プロジェクトレポート

フードバンクの現場から

祝福の実

日本の皆さまから、これまでフードバンクのために多大なご支援をいただきました。皆さまの愛の献金によって配給された食糧は、お米一粒に至るまで、貧しいイスラエル人にとって、またパレスチナ人にとっても、大いなる祝福となっています。この祝福を受けた人々の素晴らしい証が届いています。

ロシアから来た移民者の家族がいます。着の身着のままでイスラエルに移民してきた彼らは、父親が工場で稼いだ少しの収入と、フードバンクからの配給によって、苦しい時代を乗り越えることができました。

苦しさを経て、必死でがんばった一家は経済的に自活できるようになり、魚の燻製を製造する工場を経営するようになりました。フードバンクでは、この工場から薫製を入荷しています。この燻製はロシア人にとって大変なご馳走で、フードバンクをとおして、ほかの貧しい方々の食卓に届いています。

また、地元イスラエルで生まれ育った人の中にも、大勢の貧しい方々がいらっしゃいます。この中に、破綻した家庭生活の末に離婚し、子どもを抱えて途方に暮れている女性がいました。将来に対し大変な不安と苦しみを抱える中、フードバンクからの食糧の支援を受けるようになりました。先のロシア人一家と同じように、この女性もその後経済的に立ち直り、おもちゃを製作する事業を興しました。今は、自分の会社で作ったおもちゃを、フードバンクに献品してくださっています。彼女から届いたおもちゃが、どんなに多くの子どもたちに喜ばれているかわかりません。

このように、皆さまの愛によって捧げられた食糧は、ただ肉的な助けとなっているだけではありません。この支援を受けた経験から、経済的に立派に自立する人々が起こされています。また、「自分も助けられたのだから、困っている人々には手を差し伸べたい……」という人々が起こされています。これこそ彼らの心がいやされている大きな証です。皆さま、本当にありがとうございます!

(手前)食料を手渡すフードバンクの
イスラエル人スタッフ・ヨセフさん。
(後ろ)食べ物を受け取ってうれしそうに
微笑むイスラエル人の男性。

ねずみ算式に増大する必要

イスラエルといえば、観光・ハイテク・農業立国といった華やかなイメージが浮かんできます。また、四方をアラブ諸国に囲まれながら、厳しい中東の風土にも負けず、豊かに花を咲かせ、たくましく成長し、躍進している……いかにも神さまからの祝福を一身に受けているかのような印象を受けます。

しかし現実のイスラエルは、そうではありません。これ以上できないというほど犠牲を払っている世界中のユダヤ人による経済支援が無ければ、とうに滅んでいたのが現実です。それほど外からの支援に依存しているのです。そして、限られた収入源の大きな柱であった観光業が、パレスチナとの争いの影響で壊滅的な打撃を受けている現在、ホテルやその他の観光施設から何千何万もの人々が職を失い、大きな影響を受けています。失業率は現在、約12%にも達しています。

深刻な経済状況の中、フードバンクにも支援を求める電話や人々が毎日のように殺到していて、担当者はその対応だけで一日終わってしまうような状況です。こうして切実に助けを請う人々に対して、今、「NO」という答えしか出せないことが、働き手たちの心に深い悲しみを与えます。

「この人たち全員を食べさせてあげたい。もっと食料を増やしたい……」というのが、フードバンクの責任者であるビル・スティーブンス師のコメントです。外からのニーズはねずみ算式に増えています。

現在、フードバンクでは直接援助・他の団体への間接援助をとおして、合計一万人に食物を配布しています。これだけの人々が、皆さまのお捧げ物によって日々の糧を得ているのです。イスラエル全体の状況を考えると、この一万人は神さまの特別の選びを受けた、祝福された人々であると断言できます。しかし、明日の食べ物に事欠き、この大変な時勢の中で、飢えの不安を抱きながら暗闇の中を生きているその他の選びの民にも、ぜひ手を差し伸べたいと思います。

愛の手を……

皆さまは本当に、主の愛の手として働いてくださっています。日本も不況です。本当に苦しい中を通らされています。そうした中で、昨年一年間、本当に豊かにお捧げくださいましたことに、心から感謝を申し上げます。

同時に、どうか今年も、今まで以上に危機に陥っているイスラエルの貧困層の人々を覚え、食糧がたくさんの方々に行きわたりますよう、このためにお捧げいただけないでしょうか。彼らだけでは立ち行かなくなっているイスラエル経済を覚え、この状況が改善されますようにお祈りください。イスラエルを守られる神が、この状況に速やかに、直接ご介入くださいますように……。そして皆さまの上にも豊かな祝福をお与えくださいますように……。

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