ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 132 11月27日に決定
アナポリス中東和平国際会議(アメリカ・マリーランド州)の日程が決まりました。わずか1週間前になってようやく正式な招待状が関係諸国に送付されました。招待された国々は参加を検討中です。
オルメルト首相は会議を前に、アッバス議長への好意のしるしとして新たにパレスチナ人収監者を441人釈放、軍用車輌25台をパレスチナ側へ譲渡する約束をし、批判が高まっています。
先週、西岸地区では29才のイスラエル人男性が車で走行中に突然射殺されました。国際会議を前にテロ活動が活発になっています。現在、全国で厳重な治安体制がとられています。
イスラエルは今まで以上にとりなしを必要としています。聖霊に聞きつつとりなしましょう。
御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちはどのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。(ローマ8:26)
先延ばしになっていたアメリカ・マリーランド州アナポリスでの中東和平国際会議の日程が11月27日に決まりました。招待国への通知が出されたのは会議のわずか1週間前でした。以下の国々や団体が招かれています。
アメリカ | ブッシュ大統領 ライス国務長官 |
---|---|
イスラエル | オルメルト首相 バラク国防相 リブニ外相 |
パレスチナ自治政府 | アッバス議長 閣僚 |
国連 | バン・キー・ムーン事務総長 |
ヨーロッパ連合 | ソラーナ上級外交代表 フェラーロ・ワルドナー対外関係委員 ポルトガルのアマド外相(現在のEU議長国) |
ロシア | ラブロフ外相 |
カルテット特別特使 | ブレア元英国首相 |
アラブ同盟 | (代表)ムーサ事務総長 アルジェリア、バーレーン、エジプト、ヨルダン、レバノン、モロッコ、カタール、サウジアラビア、スーダン、シリア、チュニジア、イエメン |
その他アラブ諸国 | クエート、イラク、リビア、モーリタニア、オマーン、アラブ首長国連邦 |
8大先進国(上記以外) | フランス、ドイツ、イギリス、カナダ、日本 |
その他 | 中国、ノルウェー、トルコ、バチカン、ブラジル、オーストラリア |
この会議はイスラエルとパレスチナの共同宣言を世界各国が証人となり、二国家共存への一歩を固めようというものです。しかし、今のところイスラエルとパレスチナに実質的な合意点はなく、会議はただ「集まった」というだけに終わるのではないかという見解が広がっています。
エジプトのムバラク大統領は、「実際は会議後の交渉が重要である。たとえ合意点がなかったとしても、会議後の交渉についての指針や期限は決めておくべきだ」と語っています。
今回の会議では、パレスチナ問題そのものよりも、関係諸国がどのように「集まる」かが重要になってきています。アラブ最大のサウジアラビアは参加するのかどうか、どの国がどのレベルの代表を送るかによって、これからの中東における力関係に影響が及んできます。
もし、招待国が多数欠席したり、下級レベルの担当官だけしか派遣しなかった場合、議長国アメリカの顔に泥を塗ることになります。中東におけるアメリカの実際の影響力が下がり、今後の中東情勢に影響が出てきます。同時にアッバス議長に対するアラブ諸国の支持は小さいということが証明され、敵対するハマスが強大化する原因にもなりかねません。
現在、招待国はそれぞれ出欠について検討中です。アラブ同盟国については22日、エジプトのカイロで外相級の会議を開き出欠を決める予定です。
また今回アラブ穏健派諸国に加えてシリアが招かれています。シリアはイスラエルとの間にゴラン高原の問題があり、最近まで一触即発状態にありました。またレバノンの前ハリリ首相の暗殺にも関わっていたとされ、シリアとレバノンはこげついた関係のままです。シリアも会議に同席することがどのような結果をもたらすのか注目されています。
* 23日、サウジアラビアとアラブ同盟諸国は、アナポリスに外務大臣を派遣することを決定しました。アメリカ、イスラエルはサウジアラビアの参加を歓迎しています。シリアについてはまだ参加は決まっていません。
オルメルト首相は、国際会議を前に、アッバス議長への好意として新たにパレスチナ人収監者441人を釈放しました。釈放された収監者の中にはガザへ帰ったハマスのメンバーもいました。アッバス議長への好意のはずが、アッバス議長の敵であるハマスを支援したとして批判されています。
さらにオルメルト首相は軍用車輌25台(武器を装備している)をパレスチナ自治警察に譲渡することに合意しました。西岸地区ナブルスの自治警察が使用することになっています。軍用車輌の譲渡は、これまで国防軍が反対し続けてきた懸案事項でした。
