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ハイメール通信No. 154 Go North! 北米移民イスラエル北部へ

北米系移民を支援する団体ネフェシュ・ベネフェシュが「Go North」と名付けられた新しいプログラムを発表しました。北米系移民者をイスラエル北部へ移住させるというものです。

金融危機と重なり、北米系移民が増加する見通しとなりました。(写真:ネフェシュ・ベ・ネフェシュHPより)

インドのムンバイで195人の死者を出したテロ。ユダヤ人センターも襲撃され若いラビ夫妻が犠牲となりました。今回のテロの標的はユダヤ人とイスラエル人であったことが明らかになりつつあります。

来年2月の総選挙にむけて各党が選挙名簿造りの選挙を行っています。右派リクードの選挙名簿に極右的な人物が入り、物議をかもしています。

ガザから砲撃激化、西岸地区ではユダヤ人過激派と国防軍の衝突などが報じられています。

天が地よりも高いように、
私の道は、あなたがたの道よりも高く、
わたしの思いは、あなた方の思いよりも高い。(イザヤ55:9)



■ Go North!北米系移民イスラエル北部へ

ネフェシュ・ベ・ネフェシュ(NBN)は、アメリカ、カナダ、イギリスなど北米に住むユダヤ人のイスラエル移住を支援しているユダヤ人団体です。

イスラエルでの住宅支援や就職斡旋、年金問題など様々な生活の課題を解決し、近年、北米からのユダヤ人移住を促進させることに成功しています。

8日、NBNは、アメリカのラッセル・バリー基金からの支援を受けて、北米のユダヤ人1000人以上をイスラエル北部へ移住させるプロジェクト「Go! North」を立ちあげたことを発表しました。

イスラエル北部は、エルサレムやテルアビブに比べてまだ未開発の地域を多く残す地域です。テルアビブなどより西欧化されていないため、これまで北米からの移住者が移住を躊躇してきました。(写真:北部の都市ハイファ)

北米からの移住者により、北部イスラエルの発展が期待されています。この新しいプロジェクトはラッセル・バリー基金の他、イスラエル国内の投資家、イスラエル政府の援助を受けて可能となりました。

* ラッセル・バリー・基金

ラッセル・バリー氏は、ニューヨーク出身で、無一文からラス・ベアーなどぬいぐるみを中心としたおもちゃの会社を立ちあげ億万長者となりました。

ビジネスに成功してからは、多くの病院をはじめ、糖尿病センターやナノテクノロジーの研究、若い化学者の育成の他、ユダヤ文化の発展のためなどに惜しみない投資を行いました。気前の良いアメリカの投資家40人のうちに入っています。

またクリスチャンとユダヤ人の相互理解のためにも働きました。ラッセル氏は2002年12月25日に死去しましたが、彼の意志はラッセル・バリー基金に受け継がれ、今もユダヤ人と世界のために投資を続けています。

<金融危機で祖国に帰るイスラエル人たち>

イスラエル中央統計局によると、昨年北米からイスラエルへ移住した人は2000人に上ります。特に9月にリーマン・ブラザースが破綻してから、アメリカからイスラエルへ移住、または帰還を希望する人が昨年の同時期に比べて50%増加しています。

これは不況の影響で、急に仕事を失う人が増えてきたからです。また、アメリカでユダヤ人として生活するために食物規定にあった高価な食物を買ったり、子供をユダヤ人学校へ通わせる経済的な余裕がなくなってきたことが考えられています。

アメリカでは、イスラエルでの就職についてのセミナーやジョブ・フェアがイスラエル移民局スタッフによって、ニューヨークやボストンなど各地で行われています。

<祈り>

  1. NBNのビジョンである、1000人以上の北米系ユダヤ人を移住させることができるように
  2. 北部にあるBFPフードバンクの準備がさらに進むように。
    働き人のビザが発給され、働きが祝福されるように。

■ ムンバイの悲劇

11月27日から29日にかけてインドの大都市ムンバイで同時多発テロが発生し、日本人の津田尚志さんを含む195人が死亡したニュースは日本にも連日流されました。この時襲撃された公共施設10箇所のうち、一つがユダヤ教正統派のハバッド・ハウスでした。

ハバッド・ハウスは海外にいるユダヤ人ビジネスマンやバックパッカーなどの学生を支援する施設で、世界75ヵ国3300箇所に展開しています。ムンバイのハバッド・ハウスには宿泊施設とシナゴーグがあり、平日で30人程度、終末には80人に上るユダヤ人を宿泊させていました。

