今回のZIONは、MOL(命の行進)主催のツアーで、ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所などを訪問した後、イスラエルへ渡るという特別なツアーでした。
ポーランドでは、世界中から集まったユダヤ人の若者たちと一緒に、アウシュビッツ~ビルケナウの強制収容所の間を共に行進するというプログラムに参加しました。ホロコーストでの出来事は、写真や映像、本などを通して知っていたつもりでしたが、いざ現場に行くと写真や本などでは伝わらない想像を絶する苦しみがここにはありました。強制収容所の中には、当時のユダヤ人の靴の山、鞄の山、髪の毛の山などがたくさんあり、現実とは思えない光景を目の当たりにしました。
また、ユダヤ人は、殺虫剤である毒ガスで大量虐殺されました。虫を殺す感覚でたくさんのユダヤ人の命が奪われていったこと。人間として扱われていなかったという現実を突き付けられました。ガス室には爪で引っ掻いた後が生々しく、当時の苦しみが残っていて、この場所が苦しみを覚えているということが、とても伝わってくる、そんな場所でした。人間がもともと持っている罪に加え、サタンの憎しみ、嫉妬によってたくさんのユダヤ人が殺されたんだと思いました。神さまに選ばれた民として生きてきたユダヤ人、そして彼らの通ってきた歴史の重さと、私の信仰の薄っぺらさにとても考えさせられました。
また、ここを訪れた者の責任として、この現実をどうやって他の人たちに伝えていかなければいけないのか。とても考えさせられたのと同時に覚悟を迫られた気がしました。
そして、たくさんの絶望を見せられた後、神さまは私たちに希望も見せてくださいました。それは、一人の女性との出会いでした。彼女は当時、杉原千畝さんにビザを書いてもらい、生き残った方でした。こんな奇跡的な出会いを神さまが用意してくださって本当に感動したのと同時に、千畝さんが命懸けで彼らを守った使命が、今の時代の私たちに託されたような気がしました。
その後、イスラエルへ渡りました。イスラエルでの印象的な出来事は、独立記念日を体験することができたことです。独立記念日の前日の夜、エルサレムの街はお祭り騒ぎでした。夜の街に出て行くチャンスがあったので、街に出てみると小さい子どもから、お年寄りまでみんなが喜びであふれていました。
建国して68年たっていますが、彼らは、建国がたった今起こったかのように喜んでいる、喜び続けている。ユダヤ人と共に建国の喜びを味わった時、彼らの喜びが私にまでうつり、今まで体験したことのない喜びを味わうことができました。彼らの歴史を見ると、絶望や苦しみが多いけれど、絶望や苦しみに打ち勝つものは、神さまが与えてくださる喜びなんだという確信が与えられ、今までの自分の感覚が変えられたのを体験できました。
また、独立記念日の当日は、たくさんのユダヤ人と共に街を行進したり、夜の式典ではツアーメンバーである、ナイトdeライトさんがイスラエルのために書いてきた歌を式典の舞台で披露してくださいました。独立記念日というイスラエルにとって特別な日に、イスラエルの民と異邦人が一つとなっている姿を見ることができて本当に感動的でした。
今回、ホロコーストの悲しみを見てユダヤ人と共に悲しんだり、独立記念日の喜びをユダヤ人と共に喜べたことを通して、この聖書の箇所を体験できたことが感謝です。
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい。」(ローマ12:15)
このツアーで、ユダヤ人の通ってきた歴史の一部を体験することで、神さまはイスラエルの民を決して忘れていないこと、神さまのイスラエルに対する愛とご計画を見ることができました。また、今回はロストバゲージなど面白いハプニングもあって、一生忘れられない楽しい思い出ができ、また素晴らしいメンバーも与えられ、祝福がたくさんのツアーでした。このツアーのために支援してくださった足長おじさんと、素晴らしい神さまに心から感謝を捧げます♡♡
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