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プロジェクトレポート

戦争で引き裂かれたウクライナ系ユダヤ人への支援

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

長期化するロシアのウクライナ侵攻。
ウクライナからのユダヤ人救出と共に、イスラエル現地での支援の必要も高まっています。

ウクライナからの避難民
Photo by Michio Nagata/bridgesforpeace.com

恐ろしい戦争の映像が毎日のようにテレビから流れてきます。私たちは、こうしたニュースを快適な環境にいながら見ていますが、ウクライナに住む人々にそのような選択肢はありません。

ウクライナで戦争が勃発して以来、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)はあらゆる方面から支援活動を継続しています。5月までに2万人以上がウクライナからイスラエルに到着しました。1日当たりにして平均250人です。イスラエルへの避難を希望している人はさらに多く、3万6千人以上がその日を待ちわびています。加えてエチオピアからも週2回、新移民が到着しているというのが現状です。

イスラエルの年間移民者数は、通常の年であれば2万5千人〜3万人です。それが今ではあらゆる国々からアリヤー(イスラエルへの帰還)が続いているため、6月時点で既に年間水準に達しました。

各政府機関、NGO、慈善団体は、残業をしながらウクライナのユダヤ人を助ける毎日です。彼らは、人々を救出しイスラエルへ帰還させ、この地に定着させるという困難なプロセスを担っています。

ほとんどの移民はヘブライ語の知識がありません。そんな中、銀行口座を開設し、身分証を取得し、さらにバスと電車の時刻表や通貨などを覚えなくてはなりません。イスラエルに到着後、政府が支援するホテルで過ごせるのは2週間です。その後は自らの住まいを探す必要があります。ウクライナからの避難民のほとんどは、高齢者か、子どもを連れた母親たちです。男性の多くはウクライナから出ることができないため、現地にとどまっています。

避難民は、イスラエル政府からの援助を1年間受けることができます。ただし、それだけで生活することは厳しく、すぐに仕事を見つけるか、BFPのような支援団体から追加の援助を受けることが必要です。

エルサレムのホテルに滞在中の避難民は、6月中旬時点で約800人。彼らが退去した後、数週間のうちにさらに1500人が到着すると見込まれています。ソーシャルワーカーたちは、ホテル生活を終えた後の避難民の生活を心配し、私たちと熱心に話し合っているところです。

BFPは、新移民を1年間支援する里親プログラムを提供しています。個人あるいは家族を、複数の支援者で支えていくプログラムです。支援内容は、毎月の食料、バスや電車の交通系ICカード、ユダヤ教の祝祭日用のプレゼント、誕生日プレゼント、緊急時対応、無料相談や励ましなどです。このプログラムにも参加希望者が殺到することが予想されます。

カミラさんの場合

ウクライナの首都キーウ(キエフ)から移住してきたカミラさんという女性がいます。戦争が勃発した時、彼女はちょうどイスラエルへの帰還準備中でした。以下は、彼女が語ってくれた体験談です。

カミラさん

「2月24日に戦争が始まり、パスポートを取る余裕さえありませんでした。キーウで砲撃が始まり、警報が鳴り響く中、私は他の人々と一緒に地下鉄の駅構内に逃げ込みました。でも、次にどうしたらいいのか全く分からず、途方に暮れていました。

うれしいことに、インターネットと携帯の通信は機能していたため、エズラ基金(BFPと共同で救出作戦を行っている団体)のスタッフと連絡を取り、必要なアドバイスをもらうことができました。イスラエル大使館がポーランドに場所を移したこと、キーウからは列車で行けることを教えてもらいました。また、パスポートが無くても、ユダヤ人のルーツを確認できる書類と身分証があれば、イスラエルに行くことができると告げられました。

そこで私は必要最低限の荷物をまとめ、リヴィウ(ウクライナ西部の都市)への避難列車に乗るため大行列に並びました。混雑する車内に長時間座りっぱなしで移動し、ポーランドとの国境でも一日中立ち尽くし、国境を越える際にも長い行列に並びました。その後、大使館を探して領事との面談を取り付けることができました。道のりはとても困難でしたが、この間ずっとエズラのスタッフが精神的に支えてくれました。

今、私はイスラエルにいます。これで大きな困難を一つ乗り越えることができたのだと思うと、喜びでいっぱいです。戦争が一刻も早く終わり、ウクライナのみんながこれ以上苦しむことのないようにと心から願っています」

カミラさんが無事にイスラエルに到着できたことを神に感謝します。その一方で、自立への道のりはこれからが本番です。幸いにも彼女にはイスラエルに住む姉妹がいます。しかし、誰もがイスラエルに知り合いがいるわけではありません。

どのように支援できるか

ウクライナや他の国々から来た多くの貧しい移民たちは、失ったものの大きさを悲しみつつも、これからヘブライ語を勉強して仕事を探すことになります。こうした新移民を支える里親プログラムの支援者が必要です。皆さんの支援により、移民たちの生活に大きな変化をもたらすことができるでしょう。里親になってくださった皆さんには、支援している里子の情報(写真とプロフィール)をお届けします。新しい生活に順応しようと懸命に取り組む彼らのために、日々お祈りいただけたら幸いです。

里親プログラムは年間を通じた継続支援です(月額5500円)。ただし、単発のご支援も受け付けています。単発の場合、その時々の必要に応じて移民を支援していきます。

ウクライナのユダヤ人支援と里親プロジェクトのご支援方法

「里親プログラム」では、ウクライナだけではなく、世界各国から帰還する新移民を支援しています(※里子の出身国はご指定いただけません)。

ウクライナのユダヤ人救出及び帰還後のさまざまな必要にお捧げくださる際は、引き続き支援項目「必要のために」へお願いいたします。
その際、「ウクライナ」とお書き添えをお願いいたします。
ご入金方法は「献金方法」をご覧ください。

※クレジットカードの場合は、通信欄に「ウクライナ」とご記入をお願いいたします。

<郵便振替用紙 記載例>

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