ホーム祈るハイメール通信 登録・停止バックナンバー > ハイメール通信No. 140 イースターとプリム

ハイメール通信

ハイメール通信No. 140 イースターとプリム

今年はユダヤ人のプリム(エステルの祭り)とクリスチャンのイースター(復活祭)が同じ週末(21~23日)に重なり、エルサレムは巡礼ラッシュで混み合いました。

西岸地区の町アリエルでは、プリムを祝うメシアニック・ジューの家に爆発物の入ったプレゼントが届けられ、15才の少年が重傷となっています。

ヒズボラが、先月暗殺された指導者ムグニエの40日追悼記念集会を行い、暗殺はイスラエルの犯罪として改めてテロの脅迫を行いました。イスラエルはまさに霊的激戦区です。主に伺いつつ今週もイスラエルを覚えてとりなしましょう。

(写真:旧市街グッドフライデー)

キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわし、
ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。(エペソ2:14,15)



■ イースターとプリム

<イースター(復活祭)>

今年のイースターは21日(金)のグッドフライデーから始まりました。世界中のクリスチャンがエルサレム旧市街を訪れ、イエスが十字架を背負って歩いたとされる悲しみの道(ビアドロローサ)を歩きました。

23日の日曜日には旧市街の聖墳墓教会、旧市街外の園の墓と呼ばれる場所でそれぞれイエスの復活を記念するミサ、礼拝が行われました。(写真:聖墳墓教会)

今年はプリムとイースターが重なり、ヒズボラからのテロ警告もあったため、エルサレムでは数千人の治安部隊が警備に当たりました。

<プリム(エステルの祭り)>

エステル記を記念するプリム。プリムでは聖書のエステル記を朗読します(これを「メギロス」と言います)。

ユダヤ教ではメギロスを安息日(土曜日)に行ってはならないという規約があります。それで今年のプリムは本来はイースターと同じ21日(金)からでしたが、1日前倒しで20日(木)から21日(金)にかけて行われました。

この間に行われることは20日の断食に続いて、21日のコスチュームをつけてのパレードです。子どもも大人もパレードでは仮面をつけたり、仮装をします。(写真)

これはエステル記の中で「神」の御名が隠されていることを記念しています。エルサレムでのパレードは今年は安息日やイースターとの関係で23日(日曜)に行われました。

また、ユダヤ教では聖書に準じて贈り物を交換する習慣があります。またプリムの期間中に貧しい人々少なくとも2人に、すぐに食べられる状態の食物をプレゼントすることになっています。

今年はロケット弾に苦しむスデロットの住民や、ガザから撤退していまだに仮住まいの生活を強いられている人々にプレゼントが殺到しました。

プリムのもう一つの特徴は、「モルデカイとハマンの区別がつかなくなるまで酒を飲む」という習慣です。これは極度の喜びを経験するというものです。最近では、ラビがアルコールの飲み過ぎに警告を発しています。喜びはアルコールなしでも得ることはできるし、自分を失うほどに喜ぶということは「寝る」ということでも十分律法にかなうと指導しているラビもあります。

*8人の学生をテロで失った神学校

3月6日に銃の乱射で8人が死亡したメルカズ・ハラブ・イシバ。悲しみの中にあっても主に従い、プリムの祭りを祝いました。

<祈り>

  1. 祭り期間中、平穏だったことに感謝!
  2. 被害にあったイシバの生徒教師たちを覚えて。
    みことばから真の救い主を発見できるように。

■ メシアニック・ジューへの迫害・・ハアレツ(イスラエル有力紙)記事より

西岸地区のユダヤ人入植地で、最も大きな町アリエル。ここにイエスを信じるメシアニック・ジューの会衆があります。

メンバーの多くがアメリカから来たユダヤ人で、その他に旧ソ連のユダヤ人と現地イスラエル人からなる20人ほどの会衆です。メンバーの半数がアリエルの住人で、その他は外から会衆に集っています。

集会は週一回、指導者の自宅で行われていました(危険であるため、指導者、会衆名など個人名はいっさい公開されていません)。指導者家族は、イエスを信じるユダヤ人で、合法的にイスラエルへ移住し、アリエルでメシアニック・ジューの会衆を開拓していました。

そこへ21日、爆弾入りの「プリム・ギフト」が届けられ、それを開封した少年(指導者の息子)が全身に重傷を負いました。爆発物により、窓は破壊され、家具は飛び散り、金属片による穴が部屋の天上にまで残されていました。壁には「イスラエルに平和があるように」との飾りとその横には週間予定が貼りだされていました。

この家の周囲では、以前より悪意に満ちたビラが撒かれたり、反宣教デモが行われたりしていました。警察は会衆を「カルトの一種」と位置づけ、2年前から監視カメラを装着して警戒していました。今回の爆発について、現在監視カメラに記録されたものなどが検証されています。