このハバッド・ハウスを設立運営し、宿泊するユダヤ人の霊的ケアにあたっていたのがラビ・ホルツバーグ(29)とリブカ夫人(28)でした。今回のテロで夫妻の他6人のイスラエル人が犠牲となりました。

ある遺体は手足を縛られて殺害され、祈りのショールにくるまれていました。またあるものは殺されて血まみれになり開いたタルムードの上にうつぶせに倒れていました。ハバッド・ハウスの中は銃撃の穴だらけで襲撃の激しさを物語っています。

ホルツバーグ夫妻の長男モイシェ君(2才:写真)はインド人家政婦のサンドラさんが襲撃の最中に助け出し、奇跡的に建物の外に走り出て助かりました。

サンドラさんは孤児となったモイシェ君の世話を続けるため、故ホルツバーグ夫妻の家族とともにイスラエルへ移住しました。イスラエル政府はサンドラさんを英雄として敬意を表し、即時にビザを発給しています。

死亡したラビ・ホルツバーグ夫妻の遺体はイスラエルへ運ばれイスラエルで埋葬されました。リブカ夫人の父親でラビのローゼンバーグ師は犠牲となった夫妻の追悼式で、ヨブ記から引用し「主は与え、主は取られる。」と語りました。(写真)

イスラエル政府はムンバイにトラウマを取り扱う専門家を派遣し、現地でテロに巻き込まれた人々のケアにあたっています。

<ユダヤ人をねらったテロ>

ムンバイを襲ったテロリストはパキスタン系のテロリストで、背後にアルカイダが関与している可能性が指摘されています。

パキスタンとインドはかねてより両国の国境にあるカシミール地方の領有権をめぐって争っていました。

今年8月、欧米に協力的だったパキスタンのムシャラフ大統領が辞任してから、パキスタン内部のイスラム過激派の活動に歯止めがきかなくなっていました。

そのパキスタン系のテロ組織を背後で訓練しているのがパキスタンと隣接するもう一つの国アフガニスタンから来るタリバン、すなわちアルカイダであるということです。ムンバイでのテロを起こしたテロリストで唯一生き残った犯人が、今回はユダヤ人とイスラエル人をねらったテロであったことを明らかにしています。

これを受けて世界中のハバッド・ハウスなどユダヤ人組織がイスラエル政府に警護を求めました。しかし、イスラエル政府はディアスポラ(海外のユダヤ人)まで保護する責任は持てないと言っています。

今回のテロで明らかになったことは、テロリストはイスラエルを憎んでイスラエル人だけを襲撃するのではなく、ユダヤ人全般を攻撃の対象としていることです。現在、インド政府よりムンバイの次にゴアが襲撃されるとの警告があります。ゴアはイスラエル人が好んで訪れるビーチ・リゾートです。

<祈り>

  1. ラビ・ホルツバーグの家族を覚えて。
    特に孤児となったモイシェ君のために
  2. 世界中のユダヤ人組織が守られるように
  3. イスラエルへ帰還するユダヤ人が増やされるように

■ 総選挙情報

来年2月の総選挙のため、各党は12月24日までに選挙名簿を提出することになっています。12月初頭にまず労働党の選挙名簿が決まりました。エフード・バラク党首を筆頭に前国防相のアミール・ペレツ氏も入っています。

8日にはリクードの選挙が行われました。始めてコンピューターによる電子投票が行われましたが、使用方法が複雑な上にPCのトラブルが重なって、投票時間を夜中1時までに引き延ばしての選挙となりました。

リクードでは超右派のモシェ・フェーグリン氏がリストの20番目に入ったため、リクードがタカ派色を濃くしています。フェーグリン氏のHPにはかつてイスラエルは国連から脱退すべきである、パレスチナ人への水道は止めるべきであるなどという過激な発言がありました。ネタニヤフ党首(写真)にとっては不都合な人物と言えます。

しかし、世論調査によると、現時点ではリクードがトップに立っており、36議席を獲得すると予想されています。与党カディマは27席、労働党は12席です。宗教政党のシャスやイスラエル我が家党などがリクードにつくとして、リクードの連立は120議席中64議席となり、かろうじて過半数を獲得することになります。

<祈り>

  1. 総選挙に向けて主がイスラエルの国会の支配者となってくださるように

■ ガザ・西岸地区情報

<ガザ地区>

ガザ地区からカッサムロケットやグラッドミサイルによる砲撃が続いています。幸い犠牲者は出ていませんが、ロケット弾はアシュケロンにまで飛距離を伸ばしています。

9日、キブツの畑にカッサムロケットが着弾したとき、付近の道路では小学生や幼稚園児が登校中でした。けが人はありませんでしたが、着弾した音で周囲はパニックになりました。

