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プロジェクトレポート

シャローム・アレイヘム ―あなた方の上に平安があるように

12月、巷ではクリスマスの音楽が流れ、町中が赤、緑、金……と、さまざまな色で彩られます。誰もが、自然に心浮き立つ季節です。

しかし2000年前、メシアであるイエス・キリストをこの世に送る使命を果たした、肝心のユダヤ人の現状はどうでしょうか。キリスト教社会の喜びとは裏腹に、彼らの状況は世界各地で、日に日に悪化しています。

懸念される反ユダヤ主義

イスラエルで離散問題担当大臣を務めるナタン・シャランスキー氏は次のように語っています。「反ユダヤ主義はここ数年のうちに、あの第二次世界大戦のホロコースト以来の高まりを見せています。ヨーロッパでは、ユダヤ人が暴行を受け、ユダヤ人共同墓地が荒らされ、シナゴーグが放火されています。」これは現実です。ことにフランスに住むユダヤ人に対する排斥が激しくなっています。私たちは再び、ユダヤ人に対する憎しみが激しく燃える時代に直面しています。

ホロコーストの首謀国として、あれほど悔い改めに徹していたドイツでも、次のような出来事が起こっています。最大野党であるキリスト教民主同盟(CDU)のマルティン・ホーマン議員は、「ユダヤ人はロシア革命などで多数の人々を殺した。これにより、彼らは民族として加害者だ!ドイツ人だけが加害者ではない!」と語りました。現場にいた250人の出席者のうち、この発言に誰一人として意見する人はいませんでした。その後、CDUがホーマン氏に行った処分は「戒告」でした。

ドイツで、中東問題によるイスラエルへの反発が大きく影響して、ユダヤ人に対する意識が大きく変化しつつあります。ドイツはヨーロッパ最大のユダヤ人共同体を擁し、イスラエルと共に、今も最も多くのロシア系ユダヤ人が難を逃れて移民してくる国です。それだけに、現地におけるユダヤ人の将来が危ぶまれています。

旧共産圏における脅威

ホロコーストを逃れて、多くのユダヤ人が旧ソ連や東ヨーロッパに移住しました。そんな彼らを待っていたのは、スターリンによる激しい迫害と統制でした。無神論を掲げる共産主義体制下で、聖書やその他の聖典類、シナゴーグが焼かれ、神を礼拝することは制裁の対象となりました。

旧ソビエト連邦から、今日までに100万人を超えるユダヤ人がイスラエルへ戻ってきましたが、現在も多くが取り残されています。ロシアなどの寒村で、物価が高騰して食べ物も燃料もろくに手に入らず、唯一の収入源である年金が滞る状態で、彼らは飢餓に瀕しています。世界で最も寒い土地、シベリア(マイナス40度以下。年によってはさらに極寒になる場合もある)で彼らが直面している現実は、私たちの想像の域を超えています。

ウクライナに住むユダヤ人男性アレックスは、ある真冬の日、帰宅途上で突然捕まえられ、全裸にされ、側溝へと落とされました。本来なら即凍死、という状態でしたが、叫び声を聞きつけた心ある人々の手によって救助され、奇跡的に命を取り留めました。

この事件のみならず、アレックスは何度も何度も暴力を振るわれ、嘲笑され、侮蔑の言葉を浴びせられました。ユダヤ人としての彼の生涯は、差別と迫害に満ちたものでした。イスラエル帰還への道が開かれ、やっと差別から解放されるという夢が現実となる寸前、心臓発作を起こし、天に召されました。何という苦難でしょうか……。彼の遺族は、ぬぐいきれない悲しみを抱えながらイスラエルへと帰還しました。

「シャローム・アレイヘム」

中東情勢によってさらにあおられた反ユダヤ主義は、サタンが培った憎しみの温床です。選びの民を滅ぼし、世界の祝福の基、光となるべく立てられた神のご計画を崩そうとするものです。これに対抗する手段が、私たちには与えられています。

イスラエルに続々と到着する帰還民の群れ

1.反ユダヤ主義と戦う。

メディアや世論に対する大きな働き掛けもさることながら、まず、周りの人々に働き掛け、イスラエルに対する誤解の種を取り除くことがすべての土台となります。

2.実際的な支援の手を差し伸べる。

BFPは『救出作戦』を通して、「漁師」と呼ばれるスタッフを旧共産圏に派遣して、ユダヤ人を救出し、イスラエルへ帰還させるお手伝いをしています。たくさんのユダヤ人が、皆様の助けによってイスラエルの地を踏むことができました。今も多くの人々がイスラエルへの出国希望リストに名を連ねています。

3.祈りの武器を取る。

神は祈りなしには働かれません。祈りはクリスチャンがとる最大の武器です。ハイナイト(「命の夕べ」――BFPの推進するユダヤ人のためのとりなしの祈り会)がその手段の一つです。皆様の属しておられる教会で、ぜひお取り組みください。

パウロの書簡に「あなた方の上に主イエス・キリストにある平安があるように」というあいさつがしばしば登場します。「その家にはいるときには、平安を祈るあいさつをしなさい」(マタイ10:12)。と主イエスもおっしゃっていますが、「シャローム・アレイヘム」と呼ばれ、現代でもユダヤ人の間でよく交わされている、聖書的な習慣です。

この笑顔を守るために……

世界中に散らばっていても、ユダヤ人は「イスラエル」という共同体です。彼らの上に神の平安があるように……。「シャローム・アレイヘム」と彼らに呼び掛け、祈りましょう。迫害が激化する前に、父祖の地・イスラエルへと戻ってくることができるように。そして、BFPのプログラムを通して、飢えと寒さと差別の中で凍える人々に、どうぞ愛の手を差し伸べてください。皆様の思いが、祈りが、彼らの命を救う力となるのです。

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