野党第一党のリクードは「オルメルト首相の道徳観念(パレスチナ側の支援をする一方でイスラエルには不利なことしか行わない。どちらの首相なのかわからないということ)は悪くなる一方だ。」と激しく批判しています。リクードのネタニヤフ党首は、これらの武器は将来必ずハマスの手中に陥ると指摘しました。
アッバス議長の要求はイスラエルとの国境線を1967年(六日戦争)以前のものにするということです。この国境線を採用すると、エルサレムは再び東西に分割され、東側がパレスチナ側に入ることになります。
7年前、当時のバラク首相(現国防相)も同じ交渉を行い、アラファト議長に東エルサレムを譲渡しようとしました。これに対し、当時40万人が「エルサレム再分割反対」のデモを行いました。今回、オルメルト首相が7年前と同じ交渉をしようとしていますが、今のところ大規模なデモは起こっていません。
しかし、「黄金のエルサレム・キャンペーン」と称してインターネットを通してのアピールや署名が行われています。また「統一されたエルサレム」をイメージした金色のリボンを身につけたり、車にステッカーを貼るなどのキャンペーンが行われることになっています。
国際会議を前に、テロの危険性が高まっています。19日、サマリヤ地方でイド・ゾルダンさん(29)の運転する車が、待ち伏せしていたテロリストの車輌から至近距離で銃撃されました。救急隊がかけつけましたが、ゾルダンさんの命を救うことはできませんでした。妻と3才の息子、1歳半の娘が残されました。
* ゾルダンさん一家は2005年、ガザから撤退し、西岸地区入植地のシャベイ・ショムロンに引っ越してきた家族でした。ゾルダンさんの知人らはオルメルト首相がテロリストを釈放したことが原因だと訴えています。
ハマスはアナポリス国際会議に強く反発しており、イスラエルにテロの波がおこると怒りをあらわにしています。現在、イスラエルではパトロールが強化されるなど全国に厳重な警戒態勢がとられています。
日々ロケット弾をあび続けているスデロットやアシュケロン。イスラエル南部の住民たちは、オルメルト首相が南部の危機を無視する形で国際会議に出席し、パレスチナとの和平を検討していることに強い抗議の声をあげています。
そのスデロットには70年前から続くハヌカのろうそく工場があります。独占企業なので、全国で使われるカラフルな家庭用ろうそくは、すべてスデロットから来ることになります。現在、来月のハヌカを前にして、生産が急ピッチで進められています。
主のあわれみ、希望の光がスデロットにともされているようです。
イスラエル全国の学校の教師が、賃上げなどでストライキに入ってから5週目になりました。交渉は未だ膠着し、この間、学校は休みになったままです。高校生たちは勉強の遅れを懸念して、自主学習を行っています。このままストが続けば、夏休みを返上して遅れをとりもどさなければならない大学もあります。
イスラエルのメシアニック・ジューの青年たちが、12月9~11日にハヌカの特別集会を計画しています。このままストが続けば開催が難しくなる可能性があります。
エルサレムポストによると、高校生たちがひとつの教室に入りうる人数で記録を作り、ギネスブックに登録されました。これは教師のストに対するデモとして行われたものでした。
20日は国際子どもデー。中央統計局の発表によると、イスラエル在住の17才以下のユダヤ人の子どもの数は163万3100人でした(2006年のデータ)。これはイスラエルにおけるユダヤ人人口の30%に登り、先進国の中では高い方に入ります。
しかし、これは全国平均であって、地域によって格差がみられます。子どもの人口密度が最も高い地域は、正統派ユダヤ人地区で、住民の63%が子どもです。一方、近代都市のテル・アビブの子供の人口密度は20%でした。
現在イスラエルで、貧困のため社会保障を受給している子どもの数は40万人です。このうち26万人(65%)がユダヤ人の子どもです。
2005年中、イスラエルでは17才で結婚した女子が1600人以上ありました。(内、84%はアラブ人)。先週イスラエル政府は結婚できる年齢を17才から18才に引き上げることを可決しました。早い結婚が若い女性の体に害を及ぼすとの結果が出たためです。
20日、イスラエル全国でマグニチュード4.3、22日にはマグニチュード4.1と地震が続いています。震源地は死海。
被害は特にありませんでしたが、大地震への備えがないことが指摘されています。イスラエルには石造りの家が多いため、大地震の際には多数の死者がでると予想されています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
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