オルメルト首相、リブニ外相、バラク国防相は、ガザに対してのピンポイント攻撃など具体策を検討中です。シェトリト内務相は、「このままではイスラエル人の半数がミサイルの射程に入ることになる。最善の防衛は攻撃である。防衛するのはガザの人々であってイスラエル人側ではない」と語りました。宗教政党のシャスからもガザのハマス指導者をピンポイント攻撃するべきだとの要請がありました。

<西岸地区>

西岸地区のヘブロンでは、ユダヤ教過激派とイスラエル軍、パレスチナ人3者の衝突がありました。

ヘブロンは現在パレスチナ自治政府の管轄下にある町で、17万人のパレスチナ人が住んでいます。その中に超正統派と呼ばれるユダヤ人約600人が住んでいます。ヘブロンにはアブラハム、ヤコブ、イサクの墓とされる場所があるため、超正統派はヘブロンを離れようとしないのです。

彼らは政府が奨励しない場所に勝手に建物を立て、撤去するようにとの政府の指示を無視してきました。さらに今年3月、パレスチナ人地区にあるヘブロン・ハウスという建物を占拠し、ユダヤ人がパレスチナ人から買い取った物件だと主張しました。(写真左物件)

しかし、この主張は法的な証明がとれないため、イスラエル政府は超右派たちにヘブロン・ハウスから出て行くようにと勧告してきました。長い説得にもかかわらず彼らが出て行こうとしないため、4日、イスラエル軍と特殊警察が出動し、催涙弾など武力を使って立てこもっていた者たちを引き出しました。作戦は1時間程度で終了し、超右派指導者ら20人が逮捕されました。

その直後、超右派の青年たちがアラブ人の家や車に火をつけるなどの暴力行為を行い、それにパレスチナ人たちが大きな石を投げて応戦しました。石は16才の少年にあたり重症をおっています。この乱闘騒ぎに国防軍が介入し、催涙弾を使って沈静化を図りました。

オルメルト首相は、「これはポグロムと同じ行為だ。ポグロムを知っているユダヤ人がこのような行為に出るとは同じユダヤ人として恥ずかしい。」とコメントを述べました。

現在西岸地区には180万人のパレスチナ人に混じって27万5000人のユダヤ人がいます。今後、西岸地区からユダヤ人を撤退させ、パレスチナ国家を建設することになっていますが、西岸地区の10%にあたる町々からユダヤ人を撤退させることは難しいのが現状です。

<ベツレヘムのクリスマス>

ベツレヘムは西岸地区の町です。クリスマスには今年2万人がイエス生誕の教会での礼拝に訪れると予測されています。治安を守るのは今年からパレスチナ自治警察です。平和なクリスマスであるよう祈りましょう。

<祈り>

  1. ガザとの関わりにおいてイスラエルの指導者に知恵が与えられるように
  2. 西岸地区のユダヤ人が過激な行為にでることのないように

■ EUヨーロッパ連合との関係強化

9日ブリュッセルにおいてEUヨーロッパ連合27ヵ国の外相が集まり、イスラエルとの関係強化を採択しました。またNATOもイスラエルと防衛、外交に置いて協力体制を進めることで一致しました。(写真:イスラエル外務省HPより)

<イギリスからイスラム教徒の旅行者>

イスラエルにはユダヤ人とクリスチャンの旅行者が増え、全国の観光地がにぎわいを見せています。しかし、イスラム教徒の旅行者はほとんどありません。

しかし3日、イギリスからイスラム教徒の旅行者20人が三大宗教フォーラムに参加するため、イスラエルを訪問しました。

グループはアルアクサ(神殿の丘)で4分足らずの祈りの時を持ち、その後嘆きの壁を訪れました。嘆きの壁でユダヤ教徒と時をともにした始めてのイスラム教徒となりました。

彼らはテレビでみるイスラエルとは違うイスラエル、また実際にユダヤ人とふれあい、驚きを語っています。参加者はまたぜひ来たいとの思いをもって帰りました。

<祈り>

  1. ヨーロッパとの関係改善が実質をともなうものであるように
  2. イスラエルを訪問したイスラム教徒たちのように、市民レベルの交流が増えていくように

今年もハヌカの季節が来ました。町ではハヌカのスフガニヨット(甘い揚げパン)が売り出されています。今年のハヌカは12月21日~28日までとなっています。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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