プロジェクトレポート

危機の年

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

戦争、インフレ、災害、食料危機……。
今、私たちはさまざまな危機に直面しています。
しかし、危機を迎えてもなお、イスラエルと共に立つクリスチャンたちが世界中にいることは大きな励ましです。

ウクライナからの避難民 Photo by halfpoint/shutterstock.com

ウクライナ、エチオピア、ロシアに住むユダヤ人にとって、2022年は大きな危機の年であり、困難な年でした。イスラエルではインフレの影響で食料価格が16%も上昇し、人口の4分の1を占める貧困家庭は大変な苦労を味わっています。家賃も高騰し、燃料価格は1ガロン(約3.7リットル)当たり8ドル(日本円にして1リットル270円。日本では現在1リットル約170円)を超えました。

ウクライナにおける戦争は一向に終息の兆しが見えません。ウクライナから避難してきた移民の多くがPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患い、心を閉ざしています。

一方、イスラエルへの帰還を先延ばしにしている女性や子どもたちも大勢います。彼らは、ウクライナから出国できない夫たちを残したまま、自分たちだけで逃げることは考えていません。愛する人と再会して一緒に旅立つことを願い、国境沿いのホテルなどに残って無事を祈っています。

私たちは、新移民の方々がイスラエルの地で生活を再建できるよう生活物資を支援しています。彼らは一様に感謝を口にしてくださいますが、生気を失った目から深い痛みが消えることはありません。無事に避難できたとはいえ、彼らも大きな危機に瀕しています。

10月下旬、ロシアのプーチン大統領は新たに20万人を動員しました。ニューヨークタイムズ紙によると、これらの新兵の多くは何の訓練も受けないまま、徴兵後わずか11日で戦地に送られたそうです。同紙は彼らを「大砲の餌」(いわゆる使い捨て要員)と呼びました。ロシア人たちが不安を覚えるのも無理はありません。

こうした状況を受け、現在ロシアにいるユダヤ人60万人のうち4万人以上が、イスラエル移住に向けて動き始めています。ただし、課題もあります。最大の課題は飛行機です。これまでエルアル・イスラエル航空が、モスクワからの直行便を週2便運航していました。ところが現在、ロシアからイスラエルへの便はほとんど運航していません。どこかを経由しようにも、ほとんどのヨーロッパ諸国が、戦争に対する制裁のためロシアからの便を受け入れていない状況です。ロシア系ユダヤ人たちは、許されればどこへでも飛んでいくことでしょう。そんな彼らを、イスラエルも世界の四方から集めています。

今、イスラエル人たちはエゼキエル書38〜39章の預言に注目しています。そこに言及されているのは「ゴグとマゴグの戦い」です。その可能性が近付いていることを、彼らは公然と語るようになっています。

私たちの行動

世界が深刻な危機を迎えている今、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)もただ手をこまねいて見ているわけではありません。私たちは世界中のクリスチャンにこの危機を知らせ、皆さんからも大変素晴らしい応答を頂きました。危機に瀕するユダヤ人に対し多くのクリスチャンが関心を持ち、愛が一層深まっています。

ウクライナ侵略の口火が切られた22年2月24日以来、私たちは何万人ものウクライナ系ユダヤ人を助けてきました。ウクライナの国境に出向き、イスラエルに渡る準備を手伝い、飛行機代を負担しました。彼らがイスラエルに到着した後は、家財道具を準備して歓迎し、これからの困難な日々を支えていくため食料を提供しています。イスラエルがウクライナに野戦病院を設営した際も支援し、救急用バイクを贈呈しました。ウクライナから避難してきたユダヤ人孤児が長期滞在先に引っ越した時には、家具と生活必需品をお渡ししました。

Photo by Yossi Zamir

2023年は、さらにニーズが高まることが予想されます。まず、戦争から逃れてきたユダヤ人たちへの継続支援があります。ウクライナのユダヤ人だけでなく、ロシアのユダヤ人も助けを求めて叫んでいます。イスラエルは、友人であるクリスチャンがユダヤ人たちを祖国に連れ帰り、彼らを歓迎し、最初の数カ月間を支えてくれることを求めているのです。

すべての必要を満たすには莫大な資金が必要です。私たちは、その途方もない金額を神が与えてくださるよう真剣に祈り求めています。神がお一人おひとりを祝福され、皆さんが神のパートナーとしてユダヤ人支援を続けられるように祈ります。

イエスの家族を助けるために、ぜひ寛大なご支援をお願いいたします。どのプロジェクトを支援するかは、神に導かれるまま自由にお選びください。食料を購入する予算も驚くほど減ってきているので、食料支援にもより多くの資金が必要です。危険にさらされているユダヤ人の命を救うため、帰還者支援と救出支援の必要も増しています。新移民を1年間サポートする里親プログラムには、より多くのペアレント(里親)が必要です。移民を歓迎する贈り物の購入費も不可欠です。

ぜひお祈りくださり、主が皆さんにどの支援をサポートすることを望んでおられるか尋ねてみてください。「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、このような時のためかもしれない」(エス4:14

各支援項目とご支援方法は支援プロジェクト一覧をご覧ください

なお、ウクライナから帰還するユダヤ人の救出及び帰還後の単発支援につきましては、支援項目「ウクライナ」にお願いいたします。里親プログラムなど、1年間の継続支援につきましては、世界各国から帰還する新移民を支援しています。
※里子の出身国はご指定いただけません。

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