プロジェクトレポート

名前の背後にある物語

文:ピーター・ファスト(BFP 国際会長・CEO)

BFPは里親プログラムを通じて、
これまでに5千人以上の新移民をサポートしてきました。
彼らは、物資支援にとどまらず、精神的な支えも得ています。

Photo by McCoy Brown/bridgesforpeace.com

数千年前、主は預言者イザヤに、はるか先の未来についてお示しになりました。それは、神が地の四隅に散らされたユダヤの民を集め、約束の地へ連れ戻すという出来事です。同じ幻の中で、さらに主は、帰還において諸国民が果たす役割も示されました。

神である主はこう言われる。『見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を諸国の民に向かって揚げる。彼らは、あなたの息子たちを懐に抱いて来る。あなたの娘たちは肩に担がれて来る』」(イザ49:22

諸国民、つまり私たちが、神の旗を揚げ、ユダヤ人の息子たちを懐に抱き、娘たちを肩に担いで連れ帰るのです。故郷へ帰るようにという神の呼び掛けに応じた人々を、私たちが受け入れ、その生活を支えるようにと神は招いておられます。

イザヤは、幻の中で誰を目にしたのでしょうか。もしかしたら、それは皆さんかもしれません。

リストに記された名前

エルサレム本部内の「里親プログラム」のオフィスには、名前と番号が印刷された一枚のリストがあります。BFP(ブリッジス・フォー・ピース)は里親プログラムを開始して以来、これまでに5165人を支援してきました。その数字の一つ一つに名前があり、名前の背後に物語があります。

ミジャルさんは学生です。単身で帰還し、イスラエルに頼れる身内はいません。学業と非常勤講師の仕事を両立しながら、わずかな収入で新生活を築こうと奮闘する彼女に、里親プログラムでは毎月食料をお渡ししてきました。

「食べ物以上に私が胸を打たれたのは、支援の背後にいらっしゃる人々の優しさでした」。そう彼女が最近語ってくれました。「食料の準備ができたことを知らせるメールを受け取ったり、中にささやかな贈り物が入っていたりするたびに、心から気遣い、助けたいと思ってくれている人たちがいるのだと実感しました。それによって、私は一人ではないと思えたのです」

ミジャルさんは無事に学位を取得し、新たな人生を築きつつあります。皆さんのご支援が彼女の支えでした。

アレクサンドルさんの家族は1941年、まだ乳児だったアレクサンドルさんを連れてソ連を離れ、ホロコーストを間一髪で逃れました。それから数十年後、ウクライナで暮らすアレクサンドルさんと妻ニーナさんの生活を、今度はロシアとの戦争が打ち砕きます。23年2月、既に80代となっていたご夫妻は娘のそばにいることを望み、イスラエルへの帰還を果たしました。がんを患っていたアレクサンドルさんは、到着後すぐに治療を開始。私たちは、そのすべての過程を共に歩みました。

アルテミーさんとアンナさんが帰還したのは、今から1年半前のこと。政府の定住支援で家賃は賄えたものの、食費や交通費の余裕はありません。里親プログラムで毎月の基本的な食料需要の90%を賄えると知った二人は、大喜び。おかげで日々の生活を心配せずに、ヘブライ語の習得や職探しに専念できました。

彼らは25年8月、最後の語学プログラムを修了し、アルテミーさんは契約社員として就職。アンナさんは勤務先で最も優秀な歯科助手の一人となり、さらに専門的な研修を受けることになりました。将来的には看護師への転身を目指しています。生活に余裕が生まれたおかげで、二人の未来は明るいものとなりました。

ミハイルさんとエカテリーナさんは先日、私たちに手紙を送ってくれました。「皆様のご支援は、経済的な支えだけでなく、新しい環境に適応していく過程で私たちの精神的支えにもなりました。スタッフの皆さんは、笑顔と細やかな気配り、心からの優しさで迎えてくれました。一つ一つの言動から思いやりが感じられ、私たち家族にとって掛け替えのない支援となりました」

交通費や食料品というささやかな贈り物であっても、心の支えとなり、見守られているという安心感をもたらします。これこそが支援の本質です。

故郷へ帰ることの代償

帰還は信仰と従順の現れです。と同時に、現実的な観点から言えば、生活基盤を築く前に経済的に破綻(はたん)しかねない一歩でもあります。

イスラエルは現在、先進国の中で4番目に物価の高い国。アーロン研究所の調査によると、食料品の平均価格は、オーストリアやスウェーデンといった裕福な欧州諸国より21%も高いです。

経済基盤もなく、ヘブライ語も話せず、頼れる人脈もない新移民たち。そんな彼らがイスラエルにどのような印象を持つかは、最初の数日あるいは数週間の経験で決まります。

神からの招き

「里親プログラム」が他の多くの支援と異なる点は、継続した支援であることです。新移民が社会に溶け込むための全過程を共に歩みます。語学習得や就職活動、孤独の中で「この選択は正しかったのか」と迷い、誰かに「正しかった」と励ましてもらいたい瞬間があります。

BFPチームが、温かさと真心と思いやりをもって食料を手渡し、一人ひとりの名前を忘れないように覚える時、次のメッセージを伝えることになります。「あなたは見守られています。一人ではありません。地球の反対側にいる方々が皆さんの名前を覚え、皆さんが『家』に戻ってきたことを喜んでいるのです」

神はイザヤにこの時代についてお示しになり、エレミヤを通してそれを告げ(16:14〜15)、エゼキエルを通して宣言されました(36:24)。私たちは、それらの成就を目撃している世代です。神は、諸国民がそれぞれの役割を果たし、神の旗を揚げ、彼らを腕に抱いて家に連れ帰り、肩に担いで運ぶよう求めておられます。

ミジャルさんは学位を取得し、アンナさんは看護師になるための訓練を受け始めました。がん闘病中のアレクサンドルさんは回復の途上にあり、ミハイルさんとエカテリーナさんは生活基盤を築きつつあります。リストに載っているお一人おひとりの名前の背後には、彼らを支援することを決意された方々がいます。その誰かの支援によって、新移民は新しい人生を踏み出すことができました。

皆さんも、その「誰か」になってくださいませんか。「帰還者支援」を通じてぜひご支援ください。そうして、神が諸国民に差し出された招きを受け入れましょう。

新しい地で生活を始めた新移民へのご支援は、「帰還者支援」をご指定ください。特定の里子さんへの継続的なご支援は、「継続支援:里親(年間サポート)」をご指定ください。
ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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