ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 137 また自爆テロが来る・・・?
ガザとエジプト間の国境が破壊され、2週間解放されたままでしたが、様々な兵器がガザに運び込まれた模様です。ネゲブの町ディモナで自爆テロがありました。女性1人が死亡。さらに自爆テロが起こる可能性があります。
南部スデロットではロケット弾が学校近くに着弾。それを受けてイスラエルが空爆。パレスチナ人6人が死亡しました。イスラエルに対するテロが増える可能性が高まっています。
第二次レバノン戦争の調査最終報告が出されました。オルメルト首相への個人的な弾劾は含まれておらず、首相の続投が決まりました。
今年もさらに不穏な空気流れるイスラエルですが、2008年の経済は成長率3.6~4.4%が見込まれると発表されました。主の御手がイスラエルの上にあります。主に信頼し、今週も祈りましょう。
(写真:1月末大雪にみまわれたエルサレムの通り)
イスラエルを贖う、その聖なる方、主は、
人にさげすまれている者、
民に忌みきらわれている者、
支配者たちの奴隷に向かってこう仰せられる。
「王たちは立ち上がり、首長たちもひれ伏す。
主が真実であり、
イスラエルの聖なる方が
あなたを選んだからである。」(イザヤ49:7)
前回、エジプトとガザの国境で、分離壁が破壊されたニュースをお伝えしました。大きく開けられた穴を通じてガザ住人75万人(全人口の半数以上)がエジプトへ入国。物資を調達してガザへもどったと推定されています。
穴は11日間、開いたままにされ、エジプトの国境警備隊が監視することもありませんでした。この間にRPG(誘導型ロケット弾)、抗戦車砲、カチューシャ・ロケットなどがガザ地区へ運び込まれました。
ハマスは最近、より長い射程のミサイルを入手しようとしているので、長距離誘導ミサイルが運び込まれた可能性もあります。(写真:カッサム・ロケットを準備するハマス)
28日、エジプトは修復工事を開始しましたが、ハマスが妨害し、エジプト軍と衝突。しかし、国境破壊から11日後の3日、エジプトは国境を完全に閉鎖し、ガザからの通行を遮断しました。4日、エジプト外務相は「誰でも越境する者はその足を折る」と明言しました。国境は正式には、パレスチナ自治政府とEU(ヨーロッパ連合)が監視統制することになっています。
人口150万人がガザという「牢獄」で貧しさに耐え、日々イスラエルからの攻撃を受けている姿は決して健全とはいえません。
もし、アラブ諸国が支援してエジプトがガザを吸収した場合、ガザ市民は正式な国籍を持ち、生活が改善することは十分考え得ることです。イスラエルは1967年にガザを統治下に入れて以来、エジプトがガザを吸収することを望んでいました。しかし、当時のエジプトはガザを受け入れようとはしませんでした。また昨年ハマスがガザを占拠しト以来、ガザとの関係はさらに希薄になっていました。
今回、国境がオープンになっている間にハマスは、イスラエルとの完全な「断交」を希望し、電力や人道支援をエジプトから受けることを希望していました。しかしエジプトから良い返事はなかった模様です。ガザ市民はまさに見捨てられた状態といえます。
4日、南部ネゲブの町ディモナの中心街にあるショッピングセンターで自爆テロがありました。ルイーボブさん(73才)が死亡。一緒にいた夫は意識不明の重体です。負傷者は計11人です。
テロリストは2人。一人が先に自爆。最初の自爆でもう一人は負傷し、自爆しようとした瞬間に警察に射殺されました。最初はガザから侵入したテロリストを思われていましたが、ファタハ傘下のアルアクサ殉教団が自爆者の遺言ビデオを公表したため、自爆者が西岸地区のヘブロンから来ていることがわかりました。
ガザとエジプト国境壁が破壊されてから、イスラエル政府はシナイ半島への旅行を控えるようにと警告。イスラエル南部は高い警戒態勢をとっていました。実際、この10日ほどの間に武器を持ったテロリスト15人がシナイ半島で逮捕されていました。
南部の町スデロットではカッサム・ロケットによる攻撃が続き、負傷者が続出しています。7日だけで40発が着弾しました。そのうちキブツに着弾したロケット弾で12才と2才の子どもを含む4人が負傷しました。しかし、幸い死者は出ていません。(写真:避難所で暮らすスデロ ットの家族)
カッサム・ロケットが自宅を直撃した家の女性は、直前に家を出て無事でした。女性は奇跡だったと証言しています。これらの動きを受けて、7日、イスラエル空軍がガザを空爆。7人のパレスチナ人が死亡しました。
* 5日には、カッサム50発近くがスデロットに着弾。イスラエル軍はこの日だけで19人(武装要員15人)を殺害しています。
一連の攻撃を受けて、イスラエルのバラク国防相は、病院などへの影響が内範囲で、ガザへの電力をさらに5%づつ削減することを発表しました。先週、イスラエルはディーゼルの供給を完全に停止しましたが、国際社会の圧力を受けて供給を再開しています。
1月30日、ヴィノグラード委員会が、レバノン戦争の最終調査報告を出しました(写真)。予想に反して、オルメルト首相の個人的な責任追及は直接的にはなされていませんでした。
十分な目標設定と戦闘計画がないまま戦争に突入した過失は厳しく追及されています。特に、停戦60時間前になってから予備役兵を含む大軍を投入し、そフ後の戦闘で33人の兵士が戦死したことが問題になっていました。
しかし今回の報告書では、イスラエル国防軍に問題の重点がおかれていました。国防軍はいかなる時にも国家防衛のための準備ができていなければならなりません。
しかし、今回は戦闘計画もないまま戦闘に入ったため、武器弾薬、食料も不足するという不備が目立ちました。
今回、オルメルト首相が名指しで弾劾されなかったのは、将来の指導者が決断すべきときに、決断できるようにするためだと、委員会代表のヴィノグラード氏は語っています。
「国家の防衛」と兵士一人一人の「命」の大切さはどちらも代え難い大切なものです。しかし、後者を意識しすぎると、国家防衛という判断基準が崩れるということで、今回の戦争では、後者が優先される傾向にあったため、的確な判断が遅れたと報告されました。
敵に囲まれているという独特の状況にあるイスラエルでは、「国家防衛」よりも「個人」を意識しすぎると、いかに強い軍隊をもっていても、滅びてしまう可能性があるという、きびしい現実が明らかになりました。
この結果を受けて4日、特別国会が開かれました。投票の結果、オルメルト首相続投に59票、反対53票で、首相の続投が決まりました。
しかし、オルメルト首相の辞任を強く訴えていた戦死者家族は、首相の続投に納得していません。(写真:戦死者の家族)
特別国会には戦死者家族、戦闘に参加した予備役が傍聴席に座っていました。オルメルト首相の冒頭演説中に、戦死者家族が「あなたは私の首相ではない!」と叫び、他の家族と共に退場させられました。
イスラエル銀行によると、イスラエル経済は2008年も成長が予想されるということです。成長率は3.6%~4.4%。主な成長の基となっているのは輸出です。ハイテク産業からアメリカへの輸出がさらに成長するものと考えられています。
また政府の出費も抑えられていることが考えられます。2008年、1月中にイスラエルが防衛費に当てたのは4億3000万シェケル(年間予算の8.6%)で、ほぼ計画通り。教育、保健社会保障部門では、4億7000万シェケルで年間予算の5.3%にとどまっています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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