イスラエル有力紙ハアレツのインタビューに答えて、被害にあった会衆の中を案内したのはイスラエル人のメンバー。彼は以前、いろいろなカルトに加わっていましたが、新約聖書を読んではじめて「光」を見たと証言しています。また以下のように証しました。

「イスラエルにはイエスを信じるメシアニック・ジューが数千人います。私たちはカルトではありません。私たちはイスラエルのトーラー(モーセ五書)とイスラエルの神を信じています。

イエスは新しい宗教を始めようとしたのではありません。イエスはユダヤ人だったのです。私たちはイエスを救い主と受け入れただけです。旧約聖書と新約聖書は続いているのです。」

現地BFPスタッフよりのメール

アリエル・テロの爆発について、少しお知らせいたします。

メシヤニックジューのオリティズさんの息子アミ君に起こったことですが、プリムの祭りには、家族同士や友人たちを通して、子供にプレゼントが捧げられます。アミ君は外においてあったプレゼントの箱を家の中に持って入り、喜びと期待に包まれながら箱を開けました。あけると同時に爆発が起こりました。この爆発で、家中の窓、すべての家具など、家の中で破壊されていないものは一つもないほどの大きな爆発でした。その爆弾の目の前にいたのがアミ君です。アミ君は、その場で死んで当たり前の状態でしたが、命が助けられました。

すぐに病院に運ばれたアミ君の状態は、「体中傷がないところがないほどのひどさであった。」と言うことです。なぜなら、爆弾の中には、たくさんの釘や金具が詰められていたからです。「すぐに足を切断しなければならない。」と知らされました。祈りの課題が世界中に寄せられ、世界中からアミ君のために祈りがささげられました。

まもなく、医師が家族のところに現れ、「考えられないが、足は切断しなくても良くなった。足指を切断するだけでよさそうだ。これは奇跡としか言いようがない。」と伝えました。彼の両目は傷つけられ、「目が見えなくなるであろう。」、と最初のニュースに出ましたが、左目だけで、右目は大丈夫だと伝えられました。しかし、今は、その左目も見えるようになるであろう、と言われるほどに祈りを通して主が働いていらっしゃいます。その後、何度も医師の口から、「奇跡だ!」と言うことばが語られたと伝えられています。

メシヤニックジューに対する迫害が急速に広がっています。オリディスさんは、アラブ人にもユダヤ人にも伝道をしていましたから、両者から狙われていました。主が、すべてのメシヤニックジューに、御守りの垣根をめぐらせて守ってくださいますように、ますます祈らなければならない時代になりました。

また、イスラエルに在住しているクリスチャンを全員追い出す動きが、波のように迫ってきています。ビザはいただけないで去っていかなければならないクリスチャンが増化しています。また、イランとシリヤの動きが、イスラエル攻撃準備に入っていると言うことが今朝のニュースでも語られていました。この日のためのハイナイト祈り会だと身にしみて感じられます。

このたびのアリエルでの出来事に対して、BFPは、大きく助けの手を伸べる用意をしています。どうぞ、捧げ物の一つとして、また、献金の一シケルとも無駄なく、ユダヤ人の人々がクリスチャンに愛されていることを知る基となりますようにお祈りください。

この翌日、被害にあった家から50mの別の家に「プリム・ギフト」が届けられました。その時家にいたのは2人の少年。兄弟は恐ろしくなって外出していた両親に電話しました。両親はすぐに箱から離れて警察に連絡する謔、指示しました。

警察によって開封されたギフトは、キャンディなどのお菓子、本物のプリム・ギフトでした。超正統派ユダヤ教徒の一派ハバッドからの贈り物でした。アリエルでは、緊張に満ちたプリムを過ごすこととなりました。

*ユダヤ教で次世代を育てる動き

メシアニック・ジューがイスラエルでもアメリカでも増えてきています。これに対抗してか、アメリカでは、ユダヤ人のアイデンティティを持つ、ユダヤ人らしいユダヤ人の次世代を育てるための新しい動きがあります。

一般的にユダヤ教のシナゴーグでは、聖書の教えにのっとり「ユダヤ人はユダヤ人と結婚することが大事」と指導してきました。しかし、アメリカでは非ユダヤ人の配偶者と結婚する若者があとを絶ちません。

結果、異邦人と結婚したユダヤ人一家がシナゴーグに行きにくくなりました。また家にはクリスマスツリーが飾ってあったりして十分「ユダヤ人」とは言えない子どもたちが増えているのです。

そこでシナゴーグでは「ユダヤ人の子どもを育てよう」とスローガンを変え、ユダヤ人+異邦人カップルをシナゴーグに積極的に迎え入れる方針を取り始めました。クリスマスツリーも認めます。

