主の好意を得ることができるように
  2. ネタニヤフ首相と内閣の一致が守られるように
  3. イスラエルには同性愛者が多数います。
    主にあってあるべき姿に癒されるように。
    同性愛者が特に多く住むテルアビブ市を覚えて
  4. ヘリコプター事故で遺族となった人々を覚えて
    イスラエル軍では事故が多発しています。
    事故から守られるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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