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プロジェクトレポート

貧困下にある160万の人々に食料を

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

「イエスは群集に教えられていたとき、突然話を止めて仰せられました。
『かわいそうに、この群衆はもう三日間もわたしといっしょにいて食べる物を持っていないのです。』」(マルコ8:2)

このみことばを読んだとき、私はつい先ほど読んだ「イスラエルで最も貧しい人々の悲惨な状況」と題されたエルサレムポスト紙の記事を思い出しました。

変化をもたらす

その記事は、バル・イラン大学とプリストル大学の研究者が、イギリスとイスラエルの貧しい人々の実情を比較したものでした。その結果分かったことは、イギリスよりイスラエルのほうが貧困の度合いが深刻で、社会的に孤立しているということでした。

また、厚生大臣のイツハク・ヘルツォグ氏は、貧困者の状況が悪化していることで絶望感が増し、暴力の増加にもつながっていることを警告していました。別の記事には、食べるために食料を盗む子どもたちがおり、貧困家庭の子どもの45%が温かい食事を1日に一度も取れずにいると書かれていました。

イエスさまが地上にいらしたとき、4000人を養い、それから5000人を養われたことがありました。あのときと同様、主は今日もご自分の兄弟であるイスラエルの民を養いたいと願っておられると思います。そしてその主の思いを受け取り、愛をもって人々に食料を届ける手足の働きを私たちに求めておられるのではないでしょうか。

BFPでは現在、49のさまざまな地域に住む約2万7000人に食料支援を行っています。私たちが提供する食料によって、彼らの生活、特に大家族に大きな変化が起こっています。17歳を筆頭に幼い子ども7人を抱える家族はこう語っています。「食費が節約できるお陰で、教科書など子どもたちに必要なものを買うことができるようになった」と。皆様の援助のおかげで、食費を三分の二も削ることができたと語ってくれた家族もありました。私たちが提供する食物は〝食育〟に役立つ食材をよく吟味しているので、母親たちはバランスのとれた栄養価の高い食事を作ることができるのです。

イネスさんという女性は、毎月私たちから食料を受け取っています。彼女は二人の子どもを持つシングルマザーです。二人のうち一人は学生、もう一人は成人しています。彼女は8年前にイスラエルに帰還しました。ほとんどの移民がそうであるように、彼女もまた生活が安定するまでにありとあらゆる苦労をしました。それでもイスラエル社会に適応しようと必死に頑張っていた矢先、血液の病気にかかっていることが分かり、仕事ができなくなってしまいました。毎月、国民保険から450ドル(約4万円)の障害者給付金を受け取っていますが、この金額ではワンルームのアパートの家賃すら払えません。彼女が置かれた状況は非常に厳しく、絶望の日々を送っていました。そんな彼女が日々の食料を私たちから得ることができるようになり、彼女は皆様にどう感謝してよいか分からないほどの感動を覚えています。

次世代の子どもたちにも祝福を

北部フードバンクのドライバーのフィリップが、イスラエル北部のハイファのある町で、毎回熱烈な歓迎を受けていることを話してくれました。彼はユダヤ教超正統派の住む地域に食料を届けています。豚を食べる異邦人には決して触れることがないラビが、満面の笑顔で彼を抱き寄せながらあいさつをしてくれるそうです。しかも、一人で現れるのではなく10歳から11歳の7~8人の生徒を一緒に連れてくるのです。トラックが着くやいなやその少年たちは走り寄ってきて、喜んで食料を降ろすのを手伝ってくれます。男の子たちは誰が坂の上までカートを押していくのかを競争し合い、食料の袋詰めまで手伝ってくれるのです。

荷降ろしを手伝う正統派ユダヤ人の生徒

彼らは、この食料がユダヤ人を愛するクリスチャンからの贈りものであることを知っています。ラビが若い生徒たちにクリスチャンと仲良くする方法や、同じユダヤ人の貧しい人々を助ける方法について教えているのを見て、フィリップは驚きました。正統派ユダヤ人の次世代の子どもたちへの教育の一部まで担えるとは何という祝福でしょうか。

私たちは毎月2万7000人に食料を供給していますが、統計上の数値に圧倒されてしまいそうです。というのも、まだ160万以上の人々が貧困ライン以下の生活を強いられている上、そのうちの40万人が生死に関わる深刻な状況下に置かれているからです。BFPのフードバンクはイスラエルで最大級の食料支援施設の一つです。それでもまだ、ほんのわずかの人々の必要しか満たしていません。人口の割合で考えると、イエスさまが4000人を養われたのに対して、66人しか養えていないことになります。イエスさまは、イスラエルの人々―彼らの多くは過去20年の間に移住した―をご覧になって、彼らをとても哀れんでおられると思います。イエスさまは、私たち―現代の弟子たち―に飢えている者に食料を与えることを願っておられるのではないでしょうか。

私は今、祈っています。「ああ、主よ。私たちがあなたの手や足となり、あなたの愛のうちに、困っている人々に助けを差し伸べることができますように。おお、主よ、私たちの手元にある食料を増やしてください」と。皆さんの思いやりと捧げものに心から感謝します。私たちはイエスさまがなさったように、共にイスラエルの人々を養っているのです。皆様がイスラエルの民を祝福してくださるように、神も皆様を祝福してくださるよう心から祈っています(創世12:3)。また、皆様それぞれの国にも主が祝福と助けの手を伸べてくださいますように!

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