プロジェクトレポート

トラウマの中で見いだす光

文:ピーター・ファスト(BFP CEO)

建国以来、イスラエルは戦争やテロに見舞われ続けてきました。
多くの市民が、愛する家族や友人を失うという悲劇を経験しています。
そんな彼らを慰めるため、BFPは「テロ被害者支援」を続けています。

BFPは、テロなどで愛する家族を失った若者たちを支援しています
Photo by BFP

大切な家族を失った時、残された家族はトラウマに襲われ、深い悲しみ、別離の傷、やりきれない思いを味わいます。家族が亡くなった直後は、人生で最も傷つきやすい時期だと言えるでしょう。家族の喪失は悲劇的な経験であり、その後の人生を大きく変える出来事です。遺族は、そうした生活の変化にも対応していかなくてはなりません。

イスラエルはこれまで数々の戦争や無数のテロに見舞われ、そのたびに国家として損失を味わってきました。繰り返されるこのトラウマは、イスラエルという国に深刻かつ永続的な影響を及ぼしています。何十万人ものイスラエル市民がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、遺族は満たされない思いを抱え、傷つきやすく、心を破壊する力に打ち勝ちたいと願います。それが彼らの日々の現実です。

今年の戦没者追悼記念日(戦死者とテロ犠牲者を追悼する日)には、エルサレムにユダヤ人居住区が築かれた1860年以降、国を守るために倒れた2万4213人を追悼しました。テロで殺された民間人は4255人に上ります。昨年の同記念日以来、31人の市民が殺害されました。うち18人は、2023年が明けて数カ月のうちにテロで死亡しています。犠牲者の中には、2組の兄弟(ヒレル&ヤゲル・ヤニヴ氏、アシェル&ヤコブ・パレイ氏)と、ディー家の3人(母ルーシーさん、娘のマイアさんとリナさん)が含まれます。この恐ろしい殺人事件は、イスラエルに深い悲しみをもたらしました。

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)は、「慰めよ、慰めよ、わたしの民を。――あなたがたの神は仰せられる――」(イザ40:1)という呼び掛けに応じ、喪に服す方々の人生に愛の光をもたらそうと努めています。世界中のクリスチャンを代表し、悲嘆に暮れるイスラエルの人々に神の慰めをお届けしています。「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるからです」(マタ5:4)と聖書にあるように、この活動は神の御心にかなっていると信じます。愛する人を失い、砕かれた心は、彼らのために祈るクリスチャンから流される神の愛によって慰められ、支えられる必要があると感じています。

コビー・マンデル財団主催のキャンプに参加した若者たち
Photo by BFP

BFPでは毎年、イスラエルのために命を失った家族を追悼するプログラムを支援し、これまで200家族以上を慰めてきました。また、コビー・マンデル財団にも協力しています。同財団の名称は、エルサレムの南に位置するテコアで2001年、残忍なテロによって殺されたコビー少年(当時13歳)とその友人(当時14歳)にちなんで名付けられました。息子の殺害という悲劇に遭遇したコビー君の両親は、テロによって大打撃を受けた他の家族の支援と癒やしのために同財団を立ち上げました。

BFPでは毎年、コビー・マンデル財団が主催するキャンプ・プロジェクトを支援し、最も恐ろしい悲劇の一つを経験した約350人の若者の人生に影響を与えています。

私たちはコビー君のご両親が、どれほどの苦しみを通過したのかよく知っています。彼らをずっと見守ってきたからです。愛する息子が、暴力の果てに苦しんで死んでいったと思うと、気も狂わんばかりの悲しみがこみ上げ、心を保つことができないほどでした。また、わずか13歳で散ってしまった息子の命の意味は何だったのかと自問自答する日々を過ごしました。

その中で、息子の命が、同じ苦しみを背負う人々の助けになるのだと気付いた時、ご両親は大きな慰めを受けることができました。息子の人生は無駄ではなく、一粒の麦となって生き続けることを知ったのです。ご両親の願いは天に届き、コビー君の命は別の形で生き続けています。

イスラエルを愛し、祈るクリスチャンたちは、このテロ犠牲者プログラムへの支援を通じて、傷ついた人々を助けることができます。絶望の淵にいる人々に神の愛で触れることができるのです。皆さんのご支援は、彼らの人生に光をもたらすことでしょう。私たちは皆さんの手足となり、傷つき、心砕かれたイスラエルの人々を慰めてまいります。

神は「このようなとき」(エス4:14)のためにBFPを立ち上げられたのだと信じます。それは、世界中にいる何百万人ものクリスチャンの心を反映し、神のはかり知れない愛を最も弱い立場の人々に届けるためです。神は彼らを回復し、癒やすと約束されました。イスラエルの神を愛するクリスチャンたちは、シオンを慰め、イスラエルの息子たちを懐に抱き、娘たちを肩に担ぐこと(イザ49:22)に召されているのです。

「テロ被害者支援」へのご支援方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※ 銀行口座への送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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