ツリーに関してはは譲っても、過越の祭りや贖罪の日、仮庵などを家庭で実施し、土曜日にはシナゴーグに来る習慣さえできれば子どもはユダヤ人になることを選び取るだろうという見通しです。

実際、アメリカでは、成人の40%が自分の意志で宗旨を変えるという統計がでているのです。ユダヤ教では普通積極的な宣教はしないのですが、最近は違ってきているようです。

<祈り>

  1. アリエルのメシアニック・ジューの会衆を覚えて。
    少年とその家族の癒しのために。
  2. メンバーが初代教会のように恐怖に負けず、大胆に証できるように
  3. 全国のメシアニック・ジューを覚えて

■ ヒズボラの脅迫

ヒズボラの超大物指導者ムグニエがダマスカス(シリア)で暗殺されてから40日。これを記念して23日、ベイルート郊外で記念集会が行われました。追悼集会には数千人が参加したと推測されています。彼の暗殺によって、ヒズボラの戦意が上がったと言われています。

集会が行われた地点から数キロのところに、ヒズボラ戦死者の墓地があり、ムグニエも葬られています。先月より墓に参拝に来る人が急激に増えました。ムグニエは軍事部門の最高司令官として、数々のテロを計画実行し、数百人を殺した人物です。

ムグニエは死んでからなお敬意を集めており、今は抵抗運動のシンボル、抵抗運動推進のためのささげものとみなされています。

ヒズボラは、ムグニエを暗殺したのはイスラエルであるという動かぬ証拠を持っていると言い、イスラエルを激しく非難しています。イスラエルは関与を否定していますが、実際、イスラエルの諜報機関モサドはムグニエを追っていました。またアメリカ政府も、ムグニエを逮捕すべきテロリストのトップに2年前からリストアップして捜査をすすめていたのです。

追悼集会において、ヒズボラ党首ナスララは、イスラエルに対する「オープン・ワオー(全面戦争)」を再び呼びかけています。

(写真:イスラエル北部を守るイスラエル軍 ガリラヤ地方で演習中)

イスラエルはこれから過越の祭り、イスラエル建国60周年記念と重要なイベントが続きます。現在、イスラエル政府はイスラエル大使館、航空機などに対するテロへの警戒を強めています。

*イランの首都テヘランでは、バラク国防相、モサド長官らの写真が掲げられ、それぞれの額には射的のマークが描かれていました。

「動機は憎しみ」 ギラッド・シャロン (イディオット・アハロノット紙)

世界はイスラエルとパレスチナの和平交渉が成立すれば、アラブ世界の敵意は終わり、テロも終わると考えている。それは間違いだ。

アラブ世界の軍事地図にイスラエルは存在するが、一般の世界地図にイスラエルは存在していない。彼らはイスラエルの存在を認める気は全くない。またアラブ世界は、パレスチナ人を思ってイスラエルに敵意を持っているのでもない。もしパレスチナ人のことを思っていたなら、1967年以前に、彼らを支援して国を創ることもできたはずである。

また、彼らがイスラエルを攻撃するのは、貧しさからでもない。メルカズ・ハラブ・イシバを例に挙げれば、犯人は裕福な家庭の出身者だった。アメリカでツイン・ビルを攻撃した犯人の多くは、サウジアラビアの出身だった。作戦はサウジアラビアの組織から支援されていた。明らかにテロの動機は貧しさでもない。

イスラエルを攻撃するアラブ世界の動機は「憎しみ」である。動機が「憎しみ」である限り、何をもってしても平和をもたらすことはできない。世界もイスラエル人もこの事を知らなければならない。

<知られざる努力>

イスラエル軍がガザで大規模な掃討作戦を行っていた先月、臨月を迎えていたガザの女性が国境を越えて、イスラエル領内アシュケロンの病院に入院しました。ガザでは無事に出産することができないと言われたからです。女性は双子の赤ちゃんを無事出産し、23日ガザへ帰ることになりました。

イスラエルは1月にも3人のアラブ系イスラエル人医師を派遣し、ガザで医療支援を行っています。これらの試みが憎しみを溶かすことになるように。

*先週、アメリカのディック・チェイニー副大統領がイスラエルとパレスチナを訪問。ガザのハマスはパレスチナ人の将来を破壊していると非難しました。

また、学生の中には、テロに対する報復を叫ぶ者もおり、暴力に訴える者が出るのではないかとも懸念されています。イシバでは、報復は生徒たちのすることではないと指導しています。

<祈り>

  1. アラブ世界で憎しみに支配されている個人が解放されるように
  2. アラブ社会で福音を伝えている働きが祝福されアラブ社会に影響を及ぼすことができるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.