文:ピーター・ファスト(BFP CEO)
国内で戦争が勃発した時、
人々が他国へ避難するのは当然の流れです。
一方、イスラエルでは、
人々が祖国に戻ってくるという逆の現象が起こっています。
下 Photo by LLHZ2805/wikimedia.org
戦争が勃発して以降も、イスラエルに移住してくるユダヤ人は後を絶ちません。事実、アメリカやフランスのように豊かで安全な国に暮らしてきた人々が、そうした生活を捨て、テロリストに直面する国に移住してきています。2023年、実に37カ国以上から4万6687人がイスラエルへの移住を果たしました。
テロ集団は国境を突破し1200人以上を虐殺し、5千人近くを負傷させ、250人以上を拷問やレイプ、餓死させるために自らの領土に引きずり込みました。そんな中、イスラエルで人生を再スタートする動機はどこにあるのでしょうか。
理性に反する行為のようにも見えますが、実際には理にかなっています。なぜなら、移住のただ中に“主”がおられるからです。2千年もの間、世界中にいる多くのユダヤ人がエルサレムに向かい一日に三度祈りを捧げてきました。過ぎ越しの祭りのたびに「来年はエルサレムで!」と宣言してきました。イスラエルで休暇を過ごし、イスラエルに留学し、イスラエルとのきずなを深める特別ツアーに参加し、イスラエルの日々の出来事に関心を寄せてきました。
帰還という神の約束
主がシオンを再建され、この地に連れ戻してくださるという約束を多くのユダヤ人が信じています。この約束は、預言書に63回も出てきます(例:イザ11:12、エゼ36章など)。神は、「ご自分の宝の民」(申7:6)あるいは「わたしの瞳」(ゼカ2:8)と呼ばれたイスラエルと契約を結ばれ、決してそれを破ることはありません(例:創15章や詩105:7〜11)。主は、イスラエルに対しても、私たちクリスチャンに対しても、ご自分の目的、計画、約束を永遠に守られる誠実なお方です。
だからこそ、帰還の論理は揺らぎません。この驚くべき奇跡の背後に、神がおられるからです。聖書から学べる重要な真理の一つは、神の召しに応じることは正しいということです。アブラハム、モーセ、ダビデ、弟子たち、使徒パウロなどの例を思い起こしましょう。
神は不可能を可能にすると言われました。エゼキエル書37章にある枯れた骨の幻も、一見すると不可能に見えます。神は預言者に、干からびて命を失った骨の幻を見せ、「これらの骨は生き返ることができるだろうか」と尋ねました。この骨はイスラエルの民を象徴しています。この幻のクライマックスは超自然的で圧巻です。骨々が一つになり、肉が生じ、皮膚で覆われ、新しい命が吹き込まれるのです。「……わたしの民よ、見よ。わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓から引き上げて、イスラエルの地に連れて行く」(エゼ37:12)
近代の帰還が1880年代に始まって以来、何百万人ものユダヤ人が祖国に戻ってきました。ある人は迫害や暴力、貧困を逃れて、ある人は快適な生活に別れを告げて――。帰還を選択した理由は千差万別です。船や飛行機を乗り継ぎ、あるいは徒歩でイスラエルを目指した人もいました。「シオンに足を踏み入れ、二度と離散しないように」という心の呼び掛けに応じ、ユダヤ人はホロコーストの灰の中から、あるいはロンドン、パリ、ニューヨークの街路から帰還してきました。帰還を呼び掛けているのは神ご自身です。
神を拒絶する世界にとって、戦争中の国に移住するという選択は無謀に見えるかもしれません。しかし、神の働きは、世間が「普通」や「賢明」と見なすものを超越しています。人は「安全」や「快適な生活」「物質的な豊かさ」に焦点を当てますが、神は快適な船から一歩を踏み出すよう、契約を結ばれた者に呼び掛けられるのです。世の定義からすれば無謀と思えても、神は私たちが「居心地が悪い」と感じるまさにその空間で働かれます。
闇を抑え光を輝かせる
昨年10月7日にハマスがイスラエル国民を攻撃してから一日もたたないうちに、多くのユダヤ人が帰還の準備を始めました。彼らは、快適な生活を捨て、イスラエル国防軍に入隊しハマスの闇を押し返す光となるため、イスラエル国民となる最終ステップを踏み出したのです。
ヘブライ語ではハマスは「暴力」を意味します。それこそがこのテロ組織の本質です。200万人ものガザ市民を暴力思想によって支配し、100人以上ものイスラエル市民を地下トンネルなどに人質として拘束し続けています。
Photo by Michio Nagata/bridgesforpeace.com
BFP(ブリッジス・フォー・ピース)は、闇を抑えて光を輝かせるために活動してきました。光をより一層輝かせるために協力してくださるクリスチャンたちの存在は、大きな励ましです。そのおかげで私たちは、ホロコースト以来最大のトラウマを経験している国家に移住してくるユダヤ人を支援することができています。
移住を助ける「救出作戦」へのご支援をぜひご検討ください。神の呼び掛けに応じイスラエルを故郷としたユダヤ人に、共に光をもたらしませんか。光は闇に打ち勝ちます。闇の暴挙を許しますか。それとも光を選び(Ⅱペテ1:18〜20)、力と勇気を求めて神に叫び、ユダヤ人が祖先の地に帰るのを助け、神の計画に参加しますか。光と命を選びましょう!
世界中から帰還してくるユダヤ人へのご支援は、「救出作戦」へお願いいたします。
ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。
※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。