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ハイメール通信No. 168 新年を迎えて

イスラエルでは今年も19、20日と新年を祝う例祭がありました。例年より早く「はじめの雨」が降り始めています。

恒例の人口調査では、昨年比1.8%の増加と発表されました。新年の直前に、旧ソ連から久しぶりに350人の新移民が到着しています。

新年を前にイスラエル中が悲しみにくれるニュースが2つありました。イスラエル人で初めて宇宙飛行士になり、スペースシャトルの事故で死亡したラモン大佐の長男が、空軍の訓練中の事故で死亡しました。

また、昨年のガザでの戦闘はイスラエルの犯罪とする国連の調査結果が発表され、大統領、首相ともに調査の偏りを非難する声明を発表しています。

「慰めよ。慰めよ。わたしの民を」と
あなたがたの神は仰せられる。
「エルサレムに優しく語りかけよ。
これに呼びかけよ。
その労苦は終わり、その咎は償われた。
そのすべての罪に引き替え、
二倍のものを【主】の手から受けたと。」(イザヤ40:1-2)



■ イスラエルの人口773万7000人

今年もイスラエルに新年がやってきました。日本のお正月同様、新年祭の前には、多くの家庭で大掃除がなされ、二日分の特別なごちそうが準備されました。

このため、スーパーマーケットは10時まで時間を延長しての営業でした。また新年には、日本のお歳暮にあたる贈り物をする習慣があるため、ショッピングセンターでは、様々なセールが行われ、買い物客で混雑しました。

イスラエルの中央統計局によると、新年を迎えたイスラエルの人口は773万7000人でした。このうち、ユダヤ人は554万2000人(75.5%)で、アラブ人は147万7000人(20.1%)、外国人労働者は20万人となっています。

イスラエルは、比較的若年層が多く、総人口の28.4%が14歳以下で、9.8%が65歳以上の高齢者となっています(日本では総人口の22.7%が65歳以上)。

女性の方が長生きする傾向は同じで、平均寿命は女性82.5歳、男性78.8歳。アラブ人はこれより4年寿命が短いとの結果が出ています。

<旧ソ連からの移民者>

旧ソ連からの移民者は激減の一歩をたどっていましたが、今年、新年を前に350人が帰還しました。(写真)

国際的な経済危機の中で、イスラエルが比較的経済の安定を保っていることが原因ともいわれています。ユダヤ機関は旧ソ連からの移民者が増えると予想しています。

<イスラエルの中絶人口>

イスラエルでは、中絶が妊娠9カ月まで認められている他、違法な中絶も含めると、年に4万人以上、単純計算すると1日に150人が殺害されていることになります。

この子どもたちがすべて生きていたとしたら、建国から計算すると400万人のイスラエル生まれのユダヤ人が存在していたはずです。これに対処するため、「ベヤッド・ハイム」などのプロ・ライフ活動がすすめられています。

<祈り>

  1. イスラエルで無数の罪のない血が日々流されていることについて主があわれんでくださるように
  2. 中絶を防止する活動をしている働き人(電話カウンセリング゛・ちらし配り等)が用いられ、イスラエル人の子どもが殺されることのないように
  3. 主のあわれみでさらに移民者が増やされ、国の繁栄が与えられるように

■ 引き裂かれる親子

<故ラモン宇宙飛行士の息子のアサフさん訓練中の事故で死亡>

イスラエル人で初めて宇宙飛行士になり、NASAのスペースシャトルに乗り込んだイラン・ラモン宇宙飛行士が、シャトルの空中分解事故で死亡したのは2003年、わずか6年前のことでした。

そのラモン大佐の息子アサフさん(21)が、IAF(イスラエル空軍)のF16Aの飛行訓練中の事故で死亡しました。(写真・父の葬儀に出席する故アサフさんと母親のローナさん)

アサフさんは大変優秀な空軍のパイロットで、事故当時、最も危険な位置に配属されていました。父のような宇宙飛行士をめざしていたといいます。事故原因については現在調査中ですが人的ミスが原因とみられています。

故ラモン宇宙飛行士の妻でアサフさんの母親でもあるローナさんの痛みは想像を超えています。この日、ほとんどの新聞が一面にこのニュースを報じ、イスラエル中が悲しみの1日となりました。

