プロジェクトレポート

祝福がもたらす祝福

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

パウロは宣教に赴く際、「貧しい人たちをいつも顧みるように」(ガラ2:10)との命を受け、遣わされました。聖書には、聖徒たちを支えるために惜しみなく施す信者たちの姿を数多く見ることができます。そこには、神の祝福もまたあふれています。

BFPメンバーの訪問を心待ちにしてくださっている方々 Hannah Taylor/bridgesforpeace.com

イエスは、ルカの福音書6章38節で重要な原則を教えられました。
与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人々は量りをよくして、押しつけ、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです

また、マタイやマルコの福音書では、裕福な青年がイエスのもとに来て、「永遠のいのちを得るためには、どんな良いことをしたらよいのでしょうか」(マタ19:16)と質問をした話が載っています。これに対し、イエスは「あなたの持ち物を売り払って貧しい人たちに与えなさい」(マタ19:21)と語られました。

マタイの福音書25章では、主がすべての国民を裁かれる時、「あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにした」、その行いによって裁かれると語られました。実際、聖書は、貧しい人たちを顧みるようにと一貫して語っています。

イザヤ書58章10-11節に次のように書かれている通りです。「飢えた者に心を配り、悩む者の願いを満足させるなら、あなたの光は、やみの中に輝き上り、あなたの暗やみは、真昼のようになる。主は絶えず、あなたを導いて、焼けつく土地でも、あなたの思いを満たし、あなたの骨を強くする。あなたは、潤された園のようになり、水のかれない源のようになる

神さまがBFP(ブリッジス・フォー・ピース)とそのメンバー、そしてご支援くださる皆様を祝福してくださる理由の一つはここにある、と私は信じています。BFPは、イスラエルにいる必要を抱えた人々に日々愛の手を差し伸べています。彼らの多くは、聖書預言の通りに、主の召命を聞き、地の四隅から集められた新移民、もしくはその子どもや孫たちです。他にも、BFPのクリスチャン・ボランティアたちは多くのホロコースト生存者の方たちを訪問し、定期的に食料をお送りしてお仕えしています。

●ホロコーストで家族全員を殺されたハンナは、自分だけが生き残り、たった一人で生活していかざるを得ませんでした。

●ラトビアにいたリヴカは家族と共にナチスから逃れようと、真夜中に裸足で森の中を逃げ、安全なロシアへたどり着こうと必死でした。暗闇の中、父親の姿を見失ったその瞬間、背後から聞こえてきたのは父親が射殺された銃声でした。

●「BFPは食料と共に暖かな日差しを運んできてくれるようだ」とローズは思っています。

お届けする食料は、ボランティアスタッフが心を込めて準備しています 
Photo by BFP本部

●キエフから帰還したマヤは、ユダヤ人3万3千人が銃殺もしくは生き埋めにされたバビヤールの大虐殺で、家族のほとんどを失い、自分と母親だけが助かりました。戦後、80歳になった母親とがんを患っている夫、そして知的障害を抱えた娘と共にイスラエルへ帰還しました。マヤはたった一人で三人の面倒を見なければならず、ヘブライ語学校にも行けず、仕事にも就けませんでした。母親と夫を看取った後は、耐え難い孤独感にさいなまれながらも、女手一つで娘の世話を続けています。今では自身も肺の病を抱え、酸素吸入器を手放せない状態で、外出もままなりません。BFPが配達する食料だけでなく、その訪問と交わりをとても喜び、感謝してくれています。アパートを去る時、彼女はふとロシア語で「『私のこと、忘れないでいてくれてありがとう』と、どうか皆さんにお伝えください。私の存在を覚えていてくれて本当にありがとう!」と言いました。

私たちの働きは、日ごとの糧を運ぶこと、そして高齢者に寄り添うことだけではありません。悲しいことに多くのホロコースト生存者は、自身が体験してきた残虐行為や脅威は、クリスチャンによるものだと信じています。今こそ、その傷を乗り越え、決して裕福とは言えない彼らのアパートに、無条件の愛、慰めと交わりをもたらしたいと願っています。それは私たちクリスチャンの召しであり特権です。暖かな日差しと共に食料を届け、神ご自身の御心を示し、神を愛し、ユダヤ人を助けたいと願うクリスチャンの心を表すのです。

想像してみてください。食料を配達しながら、小さなアパートのソファに座って共に過ごす時間を―。苦労して節くれだった手を握りながら、彼らが分かち合ってくれるその心に耳を傾ける時間を―。

骨に染みるような孤独の中で、私たちの訪問を何日も前から待ち望み、当日は居ても立ってもいられず外に出て、私たちの到着を待ってくれているお年寄りの笑顔に、何度涙が出そうになったことでしょう。不自由な体を引きずりながら、私たちを喜ばせようと家にあるお菓子をかき集めて、何度もお茶を勧めてくれるその思い。「晩年になって、クリスチャンの友達と出会えて良かった」と、心の底から言ってくれる彼らの表情も声も、その場所に立ち込める空気さえも愛おしく感じます。これらをすべてパックにして、皆様お一人おひとりに届けることができたら、どんなに素晴らしいか…と、毎回思います。そして、私たちをこの場所に送ってくださっている皆様のご支援と祈りに、尽きせぬ感謝があふれてきます。

私たちがこのような行動を取る理由は、イエス・キリストを愛しているからです。神と共に働くことができるということは、最も素晴らしい特権です。それを知っているからこそ、私たちはこのご奉仕に人生を捧げています。その代わり、神の豊かな祝福があります。BFPファミリーとして加わってくださる皆様に、心からの感謝を申し上げます。

私たちの働きは、人々の人生の深い部分に素晴らしい方法で触れる働きです。過去の深い傷から人々を立ち直らせ、日々の行動に主ご自身を反映させることができます。「食料支援」への皆様からのご支援により、イエスさまの最も小さい兄弟たちに暖かな日差し、励ましと愛を運ぶことができるのです。

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