葬儀には、ペレス大統領、ネタニヤフ首相、バラク国防相、アシュケナジ参謀総長も列席しました。
アサフさんの兄弟コーネルさんもまたF16Aのパイロットです。イスラエル国防軍では、「戦死者を出した家族の他の子どもは兵役につかせない」というルールを明確化することが検討されています。

<ハマスに拉致されているシャリートさんの父親>

3年前に19歳でハマスに拉致されたままのシャリートさんの返還をめぐって、様々な努力が水面下で行われています。しかし実際には何の前進もありません。

新年を迎え、シャリートさんの父親がりんごや蜂蜜、聖書などが入ったケア・パッケージを、ハマス関係者を通じて息子に送りました。代わりにハマス側からは、イスラエルの刑務所に収監されている息子たちへのケア・パッケージが100個届けられました。

<祈り>

  1. ローナさんと残された家族を覚えて
  2. シャリートさんの帰還の実現のために シャリートさん本人を覚えて

■ 国連、イスラエル非難再び

国連人権保護団体に指名されたゴールドストーン氏が、今年度国連総会(9月23-26日、28-30日)を前に、昨年のガザでの戦闘における調査結果を576ページにわたる報告書にまとめて発表しました。

内容は、ガザ市民が犠牲となった様々な証が含まれており、イスラエルにとってはかなり厳しいものでした。証としてあげられているケースは、国防軍内部でも調査が行われているケースです。

ゴールドストーン調査委員会では、イスラエル側からの証言としてスデロット・メディアセンター所長のノーム・ベデウィンさんを招いていました。

ベデウィンさんは、ガザから日々ロケット攻撃を受け、PTSDに苦しむ子どもたちの様子を、ビデオを交えて証言しました。しかし、プレゼンテーションの途中でゴールドストーン氏は居眠りをしていたということです。スデロットでは、新年にも、ガザから2発のロケット弾を受けています。

最悪の場合は、この報告が安全保障委員会に提出され、その後ハーグ国際裁判所に訴えられます。その結果、直接現場に関係した国防軍の司令官たちが裁判にかけられることになります。国内からは、そのような場合は最高司令官であるバラク国防相が裁判にかかるべきだとの声が上がっています。

*ヘルツェリアでテロの心理的影響に関するカンファレンス

9月13-15日、心理学者等が集まって、テロ被害のカンファレンスを持ちました。その席でスデロットの住民も証言しました。戦争やテロの被害者(自分や家族、友人などが被害にあった、または現場を見たなど)は、多くが直後からPTSDやうつ症状に悩まされて仕事ができなくなるなど、経済的な困窮に陥っています。

また人格の変化から離婚に追い込まれるケースも少なくないようです。一瞬のテロですが、結果は一生傷を背負い込むことになります。カンファレンスでは、同時にパレスチナ側の子どもたちへの影響も発表されていました。

ガザに近いアシュドドでは、町をあげて、テロに対する心理的な準備が行われていたため、PTSDに陥る子どもたちの数が少なかったとの発表もなされました。

<祈り>

  1. 国際社会が双方の被害を鑑みて、ゴールドストーン委員会の調査結果を正しく判断するように
  2. 結果がそのまま国際法廷に提出されることのないように

■ イスラエル、パレスチナ、アメリカで三者会談

国連総会と平行して22日、ニューヨークで和平交渉再会を目指した三者会談が行われることになりました。

西岸地区の入植活動の完全凍結を求めるパレスチナ側と、それを拒否するイスラエル側に合意点がなく、ここしばらく直接交渉は途絶えていました。

国連総会を前に、アメリカからジョージ・ミッチェル氏が派遣され、約1週間、両者の間を奔走しましたが、結果は何も得られていませんでした。(写真・ネタニヤフ首相とミッシェル氏)

三者会談においては、オバマ大統領がネタニヤフ首相、アッバス議長双方に「いつまで結論をださないままでいるのか」とかなり厳しい口調で語ったと伝えられています。

<祈り>

  1. 主がネタニヤフ首相と共にいてくださるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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